次の場所へと
こんばんは、夏玉尚です。
どうぞ。
城を出て最初に向かうは宿屋。
幸い城の近くにあり、痺れる体でも何とか歩いていけそうだ。
・・・宿屋につくと部屋をひとつ借り、主人に付き添ってもらって部屋のベッドに横になる。
なんとも情けない。
何もすることがないのでとりあえず眠ることにした。
三日
体が完全に回復するまでにかかった時間だ。
俺は宿代を払い、すぐに武器屋へと向かった。
人とすれ違う度に声をかけられることがなんとなく居心地が悪い。
ガレッドのところへ早く行ってこの国を出なければ。
城を中心に円形になっている町の宿屋の反対側に武器屋はあった。
「ガレッド、俺はもう大丈夫だ。行こう。」
窓から顔を覗かせ、武器屋の店主と話しているガレッドに声をかける。
「おお、治ったか!こっちも完成してるぜ!」
「あなたが旅の騎士様ですか!この度はありがとうございました。」
武器屋の店主にも声をかけられる。
「いや、大したことは・・・」
「なに照れてんだ!アッハッハッハ、お前のそんな顔見るのは初めてだぜ。」
思わずガレッドを殴ってやろうかと思った。
「いやはや、女たちの噂通り凛々しいお方でございますね。」
「凛々しいってよ、ガッハッハッハ!」
自分でも顔が赤くなるのがわかる。
ゴンッ
「いてぇ!」
ガレッドの頭に一発入れた。
「行くぞ。」
「お、おう。じゃあな、また寄るからよ。」
そう言い、俺たちは武器屋を後にした。
「で、次はどこに行くんだ?」
「とりあえず、道なりに進もうと思う。」
「じゃあ少し離れるが、シルマだな。」
「シルマ?」
「お前ホントにこの世界のこと知らないんだな。シルマってのは古風な国だ。」
「古風?」
「とりあえず古い慣習にうるさくて厳しい。見たらわかるんだが古い国だな。」
「なるほどな。」
「だが道のりは厳しいぞ。山を越えるからな。」
次の目的地が決まった。
だがまだハーバーランドでやることが残っている。
俺たちは城の手前にある王守護騎士団の詰め所に立ち寄った。
「すまないが、聞きたいことがある。」
俺が声をかけると奥から見たことのある顔が出てきた。
「アンタか、最初に見たときと印象がガラリと変わったよ。」
出てきたのは最初に立ち寄ったときの男だった。
「で、なにかな?」
「あぁ、騎士団のことを詳しく聞きたいんだ。」
「そうか、なら教えてやろう。」
その騎士の話によると、国ごとに設置されているのが「王守護騎士団」、最も強い者を騎士長に組織されている。
そして一般の騎士団、それぞれの目的のために動く騎士団で無数にあるらしい。魔族や悪人によるものもあるらしい。
その騎士団の頂点にいるのが聖王守護騎士団。勇者が率いる聖王を守るための騎士団らしい。
国に所属していない一般の騎士団は盗賊の討伐や悪を働く騎士団との戦い、人物の警護などを生業としているらしい。
「なるほどな。よくわかった。感謝する。」
「騎士団かぁ、これからも会うんだろうな。」
「うむ、この度は色々あったがこの国にとって良いことの方が大きかった!イヴァン様のことは・・・どうにかなるだろう。お前達の旅が上手くいくように願う。」
もう一度城下町を眺める。
色々と世話になった国だ。背のマントはこの空のように蒼い。
敢然と構える立派な城、この度の件を受け止めようと普段の生活を送る国民。そしてこの国の安全を守る高い城壁に兵器。
すべきことはした。
「おい、早く行こうぜ。」
ガレッドの声に俺は次の場所へと繋がる門の方へと歩き出す。
広い背中の蒼いマントが、太陽に煌めく。
いかがでしたか?
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感想なども待ってます。
では、また。




