洞窟の奥
おはようございます、夏玉 尚です。
ではどうぞ。
どれくらいの時間が経ったのだろうか。
暗い洞窟の中では全くわからない。
松明の僅かな明かりを頼りに周りを見る。すると女騎士が俺の隣で静かな寝息を立てていた。
「全く・・・」
俺は女騎士の肩を叩いて起こそうとする・・・が起きない。
「起きろ、ほっといていくぞ。」
魔物のいない洞窟の驚くほどの静けさの中、俺の声だけが周りに響く。
「・・・んんっ・・」
女騎士が目覚める。
「まだ暗いじゃないか・・・」
「当たり前だ。ここは洞窟の中だからな。」
女騎士は軽く体を伸ばし、立ち上がる。
「出口はどこだ?」
俺は女騎士に尋ねる。
「知らない。」
「え?」
どうやら俺達はこの洞窟で迷ったようだ。さてどうするか・・・
「俺の連れが岩に沿って進めばいいと言っていた。そうしようと思うのだがどうだ?」
「それでいいと思う。」
そうして俺は松明を片手に岩に沿って歩き始めた。その後ろから女騎士がついてくる。
それからしばらく歩いた。だが一向に出口は見えない。だが途中から平坦な通路から緩やかな坂に変わった。それも下へと続く坂に。
「なぁ、なんか下に向かってないか?」
女騎士も気付き、心配になったようだ。
「そうだな、でも行くしかないだろう?」
緩やかな坂はだんだんと急になってくる。
うっかり滑らないように気を付けながら俺は前へと進む。
「うわっ!!」
何も見えない暗闇から女騎士の声が聞こえる。
「どうした!?」
聞いてみたが返答はない。
女騎士が居たであろう場所まで向かうとそこにはぽっかりと穴が開いていた。
松明で照らすと穴の大きさと深さが見えた。
正方形で人間2人くらいなら入れるような穴、その奥はまるで見えない。
キーン キーン
剣で岩を叩く音が穴の奥から聞こえる。
十中八九、女騎士だろう。
俺は松明を片手に穴に飛び込んだ。
10秒、落ちている時間と言うのは長く感じる。
その後、地面に着地する。
地面には藁が敷いてあり、着地の衝撃がほとんどなかった。
松明で周りを照らすと、岩の中にできた小さな部屋のようだ。
「だれかいるか!」
暗闇に問う。
「ここだ!」
暗闇から返事が返ってきた。
声のした方向に明かりを向けると、そこには大きな石板と、それを見つめる女騎士の姿があった。
その石板はまるで地下世界にあった勇者の墓標のようだった。
いかがでしたか?
ではまた。




