第2話 入学式 後編
僕たちはフォンゼル先生についていき、学園長室へとたどり着いた。
先生「では、私はここで待っていますね。」
フォンゼル先生に言われら僕たちは中に入った。
アスト「し、失礼します。」
ゆっくりと中に入る。中央のイスには学園長であり、この国の女王、へルミール様がいた。
学園長「良く来ましたね、アストさん、ユキトさん。まずはご入学おめでとうございます。」
学園長はそう言うと、僕たちに深々とお辞儀をした。
アスト「あ…ありがとうございます。」
学園長「ではお二人とも、そこのイスに座ってください。」
学園長に言われ、僕たちは学園長の向かい側にあるイスに座った。近くで見ると僕のお母様と似たような、女王特有の雰囲気を感じる。
学園長「さて、さっそくなのですが本題に入らせてください。まず、どうしてあなたたちがここに呼ばれたか分かりますか?」
アスト「えっと…黒いオークの件についてですよね。フォンゼル先生から聞きました。」
学園長「えぇ。その通りです。そうだ。お話する前に先に預かっていたこれをお返ししましょう。」
学園長はそう言って立ち上がると、壁に立てかけていた剣を持ってきた。
ユキト「あっ!俺の剣!」
ユキトがすぐ反応した。
学園長「ギルドの方たちが、オークから引っこ抜いて回収してくれたそうです。どうぞ。」
ユキト「あ、ありがとう…ございます!」
ユキトは剣を受けとって、学園長の顔を見る。
ユキト「あ、あの…ちょっと降っても良い…ですか?」
敬語が苦手な彼はところどころぎこちない喋り方で学園長にきく。
学園長「えぇ。少しなら大丈夫ですよ。」
その言葉を聞いてユキトは嬉しそうに尻尾を振りながら素振りをする。
ブンブン
その様子を学園長は感心したように見ていた。
学園長「なるほど…見事な太刀筋ですね。まだ生徒の中でもそこまでキレイな太刀筋をする人は見たことありません。」
ユキト「あ、ありがとうございます!」
少し降って満足したユキトは、剣を置いて椅子に戻った。
学園長「さて…それでは話を始めましょう。あなたたちはあの黒いモンスターに会うのは今回が初めてなのですか?」
アスト「えっと…そうですね。普通のモンスターは見てますけど、黒いモンスターは初めてです。」
ユキト「俺もです。」
学園長「そうなのですね。実はあなたたちが倒した黒いオークは、ギルドでもそれなりに実力がないと討伐に向かってはいけないとされています。」
アスト「え!?そ、そうなんですか?」
学園長「はい。黒いモンスターは最近でてきたので情報は少ないですが、少なくとも黒いオークは、<ランクC>の危険度だそうです。」
2人「「え!?」」
モンスターは危険度によってランク付けされている。
F、E、D、C、B、A、Sの7段階で強さを表している。
Cクラスのモンスターは、中級者のギルドのパーティーでも倒すのはきついと言われている。そのため戦闘ができない人は、Cクラス以上のモンスターは、見たら逃げるようにと言われている。ちなみに普通のオークなら<ランクE>のはずだ。
F、E、Dのランクに入っているモンスターは、基本小さな村に損害がでる程度の強さだが、C以上のランクに属するモンスターになると、一体で国に損害を与えてしまうほどの強さを持っている。確かに僕は黒いオークを前にして勝てる手段が見えなかった。普通のオークなら勝てる自信はそれなりにあったのに、あの時は負けると思ってしまった。それはそうだ。僕でもDのモンスターでは勝てるか怪しいのに、Cのモンスターだと勝てるわけもない。それなのに、大した傷も負わず、あの黒いオークを討伐することができてしまった僕たちはかなり運が良かったんだと改めて思った。
学園長「あなた達を呼んだ理由は、話を聞くのもそうですが、私自身あなた達に興味があったので、是非お話してみたいと思ったのです。どうやってあなたたちはあの黒いオークに勝ったのですか?」
アスト「えっと…。」
僕たちはあの戦いについて学園長に説明した。学園長はそれを興味深そうに真剣になって聞いていた。
アスト「正直、ユキトがいなかったら勝てていなかったと思います。」
ユキト「俺も、アストが傷を回復してくれたり、サポートをしてくれたから勝てたと思う…思ってます。」
学園長「フフフ…それはそれは…。やはり私の見込んだ通りですね。2人はとても良いコンビだと思いますよ。」
学園長は僕たちをみて優しく微笑む。
アスト「ほ、ホントですか?」
学園長「えぇ、初めてあったのに、そこまでお互いを信じて協力できるのは簡単なことではありません。」
ユキト「そ、それほどでも…。」
ユキトが照れ臭そうに笑う。
学園長「ですが、あなたたちが実力があるといっても、無理をして言いというわけではありません。今回はたまたま運が良かったので命拾いはしたところもあります。次あった時にまた倒せるとは限りません。」
確かにそうだ。さっきいった通り、たまたまユキトがあの馬車にいなかったら、僕は死んでいたかもしれない。
学園長「ここ最近この国の近くで、黒いモンスターの目撃情報が多数きています。あなたたちが見たように黒いオークもいれば、黒いゴブリンやスライム、ゴーレムもいるのです。」
ユキト「えっ!?俺、そんなこと聞いたことがないんだけど…。」
学園長「そうだと思います。黒いモンスターの情報がきたのはここ最近ですからね。ギルドの中でそれなりに広まっているだけで、国全体にはまだ広まっていません。他の国や大陸にもでているかは分かりませんが。」
アスト「もしかして…黒いスライムや黒いゴブリンも、普通のモンスターと比べると強くなっているのですか?」
学園長「えぇ、恐ろしい話ですが。黒いモンスターは、最低でもDクラスはあると聞きました。」
アスト「最低でDクラス…!?」
僕たちは驚く。黒いモンスターがそこまで強いモンスターとは思わなかった。普通のスライムでも、強さはFクラスと最弱が普通なのに。
学園長「あなた達の話を聞いて、どうやらこの国から近いところにも現れるみたいなので、そろそろこちらも動かなければなりません。」
アスト「本格的に黒いモンスターを倒すということですか?」
学園長「えぇ、この国の女王かつ学園長として、国民や生徒を守らなければならないので。」
その言葉からは強い意志を感じる。さすがは一国の女王様。その言葉を聞くだけでどこか安心感がでてきた。
ユキト「俺も手伝います!」
ユキトは勢いよく手を上げて申し出た。僕はビックリしてユキトを見る。すると、彼の目は真剣な眼差しで学園長を見ていた。どうやら本気のようだ。
学園長「それはダメです。」
しかし学園長は厳しい顔をしてあっさり断った。
ユキト「えっ!?な、なんでですか!?俺も…役に立ちたいです!」
ユキトは昔からモンスターとたくさん戦闘をして育ってきた。だからきっと、モンスターに対して思うところがあるのかも知れない。
学園長「何故って…。」
しかし、そんなユキトを見ながら、落ち着いた様子で話し出した。学園長の表情はあ優しい笑顔になっている。
学園長「せっかくこの学園に入学してくれたのに、そんなことを手伝ってもらってはせっかくの学園生活がつまらないではないですか。」
そう言ってふふふと笑った。さすがは学園長。生徒のことを第一に考えている。
ユキト「それは…。」
学園長「確かにあなたたちは強いと私は思います。ですがまだあなたたちは子供です。私の学園に入ったからには、あなたたちは私にとって大切な生徒です。生徒や国民は私が絶対に守ります。」
女王様の目は本気だった。しかしその言葉でこの人は信用できると僕は確信した。
アスト「ユキト。ここは大人たちに任せよ?」
ユキト「そうだな…。」
学園長「ありがとうございます。あともう一つ言いたいことがあります。」
アスト「何ですか?」
学園長「何度も言う通り、あなた達は確かに強いですが、それで無茶な冒険をしたり、モンスターと戦ってはいけませんよ?自分の命を一番に考えて行動してください。分かりましたか?」
アスト「はい、分かりました。」
学園長「なら、良かったです。フォンゼル先生!」
学園長は、廊下で待機していたフォンゼル先生を呼んだ。
先生「はい、いかがなさいましたか?」
フォンゼル先生が部屋の中に入ってきた。相変わらず動きがぎこちないので不安になってしまう。
アスト(フォンゼル先生ずっと待ってたんだ…。)
学園長「話はこれで終わりました。2人をまた寮に連れて行ってあげてください。
先生「かしこまりました。」
学園長「お時間をとってしまい申し訳ありませんでした。」
アスト「いえ、僕にとっても有意義な時間になりました。」
ユキト「俺も…今回は反省するところがあったので…気をつけます。ありがとうございました。」
そう言って僕たちは丁寧にお辞儀をした。
学園長「フフフ…さて、明日からは学園生活が始まります。今日はゆっくり休んでくださいね。」
2人「「はい!」」
◇◇◇
2人の少年が出ていった後、学園長は彼らについて考えていた。かなり将来有望だと思う2人。片方の少年は、あの上級魔法の宝石魔法が扱える。もう片方の少年は、混血種であり、あのデカい黒いオークに剣を刺してしまうほどの力を持っている。
学園長「Cクラスのモンスターはそんな簡単に倒せたら苦労しない…。少なくともギルドの階級でCクラスの実力者がいないと討伐ができませんからね。でもそんなモンスターをたった2人で倒した彼らは想像以上の実力がある…。フフ…今後の成長がとても楽しみですね…。」
そう言って扉の方を見た。それは、女王としての言葉ではなく、生徒の成長を楽しみにする学園長の言葉だった。
◇◇◇
先生「さて、アスト君とユキト君。今日はお疲れ様でした。この後はゆっくり休んで明日に備えてくださいね。」
アスト「はい、ありがとうございます。フォンゼル先生。」
フォンゼル先生に寮まで送ってもらい、僕たちは1度それぞれの部屋に行くことにした。荷物をシュートに任せてしまったので、荷解きをしなければならない。
ユキト「じゃ、また後でな!」
アスト「うん!ここで集合で良いんだよね?」
ユキト「おう!お互い荷物を置いたらすぐにこようぜ!俺はシュートも呼んでくる!」
そう言ってユキトは階段を上がって行った。
アスト「えっと、僕は…何階だ?」
ユキトが行ったのを見送った僕は、近くにあった寮内の地図を見る。この寮は10階建てで広すぎるせいで本当に迷子になりそうだ。
シュート「アストさん!」
アスト「シュート!」
地図を見ていると、たまたま廊下の奥からシュートがやってきていた。
シュート「お話はもう終わりました?」
アスト「うん、もう大丈夫だよ。あっ、そうだ。僕の部屋の場所教えてくれない?」
シュート「良いですよ!…あれ?ユキトさんは?」
アスト「え?さっき別れて各々部屋に向かおうという話になって別れたけど…何で…?」
シュート「えっ、アストさんとユキトさんは部屋は隣の同士ですよ?」
アスト「ウソデショ…。」
別れなきゃ良かったと後悔し、急いでユキトの後をついて行った後、荷物を持っていったシュートに、部屋の場所をおしえてもらった。
———
アスト「よっこいしょっと…これは…こっちで…。」
僕はシュートから教えてもらった部屋に行き、持ってきた荷物を置いていく。寮の部屋はとても綺麗に管理されている。さらに、一つ一つの部屋が、泊まった宿屋の部屋よりもかなり広い。
こんな広さの部屋が一つ一つ用意されているなんて、やはり学園長が女王様なだけはある。
コンコン
その時、僕の部屋の扉をノックする音が聞こえた。
アスト「うん?誰だろう?」
ユキト「おーいアスト、俺だ!ユキトだ!」
アスト「ユキト?開いてるから入ってきて良いよ!」
ガチャン
僕がそう言うと扉が開き、ユキトとシュートが入ってきた。
シュート「お邪魔します。」
アスト「あっ、シュートも一緒だったんだね。」
ユキト「おう。シュートも俺たちと近いからな。それより…ごめんな…まさか隣だとは思わなくて…。」
アスト「しょうがないよ。それでどうしたの?」
ユキト「荷物の整理が終わったから、さっき言ったこの寮の散策に行こうぜ!」
アスト「分かったすぐ行くよ。」
ユキトに誘われ、さっそく僕たちは寮の散策をすることにした。
シュートは僕たちがいない間に寮を見て回ったらしく、シュートに紹介してもらいながらいろいろ歩いてみた。台所、大浴場の他にも、寮には道具屋や食堂、図書室などもある。僕は気になって図書室へと行ってみた。
アスト「おぉぉー!」
図書室というがやはりその広さはすごく、もはや図書館といってもいいほどの広さだった。本が好きな僕にとってはテンションがあがる光景だ。
ユキト「すげぇ広いな…!いっぱい本があるぜ…!」
ユキトもこの光景に圧巻されたようだ。
ユアスト「だよね!でもここまで広いと本探すの大変そう…。」
シュート「まだ夜ご飯はできていないみたいなので、ここで時間をつぶすのもいいと思います。」
アスト「そうだね。久しぶりに何か良い本を探してみようかな。」
ユキト「俺もさがしてみようかな。」
せっかくなので僕たちは図書室で本を読んで、そのまま時間をつぶした。ちなみに僕は魔法に関する本や、他の大陸に関する本。星に関する本などいろいろ読んでみた。小さいころから星が好きで、よく昔から星の絵本とか小説を読んだりしていた。
この図書室にも、読んだことのない本がたくさんあるので、いつか全部読破したいところだ。
———
すっかり本に夢中になってしまい、気づけば数時間で数冊は読んでしまっていた。さすがに少しお腹が空いてきたと思っていると、ユキトたちが戻ってきた。
ユキト「飯食いにいこうぜー!」
2人もお腹が空いていたらしく、ちょうど僕を呼びにきてくれた。ちなみにこの2人は途中から本を読むのに飽きたらしく、気付いたら居なくなっていた。
シュート「食堂はもうご飯ができているらしいです。」
アスト「わかった。この本を片付けたらすぐいくよ。」
僕は本を戻して、食堂へと向かった。食堂では既にたくさんの料理が並べられていた。ここから好きなものをとって食べるらしく、他にきていた生徒も自由にとっていた。僕も料理を取っていきユキトとシュートと一緒に近くに空いていたテーブルに座った。どの料理も美味しく、僕の国の料理にも負けないほどの美味しさだった。ユキトもテンションが上がりだし、何度もおかわりしていた。食べ過ぎは良くないのでかるく注意はしておいたけど…。それでも雪斗は料理をたくさん取ってくる。まるで胃がブラックホールなんじゃないかと疑うほどだ。僕はユキトの食べ終わったお皿を積み重ねて片付けやすいようにしておくが、皿の数が多すぎてまとめるのが大変だった。ちなみに20皿からはもう数えてない。一皿一皿にはちょうど2人前の料理を乗せれるから、かなりの量があるのに…。宿屋でいっしょに食べた時は結構食うなとは思ったがやっぱりいつ見てもすごい。ちなみにシュートもかなりビックリしていて、苦笑いしていた。
シュート「す、すごいですねユキトさん…。ここまで食べる人は初めて見ましたよ…。」
ちなみにそう言うシュートの前には皿が10皿ほど積まれていた。10皿食べれるだけでもかなりの大食いな気がするのだが…。
アスト(シュートも結構食べてるよ…。)
内心でツッコミを入れる。ちなみに僕は一皿分の料理しか食べきれなかった。
ユキト「食おうと思えばまだまだいけるぜ?」
そう言いながらユキトはもう一つのお皿に乗せた料理を食べ終えた。もう止めてください。多分食堂の人そろそろ泣く気がする…。ちなみにその後も料理を10皿分食べてしまった。途中、周りの生徒が結構ドン引きした目でユキトを見ていたのはここだけの話。
———
その後は寮に備えられている大浴場に行ってみた。
アスト「ふぅーー…。」
たくさんの生徒がいてガヤガヤしているが、お湯の温度がちょうど良くリラックスできた。ちなみに結構食べていたはずのユキトは見事な腹筋が割れていた。さすが、鍛えているのが良く分かる。でもあんなに食べたのにお腹が一切膨らんでないのは何でだろうか…。
ユキト「ふぅー…さっぱりしたな。」
髪をタオルで拭きながらユキトはシュートの尻尾を見た。
ユキト「そういえばシュート、お前って9つの尻尾があるよな?それどうやって乾かしきってるんだ?」
ユキトは、魔法で小さな風を起こして髪を乾かしているシュートに聞いた。獣人は髪だけでなく尻尾や耳も乾かさないといけない。特にシュートは一つの尻尾だけでも、雪斗の尻尾より2倍以上の大きさがあり、それが9つもついているとなると乾かすのがとても大変そうだ。
シュート「あぁ…これはいつも1時間以上はかけて乾かしてます。」
2人「「1時間以上!?」」
その言葉に僕らはつい大声を出してしまった。確かに、大きさと数からしてそれくらいはかかってもおかしくはない。
アスト「それってかなり大変じゃ…。」
シュート「かなり大変ですね…。でも、乾かしておかないと、濡れてると気持ち悪いんですよ。」
そう言いながら乾かし続けるシュートだが、さすがに毎日こんなに時間をかけているなら大変すぎる。僕だったら乾かしている間にため息とかついてしまいそうだ。
アスト「よかったら手伝おうか? やっぱりそんなに尻尾がいっぱいあると、大変でしょ?」
シュートは少し驚いたようにこちらを見たあと、申し訳なさそうな顔をして、小さな声でつぶやいた。
シュート「す、すみません…じゃあ、お願いしてもいいですか?」
アスト「もちろんだよ!」
ユキト「俺も…手伝ってやりたいけど、尻尾と耳が乾いてないからもう少し待っててくれ。すぐにそっちを手伝うから。」
僕は一番左の尻尾をとって、風をだして乾かしていく。途中からユキトも乾かすのに協力してくれたので30分ほどで終わらせることができた。
アスト「…よし!終わり!」
ユキト「ふぃー…やっと終わったぜ…。」
シュート「すみません手伝ってもらっちゃって…。」
さすがに大変だったが、早く終わったおかげかシュートの顔は明るかった。
アスト「いいよこれくらい。また大変だったら教えて。僕も手伝うよ。」
ユキト「俺も手伝うからさ!遠慮すんなよ!」
シュート「良いんですか!?ありがとうございます!」
よっぽど嬉しかったのか、尻尾が小さく揺れている。乾かしたおかげで、九つの尻尾はふんわりしていて、モフモフしていそうだ。
ユキト「友達だから当然だろ!……ふわぁ…。」
そう言ってシュートに肩を組んだユキトだったが、さすがに疲れて眠くなってきたのか、欠伸をしていた。
アスト「さすがにこんな時間だし、そろそろ眠たくなってきたね。」
僕はそう言って窓の外を見る。すっかり暗くなっていて、綺麗な月が見えていた。
シュート「す、すみません…。俺のせいで時間がかかっちゃって…。」
ユキト「良いんだよ、俺たちがやりたくてやったんだからさ。でも流石に眠たいな…。」
アスト「明日からついに授業もあるし、早く寝たほうがいいかもね。」
ユキト「だな、部屋に戻ろうぜ。」
僕たちは廊下を歩き、各自自分の部屋に向かう。途中シュートとは別れ、僕とユキトは部屋の前で別れをすます。
ユキト「じゃあな、アスト。また明日。」
アスト「うん、お休み。」
部屋に入り、僕は明日の準備をして、すぐにベッドに入った。長い1日が終わった。ついに明日から学校生活が始まる緊張もしているがユキトやシュートもいるので大丈夫だと思う。卒業までは3年あるので、それまでに知識と実力をつけたいところだ。
アスト(やることは山積みだな…。実力をつけたり、ユキトのお兄さんの手がかりを探したり…学園で知識をつけたり…。)
考えることはたくさんだが、やると決めた以上はどれも成し遂げるようにしたい。
アスト(星….綺麗だな。)
窓の外を見てみると、見たことのない美しい星天が広がっていた。きっと、この先もまだまだいろんなものを見るだろう。
アスト「あっ…また手紙書き忘れてた。」
昨日手紙を書きながら寝落ちしてしまったことを思い出し、僕はベッドから降りて、テーブルの上に紙を広げる。
アスト(最近は毎日いろんなことがあって楽しいから、何書くか迷うな…。)
ひとまず、昨日の続きから書くことにし、僕はペンを持った。




