村の異変
こんばんは、すらいむ[N]です。
第11話です。どうぞ!
村の中には既に人間の姿はなかった。
いや、生きている人間の姿がなかったという方が正しい。
視界の中だけでも約20もの死体がある。どれも息を絶って間もないようだ。
間もない・・・、なら村人を殺した奴がまだこの近くにいるかもしれない。
俺は剣と盾を構え村の中へと入る。
広い畑に植えられていた作物は食い荒らされ、果樹の木はへし折れている。
さらに進むと民家が見えてきた。どの家も鋭い爪痕が刻まれていたり、ドアがないものもあった。
俺は世話になった武器屋が気になった。ガレッドは無事なのか、剣は無事なのか。
少し歩くと武器屋が見えた。村の入り口からここまで俺は西に歩いてきた。北には道具屋があったはずだ。
武器屋は遠くから見てもボロボロだった。俺は走った。
だが武器屋の中にガレッドの姿はなかった。
どこにいった?
争った形跡はある。店内には折れた剣や真っ二つになった盾が散乱していた。
ガレッドの死体がないということはどこかに隠れているか、あるいはどこか別の場所で死んだということだ。
俺は微かな希望を信じ、日が沈んだ村をひたすら歩き、探した。
だがそれらしき姿は見つからず、他の村人の死体ばかりが転がっている。
見慣れたものだからなにも思わないが、長居はしたくない。
俺は死体のない、広場の噴水の縁に腰を掛ける。
ザァァァァァァァ・・・ザァ・・・サァァ・ ・・
縁に座ったと同時に噴水が止まる。
ゴゴゴゴゴ・・・
音と共に水が排水溝へと引いていく。
水が引くと、排水溝の下に階段のようなものがあった。
俺はこの下にこの村の人々を虐殺した犯人がいると思い、降りることにした。
排水溝の金網を外し、階段を降りる。
タン
タン
タン
タン
タン
階段を慎重に降りていく。
ガレッドの剣を右手に、盾を左手に
握りしめて。
スタッ
地面に足をついた。
石造りの細い道が、緩やかな坂になって
さらに下へと続いている。
人一人がやっと通れるくらいの道だ。
数歩先は闇で、なにも見えない。
俺はいつでもどの方向からの攻撃にでも対処できるように構えながら進んだ。
少し歩くと、闇が広がった。
部屋のような場所に出たみたいだ。
カツン
カツン
足音が聞こえた。
前方、俺から5歩くらい先からだ。
ブンッ
ドゴッ!
突然目の前に何かが降り下ろされた。
それは俺の額に直撃する。鈍器のようなものだ。
何が起こったのかわからない。
頭がボーッとする。脳震盪が起こったようだ。
剣が右手から落ちる。
目に額から流れた血が入り、視界が真っ赤に染まる。
真っ直ぐ立てない。
俺はその場に崩れ落ちる。
血が止まらない。
血が止まらない。
血が止まらない。
このままではまた、 死ぬ。
「・・・この剣は・・・俺の作った剣か?」
聞き覚えのある声が聞こえる。
「もしやお前は朝の!?」
誰だかわからない。血が流れすぎた。
「アイツらかと勘違いしてしまった。悪い、すぐに手当てをする。」
俺は力強い手に引きずられ闇の奥へとつれていかれる。
すぐに回復呪文を唱えられた。
頭の傷が癒されていく。
血が止まり、視界もハッキリしてきた。
頭の痛みも少しずつ和らいでいく。
すると今いる場所がどういうところかわかった。
ここはあの闇の奥にある小部屋だ。
天井からは小さなランプが三ヶ所に吊るされている。
そして俺を武器で殴り、介抱したのは探していた武器屋のガレッドだった。
「すまん!てっきりアイツらかと思ったんだ。本当にすまん!」
ガレッドが俺の武器を俺のとなりに置きながら言った。
「村人を殺したのは誰なんだ?」
俺は一番聞きたかったことを聞く。
「・・・。」
「どういうことだ?」
「なにもわからねぇ、いつからあぁだったのかもわからない。何が起こったんだ!いつからだったんだ、なにもわからない!!」
「わかるように説明してくれ」
「あ、あぁ。今日の朝お前が村を出た後、俺は早速預かった剣を鍛え始めたんだ。そう、昼過ぎだ。昼過ぎのことだった。急に生物が腐ったような臭いがしたんだ。」
語るガレッドの体はガタガタと震えている。
「・・・それで?」
「それでも俺は剣を鍛えていたんだ。すると呻き声が聞こえ始めたんだ。魔物かと思って俺は店においてあった武器と軽い防具を着て、確かめに行こうとしたんだ。」
「・・・魔物が襲ってきたのか?」
「いや違う・・・違うんだ・・・。 ・・・ん? 危ない!!」
俺は何かがいる気配がして隣にあったガレッドの剣を握り、振り返りながら薙ぎ払った。
ズルッ
・・・ドサッ
そこには死んでいたはずの村人らしきナニカが倒れていた。体には腐敗が進んでいる様子が残っている。
「来たっ!とうとうここも見つかったか!!」
ガレッドは自分の剣と防具を身に付けた。
「マズいな!ここは一番奥、出口は入り口だけだ!!」
「ガレッド、これは一体どういうことなんだ?」
俺は盾を装備し直し、戦闘態勢をとる。
「この通りだ!村人が全員こうなってるんだ!理由はわからん!!とりあえず切り抜けるぞ!」
「わかった。」
「明かりが必要だ。このランプを腰に付けろ!」
ガレッドが天井のランプを二つ外し、ひとつを自分の腰に、もうひとつを俺の腰につけた。
「ふぅ、行くか。」
俺は呟きながら闇へと足を踏み出した。
いかがでしたか?
ではまた!




