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旅騎士の遥かな旅  作者: すらいむ N
3 城塞国ハーバーランド
18/34

勇者の意思

おはようございます、夏玉尚です。




どうぞ。

戦場はハーバーランドの北に広がる平原。


俺に武器を向ける敵をひたすら斬り倒し、後ろへ行かせなかった。

ガレッドの剣はいつも通りの切れ味を発揮している。


この世界ではどうやら魔物と魔族がいるらしい。

魔族は耳の尖った人間に似た種族だ。

見たことのない魔法を使うが、他の兵士たちは何度も見たことがあるらしく、臆していないのが幸いだ。








「先陣を斬ることになった名も無き騎士だ!現在この国で一番強いということでこの国の人々を守るために戦わせてもらう!!指揮は白騎士代表、戦場ではよく従うように!!」


俺は城壁の上から叫ぶ。

眼下には乱れもなく整列した兵士、騎士が俺を見上げている。


「それでは各自戦闘配置につき、魔族の襲撃に備えよ!兵器役以外の兵士、騎士は俺に続いて城外に出ろ!!」


指揮官の声が響く。



俺は先頭に立ち、門へと向かう。

分厚い門を開き、外へ出る。後ろには練磨の戦士たちが続く。


平原は遥か彼方まで見渡せ、魔族らしき集団が近づいているのが見える。


城門の上には連弩、弓兵が待機し、平原には広く戦士たちが展開する。


先頭に俺が立ち、その後ろに白騎士たちが、その後ろに兵士が並ぶ。


統一された装備の騎士、兵士は既に武器を構えている。



濃い青のマントが風になびく。


敵の先陣がすぐ近くまで来た。耳の尖った種族は以前の村で見た二人と同じだろう。



「射てーーーッ!!」


指揮官の声に続き一斉に矢の雨が敵へと降り注ぐ。



キィィィン


敵の多くは頭上に魔法円を描き、矢を弾いている。当たった者は倒れていく。



「行くか。」


俺は一人で矢の雨を潜り、魔法円に集中する敵を片っ端から斬り倒していく。


青い背が平原を縦横無尽に駆け巡る。


騎士たちは指揮官の合図が出ていないのでまだ立っている。



「おおっ!」


先陣部隊の二百余りを倒したところで歓声が漏れる。

後ろを振り向き、城壁を見ると、矢を補填したり、別の兵器を準備している。


「勝てる戦だ!!皆、焦らず迎え打てーッ!!」


指揮官が叫ぶと おおっ! と返答が帰る。



続いて第二部隊目がやって来た。

数はおよそ倍、今回は俺一人では倒しきれないだろう。



ある程度まで敵が来るとまた上から矢の雨が降る。


多少は倒れたが、半分以上は矢の雨を切り抜けた。



一定の距離を越えると、逆に矢は射てない。見方に当たる可能性があるからだ。



俺は走りだし、魔族の輪の中に入る。


「ハーバーランドは終わりだ!これからは我ら魔族の拠点となるのだ!!」



俺は長い槍を振り回す魔族の一人と対峙した。


「お前らは何故この国を攻める?」


俺は聞いた。


「この世界を支配するためだ!この国はその足掛かりとなるのだ。」


周りでは騎士や兵士が果敢に戦っている。


鍛えられた戦士たちは一歩も退けを取っていない。


「うおぉぉぉッ!!」


魔族の先制だ。槍を地面に刺し、それをバネにして高く飛び上がる。


「喰らえ!」


魔族の手を大きな黒炎が包む。どうやら魔法のようだ。


「お前ら人間は魔法に長けてはいない!魔法を作り出した我らに勝てると思うなよ!!」


黒炎は大きさを一段と増し、空中からそれを放った。



横や後ろに避けることができるはずもなく、俺は飛び上がる。


「もらったぁッ!」


魔族は着地と同時に槍を抜き、空中に向けて突く。


一、二、三、四


四発目が顔をかすめる。赤い血が頬に滲み、少しの痛みが走る。


俺は体を捻り、魔族から離れたところで着地をする。


「一つ聞く。お前は魔族の中でどれくらい強いんだ?」


俺の問いに魔族はふっと笑う。


「さぁな、この部隊の連中が俺より弱いのは確かだ。残念だったなお前はここで死ぬことにッ・・・!!」


言い終わる前に俺は真っ二つに真ん中から切り裂いた。


ズパァ


魔族の体の作りがよくわかるように二つに割れ、敵はその場に崩れた。




ドスッ!


ふと背中に痛みが走る。


その後も続けて痛みが走る。


振り向くとそこには弓を構えた魔族の一部隊が立っていた。


「続けて射て」




今度は俺が矢の雨を浴びる。


体に刺さるは幾十の矢。

止まることなく降り注ぐ。


足が震え、膝をつく。

腕にも矢が落ち、剣も落つ。



盾を持ってこなかったことを悔やむ。

多勢に無勢・・・。

調子に乗り過ぎたな。



死か。

暗い世界へと誘われる。


だが何かがその足を止める。



「十分勝てる数」


王の言葉が頭をよぎる。


ここは死に場所ではない、こんなところで死ぬわけにはいかない。


死ぬ方が楽ではあるが、あえて生を選ぶ。




ぐぐぐぐっ


体が軋む。針鼠のような体はまだ人の形を保っているようだ。

一本でも抜けば血が吹き出して死ぬだろう。



どうする?

まだ本隊はいるはずだ。


ましてや第二部隊ですら数多く残っている。



残された手段は一つ。








俺は 自分の意思で 〈墜ちた〉


いかがでしたか?


ではまた。

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