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輝星のグランギルド  作者: yuuberu
2章 ギルド編
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第9話 ギルド名とリーダー

視点 アスト



学園生活が始まり、1年が経過した。時が経つのは本当にあっという間だ。僕たちも2年生に上がり、より一層訓練に力を入れていた。


ギルドの方も順調で、つい最近、昇格試験を受けて、見事僕たち4人全員合格した。だから、今ではEランク以下の依頼を受けれるようになっている。


そのおかげか、依頼もそれなりに来るようになった。学業と両立しながら頑張っているが、最近は忙しくなる日々が続いていた。


アスト「はぁ…疲れた…」


シュート「ですね、お疲れ様です。」


ライキ「今回はかなり大きいオークの巣の破壊だったから、なかなかキツかったな。」


ユキト「だな、でもその分報酬はかなり貰えたし、これからも頑張ろうぜ!」


アスト「だね、明日も頑張らないと…」


その時、急に視界がゆれる。


アスト(あ、あれ…)


前がぼやけてよく見えない。少しずつ、意識ももうろうとしきてきている。


ユキト「…ん?アスト……って大丈夫か!?顔色悪いぞ!?」


シュート「ホントだ…!大丈夫ですか!?」


ライキ「おい!しっかりしろ!!」


みんなが何か言っているようだが、うまく聞き取れない。3人の顔もよく見えず、気づけば視界が真っ暗になっていた。



———



アスト「ん…ここは…」


気づけば、僕は自分の部屋で目を覚ました。


シュート「あっ!アストさんが目を覚ましました!」


ユキト「ほ、ホントか!?」


辺りを見渡すと、ユキトとシュートとライキ、そして、学園に雇われている医術師の人がいた。


ユキト「よ、良かった…いきなり倒れたから心配したぞ…。」


アスト「えっと…僕は確か…」


頭がまだくらくらする。ゆっくり思い出そうとしていた時、医術師が話しかけてきた。


医術師「君は、廊下で倒れてしまったんだよ。原因は疲労による体力の限界だね。聞いた話によると、君たちはギルドを作っての活動をしているらしいね。アストくん、最近睡眠時間は足りてる?」


アスト「えっと…その…寝る前はよく魔法の勉強をしてて…あまり寝れてないです…。」


医術師「なるほど…じゃあ次は…」


その後も、僕はずっと医術師にたくさんの質問をされた。僕はそれを聞きながら自分の今の生活を振り返ってみる。まず、朝は体力をつけるために、走りに行く。そして、いつも通り学園に行き、授業を受ける。その後は、実力をつけるために訓練所に行って、そのままギルドで依頼を受け、夜は魔導書を読んで魔法の勉強…


考えてみると、一日中こんな生活で、休んでいるところがない。魔法の勉強も夜遅くまでやっていて、睡眠時間を削っているから疲れも取れるわけがない。


医術師「うん…君が努力家だってことはよく分かったよ。」


そう言って、医術師さんは苦笑していた。


医術師「でもね、聞いた話によると、君は虚弱体質らしいね。それなのにこんな生活を続けているのは本当にすごいと思うけど、まだ、万全な状態じゃないのに、そんな生活をしてたら、身体を壊してしまうよ?いや、万全な状態でもこんな生活はきついと思うけど…僕がこの生活をしろって言われても無理だなぁ…。」


今だに僕の虚弱体質は治っていない。だけど、最近はよく動けるようになったと思っていたから、無理をして頑張っていた。


ユキト「な、なんで休んでないんだ!?というか…よく今まで隠してこれたな…。」


ライキ「確かに…訓練中でも集中力はしっかりあったし、頑張っているとは思ったが、まさかそこまでとは考えてなかったな…」


シュート「何で言ってくれなかったんですか?そうしたら、依頼も俺たちが変わって行ったし、アストさんを休ませてあげれたのに…」


みんなが不安そうに僕の顔を見るので、なんだか申し訳なくなってきた。いや、心配させた僕が悪いのだから当たり前だけど。だけど、僕が頑張っているのはちゃんとした理由がある。


アスト「その…ギルドのリーダーになったから…僕が誰よりも頑張らないとな…って思っちゃって…」


話は数週間前に遡る…



———



それはとある夜、食堂で話していた時だった。


ユキト「だいぶ依頼にも慣れてきたけどさ、俺たちって、ギルド名とかリーダーって決めてないよな?」


アスト「言われてみれば…確かに。」


ライキ「最近は依頼をこなしたり、学業でそういったことを考える暇がなかったからな。この際だし、決めてみるか?」


ということで、僕たちのギルドのリーダーとギルド名を考えることになった。


シュート「まずどっちから決めます?」


ユキト「まずはリーダーからだろ!ちなみに俺は誰がリーダーがいいか決めてるぜ!」


アスト「えっ!?は、早いね?」


ユキト「先に言っておくが、俺のことじゃないぞ。別にいるからな!」


アスト「そ、そうなんだ、てっきり自分のことを言うと思ってた…で、その人は誰なの?」


僕が聞くと、ユキトは真っ直ぐ僕の方を指差した。


ユキト「俺はリーダーはアストが良いと思ってるぞ。」


アスト (…えっ?)


アスト「えぇぇー!?ぼ、僕!?な、何で!?」


つい驚いて声を荒げてしまった。まさか、リーダーに指名されるとは思わなかったのだ。


シュート「俺も…リーダーならアストさんが良いです!」


ライキ「だな、俺も同じだ。」


アスト「い、いや待って!何で僕なの!?僕より、ユキトの方が絶対にいいと思うけど…」


ユキトは僕と比べて強いし、モンスターとの戦闘経験も豊富だ。困ったら頼りになるし、僕はリーダーにするならユキトだと考えていた。


ユキト「俺はみんなをまとめるとか、そういうの苦手なんだよな。だからリーダーに向いてないと思うし。」


アスト「で、でも…僕は…リーダーみたいな性格じゃないし…。」


ユキト「そんなことないさ、俺がアストを選んだ理由は、アストはいつも誰かのために動いて、誰よりもみんなのことを見て考えてくれているから、信頼できるって思ったんだ。そんなアストがリーダーなら、安心して背中を預けられるし、判断を任せられる。」


アスト「そ、そうかな…。」


自分ではそんなにしっかりしているつもりはないが、ユキトの話を聴きながらシュートとライキはうんうんと頷いている。


アスト「ほ、ホントに僕でいいの?」


僕は最後の確認で3人に聞いた。


ユキト「もちろんだ!」


シュート「はい!お願いしますアストさん!」


ライキ「アストなら安心してついていける。頼んだぞ。」


アスト「わ、分かった!僕頑張るよ!」


こうして、僕たちのギルドはリーダーが僕になった。


アスト(大役だし…これからはもっと責任感をもって頑張らないと…)


人生で初めて頼りにされたから、僕はいつも以上に張り切っていた。自分でもこんな形で頼りにされるとは思わなかったけど、すごく嬉しかった。


ユキト「後は…俺たちのギルド名も決めないとな。」


アスト(ギルド名かぁ…)


考えてみるが、あまり良いものが思いつかない。ギルド名を決めるということは、もし僕たちが活躍したらその名前が有名になる。だからあまりダサい名前はつけれないし、誇りを持てる名前にしたい。


ユキト「名前はセンスがでるからな。…ん〜でもこういうのも苦手なんだよな…俺。何か良い案あるか?」


シュート「うーん…僕たちの境遇を結びつけたり、関係のあるもので考える…とか?」


ライキ「良いかもな、ここにいる全員何かしら希少なところもあるし、共通点とかそういう特徴とかから考えて良いかもな。」


アスト(境遇…特徴…共通点…かぁ…。)


ここにいる全員、いろんな特徴がある。種族が珍しかったり、希少な力を持ってたり、過去に何かあったり…ライキの言う通り、そんなところを軸に考えてもいいと思う。


アスト(何か良い名前はないかな…でも、みんなそれぞれ違う特徴もあるから…なかなか難しい…。)


ユニーカーとか、種族など、それぞれにいろんな違いがあるから、それを共通点として考えるのは難しい。それはそうだ、みんなバラバラで違う特徴を持っているんだから。


アスト(だけど…僕はそれを踏まえて、過去のことなども受け入れて、みんなが協力し合って頑張るギルドにしたいな…ん?僕たちは…それぞれ違う…でもそれが協力して1つになる…)


そこまで考えた時、僕は1つだけ、良い名前が思いついた。


アスト「あの…僕、1つ思いついたかも。」


ユキト「おっ!さすがリーダーだな、どんな名前だ?」


3人が僕に注目する。ちょっと緊張するけど、僕は決心して思いついた名前を言った。


アスト「<星結ほしむすびの星座>…なんてどうかな?」


シュート「<星結の星座ほしむすび>?」


ライキ「由来は何だ?」


アスト「僕たちは…当たり前だけど、それぞれ違う個性があるでしょ?そしていろんな過去があって、各々決めた信念がある。それって…その人だけにしかない輝きだなって…思って。」


ユキト「お、おぉ…何かいきなりロマンチックって言うか…。」


アスト「ま、まぁ…確かにそうかもしれないけど…。」


ユキト「いや、すまん今はアストが話してるもんな。続きを話してくれ。」


アスト「う、うん。それで…僕たちはその輝きを…その人のことを受け入れて、協力し合って、線を結ぶ。そして…1つの僕たちだけの星座になる。その星座は簡単に消えないし、何があっても、結んだ線は変わらない。そんなギルドにしたいな…って。」


僕は名前に込めた思いを3人に伝えた。恐る恐る3人の顔を伺うと、全員目を瞑っていて、何か考えていた。


アスト「ど、どう…かな?」


しばらくの間沈黙が流れる。こんなに静かだと、逆にセンスがなかったのかと、緊張してしまう。そんなことを考えていると、ユキトが口を開いた。


ユキト「…うん、すごい良いんじゃないか?アストらしい良い思いが込められた名前だと思うぞ!」


アスト「ほ、ホント!?」


ライキ「…だな、ロマンチックとは思ったが、意味を聞いて納得した。」


シュート「お互いを認め合って線を結び、1つの星座になる…すごい良いですね!俺もこの名前が良いと思います!」


3人のその言葉を聞いて安心した。ちゃんと僕の思いが伝わってくれたようだ。


アスト「じゃあ…僕たちのギルド名は<星結の星座>で決まりだね!」


こうして、僕たちのギルド名が決まった。これからはこの名前を背負って頑張っていくんだ。リーダーにもなったし、より一層みんなのために頑張って、ギルドに貢献できるようにしたい。


ユキト「よっしゃ!改めて<星結の星座>これからも頑張って行くぞー!!」


ユキトが拳を突き上げて、僕たちもそれを真似をした。これか、僕が頑張ろうとしている理由だった。



———



現在…



ユキト「そう言うことか…アストはずっと責任感を感じてたから頑張ってたんだな。」


ユキトの言葉に僕は頷いた。すると、ライキは横でため息をついた。


ライキ「責任感を感じて頑張るのは良いけど…それで身体を壊したら元も子もないだろ?アストが倒れたらみんな心配するんだ。リーダーなら、なおさら自分の体調管理も気をつけないといけないぞ?」


アスト「うっ…ご、ごめんなさい…。」


医術師「頑張るのは良いことだけど、無理しない程度にやらないといけないよ。とにかく、しばらくは依頼も休んで、ゆっくり過ごすようにした方が良い。」


医術師からそう言われて少しショックだったけど、確かにこれ以上無理をして、また身体を壊したら次こそ忘れられないトラウマになりそうだ。ここは医術師のように、しばらくは休んでおいて方が良さそうだ。


シュート「これからの依頼は俺たちが分担して頑張りますよ。アストさんは部屋で休んでいてくださいね。」


アスト「うん…よろしくね。」


それから数日…僕は休養をとることになった。この話はもちろん学園にいき、学園からは体調が心配とのことで、1週間ほどは授業も休むように言われた。そこまで重症とかではないのにと思ったが、虚弱体質なところもあって心配になっているようだ。


アスト(…暇だなぁ。)


この数日、しばらく部屋からでていない。ご飯などはいつもユキトたちが持ってきてくれていて、部屋で一緒に食べている。だけど、図書室とかにも行けてないから新しい本も読めてないし、ずっとベッドの上だから暇で仕方ない。


アスト(はぁ…でも、自分でやっちゃった事だし…次からは気をつけないとな…)



コンコン



ユキト「アスト、今日の飯を持ってきたぜ。」


シュート「お邪魔します。」


今日も3人はいつも通りに来てくれる。そのおかげで、寂しくはなかった。


ライキ「体調はどうだ?もう楽にはなったか?」


アスト「うん、休んだおかげでフラフラすることはなくなったよ。」


ライキ「なら良いんだ。だいぶ顔色も良くなってきてるし、安心した。」


シュート「でも…ずっと部屋に居続けるのも大変ですよね。」


ユキト「だってすることが何もないもんな。俺だったら外で動き回りたくなるな。」


アスト「うん…さすがにかなり暇だし…。」


実は、ずっと部屋に居続けることに、そろそろストレスを感じ始めてきた。城にいた時は少なくとも歩き回ったり、やることもあったのだが、今はどこにも行けずに閉じこもっている。だから。そろそろ何か別のことをしたくなった。


ユキト「でもあと数日だし、もう少しの辛抱だな。」


アスト「うん…そうだね…そう言えば、ギルドの方はどう?」


ユキト「あぁ、順調だぜ!今日はEランクの依頼も手をつけてみたんだけど、確かにFランクより難しかったが、全然こなせない程じゃなかったぞ!」


アスト「良かった、それを聞いて安心したよ。」


僕がいなくても、3人で依頼をこなせられているようなので良かった。信じていないわけではないけど、たまに危なっかしい時もあるので、少し心配していた。


ユキト「あっ、そうだ。今日さ、依頼主から報酬のついでにこんなのをもらったんだよ。」


そう言って、ユキトは1つの紙を差し出してきた。そこに書かれていたのは、近頃フレーノ村という村で祭りが行われるという紹介が書かれていた。


アスト「フレーノ村…ってここからかなり離れてるよね?そんなところで祭りなんてあるんだ?どんな祭りなの?」


ユキト「フレーノ村は、周囲の環境に恵まれていて、いろんな果物がとれるんだ。特にこの時期は収穫量も増えるし、それをお祝いするための祭りだな。特に、村で採れた果物をたくさん使った甘味とかがたくさんでるんだ!その甘味を楽しむ祭りだな!」


シュート「ユキトさんはそれを聞いてずっと楽しみにしてましたもんね。」


ユキトの目はすごく輝いている。食に関することになると、ユキトは止まらない。甘いものもユキトは好きだから、この祭りに惹かれたのだろう。かという僕も甘味は好きなので、少なからず興味はある。


アスト「な、なるほど…でも確かにそれは気になるかも。」


ユキト「だろ!?アストも最近は外に出れてないし、たまには依頼も休んで、息抜きに行ってみないか?」


アスト「うん、僕も行きたい。」


気分転換にもなるし、久しぶりにみんなと遊べるからちょうど良かった。やっぱり1人でいるよりも、みんなと一緒にいるのが僕にとっての幸せだ。


ユキト「じゃあ決まりだな!明後日に祭りがあるらしいから、この日は依頼も休んで、みんなで楽しもうぜ!」


アスト(…ありがとう、ユキト。)


ユキトはいつも僕のことを考えてくれている。今回の提案も、暇であろう僕に楽しみをあげたかったんだと思う。そんな気遣いができるユキトに僕は感謝している。おかげで、毎日が寂しくなくて楽しいから。


そんな彼と出会えたことを、僕は心の底から嬉しく感じた。

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