四十九話 (視点ナサン)
テントに戻ってクィムと設計図を広げる。
「……ある程度小さな部品は組み立てて持っていった方がよさそうだな。クィム、俺が指すところに関係している文字を読んでいってくれ。
それからマルセラたちは、今足りない資材を確認して調達してきてくれ。」
俺のその言葉を合図に作業に入った。
「……設計図によると、この部分……それからこの部分に魔法が使える人が入る部分があったようです。」クィムが指さした箇所を、俺は設計図の上で見比べる。
「ですが、魔石を使うように作り変えるとなると、これらの部分は構造を変えねばなりませんよね?」クィムは不安そうだが、俺も不安になってはいけないと自分で頬を叩き。
「今更引き返すのはなしだ! ……それに、魔石用に改良すれば、このスペースはかなり小さくできる。じいさんが考えてた錬成器より、もっと小さくできるかもしれねぇ!!」と自分を奮い立たせる。
「……そうですね!絶対に兵器にはさせません、まずは必要な資材を確認しましょう。」とクィムも頷いた。
設計図を囲って資材を確認していると、足りない資材がかなり多かった。
「この魔法使いが入るはずだったところに使う銀板がかなり足りないようです……」とクィムが呟き、マルセラが「じゃあ、銀板も買い物リストに追加だね!」と紙に書こうとしたその時だった。
エンリケスとロドリゴ、それからディエゴが顔を見合わせる。
「どうした?言いたいことがあるのか?」とイゴールが聞くと、「確証はまだありません、ですが申していいものか……。」ディエゴは少し迷ったように口を開いた。
「銀板を使うと、魔石の働きが悪くなってしまうかもしれないんだ。」エンリケスが眉間にしわを寄せながら言った。クィムとイゴールはハッとしたような顔で顔を見合わせる。
「……お察しの通り、銀は“魔除け”に使われる金属だからな。」とロドリゴは腕を組み、少し考えてから「その部分、銅板に変えられないか?それなら魔石とも相性がいいかもしれない。」と呟く。
「銀板も銅板も柔らかいからなぁ……。」俺は設計図のその部分を睨みつける。銀板を銅に変えるとして、強度はどうしたものかと頭を掻いた。
「でもね、魔石に銀板が直接触れなければ、働きが落ちることはないんだ。難しいことを言ってごめんね?」とエンリケスは眉を下げた。
「じゃあ、魔石に触る部分を銀板から銅板に変えて、設計図にはないが、外から鉄板で補強するしかない。それなら問題ないか?」と聞くと、魔法使い三人は頷いた。
「クィム、設計図に書き加えといてくれ。それからマルセラ、銅板と一緒に鉄板を買い足してくれ。」俺はほっと息をついた。
「資材調達のリストは一旦この辺でいいな?俺とクィムと……マルケス!お前も来い!
ひとまず、今ある資材で作れる部品を組み立てるぞ!
イゴール!悪いがこのテントしばらく使わせてもらう!」と俺たちは各々作業に入った。




