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もしも世界一悪役ムーブが下手な男が悪役貴族に転生したら  作者: お餅ミトコンドリア


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4.「獣人少女たちの戦い(剣魔闘大会(1))」

 翌日。


「メイドたちに対して使った俺様の『増幅ブースト』は、ただ膂力が強くなるだけで、剣技や魔法などの戦闘技術が高まる訳じゃない。本物の戦闘能力を獲得してもらうために、俺様がこの三年間のトレーニングで使った『超成長』をお前たちにも使ってもらう。戦闘能力が百倍のスピードで上がるからな」


 父親に頼んで、うちのやたら広い敷地内に私兵団のとは別に作ってもらった僕個人の訓練場にて、強くなることを渇望する三人の獣人少女たちに語り掛ける。なお、彼女たちには、動きやすい軽装を着用させてある。


 僕の説明に、狼獣人のレピア、熊獣人のファーラ、そしてちょっと変わった見た目の獣人のナフィが「分かったわ」「ハッ! それで問題ないさ」「ナフィも別にそれで大丈夫なの!」と頷く。


 ほっ。良かった~。

 特に異論はなかったみたいで安心した。


「が、その前に、まずは戦闘に関する適性を見ようと思う。それによって、どういう戦闘スタイルが良いのか、どこをどう鍛えれば最も効率良く強くなれるかが分かるからな」


 僕の言葉に、茶髪ロングヘアで僕と同い年のレピア、褐色で黒髪ショートヘアかつ同じく十五歳のファーラ、八歳のサイドテール幼女ナフィが項垂れる。


「あたし、正直自信ないわ……牙も爪も、どっちの攻撃も、うちの村で一番弱かったから……そのせいで、両親も村の人たちもみんな、モンスターに殺されて……」

「あたいもさ。あたいの殴打は、集落で最弱だったからね……モンスターの襲撃を受けた時に、何の役にも立てなかったよ……」

「ナフィもなの……ナフィは力も弱いし、牙も爪もパンチもダメダメだったの。ナフィがもっと強ければ、故郷を守れたはずなの……」


 彼女ら獣人たちは、種族ごとに分かれて村落を形成するのだが、その場所は、僕らが暮らしているティームヴィック王国の北部にある国境付近だ。


 そこは、千年前に枯れ果てた世界樹が元々あった場所と言われており、獣人たちは神聖視して、集落を作っている。


「別にそれは良いんだが……」


 問題は、大陸の最北にある北の隣国が、人間国ではなく魔王国であるということだ。


 その結果、獣人たちは、我が国で最もモンスターたちの被害に遭いやすくなってしまっている。


 ちなみに、僕らの国から見て、西隣がレイビット帝国、南隣がベーダイン皇国、そして東隣がネーミエ共和国だ。


 昔はよく戦争をしていたらしいこれらの国々と僕らの国を含めた四ヶ国は、魔王軍という共通の敵が出現したことで、不可侵条約を結んでいる。


「共通の敵が現れたおかげで、やっと仲良く出来たなんてな」


 本当、皮肉もいいところだけど、人間同士で殺し合うよりかはずっとマシだ。


 それにしても、そうか……

 三人が倒したい相手は、モンスターたちであり、更にはそのトップに君臨する魔王、ってことか。


 ちなみに、レピアとファーラとは違い、どうやらナフィの淫紋の呪いは、モンスターではなく、孤児になった後に彼女を買った変態中年貴族の趣味だったらしい。


「危機一髪だったみたいだな」


 毒牙に掛かる前に僕の父親が救い出したのは、不幸中の幸いだった。


 当然淫紋を掛けた相手に対しても憤っている彼女だったが、一番復讐したい相手は、故郷を滅茶苦茶にしたモンスターたちのようだ。


「ぐへへ。甘ったれるなよ、お前ら」


 両親を、家族を、故郷を蹂躙され、モンスターたちへの復讐を誓いながらも、自身の脆弱さに頭を垂れる彼女たちに、僕は悪役貴族らしく辛辣な言葉をぶつける。


「お前らの牙も爪も殴打も、全く使えず、役に立たない。何故なら、お前たちの才能は、そんなものではなく、剣技と魔法にあるからだ」

「「「!」」」

 

 目を見開くレピアたち。


 ふっふっふ。どうだ、ショックを受けただろう!

 これが悪役貴族の言葉責めだ!


「あたしに……剣と魔法の才能が……?」

「あたいにそんなことが出来るのかい?」

「何だかカッコ良いの!」


 僕は更に言葉を継ぐ。


「ぐへへ。かなりのショックを受けたようだな。昨日、俺様の七つスキルの一つ『鑑定』でお前たちを視たからな、間違いない。レピア。お前の適性はレイピアと氷魔法だ」

「レイピアと氷魔法……!」

「ファーラ。お前は戦斧と炎魔法だ」

「ハッ! 斧に炎だなんて、ワイルドで良いじゃないか!」

「ナフィ。お前はナイフと風魔法だ」

「ナイフと風魔法! 可愛いナフィにピッタリなの!」


 両手を交差させてうっとりする幼女。


 「あ、そうそう」と、僕はそんなナフィを見た。


「ナフィ。昨夜『鑑定』を発動して漸く気付いたんだが、知っての通り、お前は〝チーター〟の獣人だ。鍛えれば、お前は、この世界の誰も追い付けない程のスピードを獲得出来る。速さを武器にして戦え」

「え!? ナフィ、猫獣人じゃなかったの!?」


 お前も知らんかったんかーい!


 黄色に黒の斑点模様のある髪の毛、なんていう、世界で唯一の特徴を持っておきながら。


 この子が天然なのか、はたまたチーター獣人たちはみんなこうなのか……


※―※―※


 こうして、その日から、彼女たちのトレーニングが始まった。


 まずは、適性が分かった彼女たちに対して、僕は武器を与えた。

 レピアにはレイピア、ファーラには戦斧、そしてナフィにはナイフを。


 父親から予め貰っている〝奴隷商ビジネス用の予算〟を使って、この世で最も硬く、聖剣と同じ素材であるオリハルコン製の武器を三種類、夕べの間に発注しておいたのだ。


 生まれて初めて武器を手に取り、目を輝かせる彼女たちに、僕は七つスキルの一つである『超成長』を掛けて、修行させた。


「レピア! お前の強みは突貫力だ! 貫け! この世の全てを!」

「分かったわ!」

「ファーラ! 鍛えればお前のパワーは世界一だ! 戦斧で全てを破壊しろ!」

「ハッ! 任せておきな!」

「ナフィ! お前は戦場を駆け抜ける風だ! スピードで敵を攪乱、翻弄しろ! 牙の代わりにナイフを敵の喉元に突き刺せ!」

「了解なの!」


 美味しいご飯をたくさん食べたことで、それまでやせ細っていた彼女たちは、ちゃんと肉がついて、平均的な体型になった――どころか、ファーラは筋骨隆々になり、背まで伸びて、一気に〝戦士〟の身体になった。


 と同時に、レピアは技のキレが、ファーラは膂力が、ナフィは俊敏性が驚くべきスピードで向上していった。


※―※―※


 僕は、三年間師事していた執事長兼私兵団団長であるワドスの教えを思い出しながら、レピアたちを指導した。


 最初の一週間は剣技を。

 次の一週間は魔法を。

 更に次の一週間は、剣技と魔法の両方を教えた。


 最後の一週間は、僕との模擬戦を行った。


「ぐへへ。甘い!」

「くっ! また負けたわ! 三人掛かりでも太刀打ち出来ないなんて!」

「ハッ! あたいらも大分強くなったはずなのに、ヴィラゴさまが強過ぎるのさ!」

「そんなのおかしいの! ズルなの! 卑怯なの!」


 膝をつき、唇を噛む彼女たちを見下ろし、僕は口角を上げる。


「ぐへへ。この俺様に勝てる訳ないだろうが。諦めろ」

「まだよ! 諦めないわ!」

「ハッ! あたいはまだ戦えるよ!」

「ナフィは、絶対にヴィラゴさまから一本取ってみせるの!」


※―※―※


 修行から一ヶ月後。


「ぐへへ。今日からお前たちは冒険者だ。三人の冒険者パーティー名は〝ビースト〟。せいぜい俺様のために働いて稼いで来い」

「ええ、行ってくるわ!」

「ハッ! 直ぐにS級になってやるよ!」

「ナフィは、モンスターを狩りまくってくるの!」


※―※―※


 彼女たちが冒険者になってから、一ヶ月後。


「S級になったわ!」


 はやっ! 最初F級だったのに!? 

 たった一ヶ月で、A級どころかS級に!?


 ……っと、いけないいけない。

 ちゃんと悪役貴族らしくしなくちゃ。


「ぐへへ。この俺様の部下なのだから、当然だ。このくらいはして貰わないとな」


 彼女たちは、「はい!」と、パンパンに膨らんだ、重い革袋を渡してくる。

 開けてみると、中にはずっしりと金貨が詰まっている。


「この一ヶ月で冒険者として得た報酬よ! あげるわ!」

「……少し多くないか?」

「あたしたちの報酬全部よ!」

「……………………」


 全部くれようとするだなんて、何て良い子なんだ!

 報酬の半分くれれば充分だと思ってたのに……


 そりゃ住み込みだから、衣食住は保障されてるけどさ!

 良い子過ぎてビックリ!


 ……って、感動している場合じゃない!

 僕は悪役貴族だから! こういう時こそ悪役っぽく演じなきゃ!


「このあんぽんたん!」

「「「あ、あんぽんたん!?」」」


 目を丸くする彼女らに、僕は熱弁する。


「世界一の悪役貴族である俺様に対して報酬全てを捧げたいと思うのは、当然だ。だが、お前たちには、常日頃から戦場に赴くための準備をする義務がある。戦場で負傷した際のために日頃からハイポーションを購入しておき、決して切らさないこと。常に最高の装備を身に纏い、修理し、或いは更に良い装備に買い替えること。更には、最高の精神状態を保つために、時には美味いスイーツでも食べて、リフレッシュすることすらも、仕事の一環だ。分かったか! 分かったら、俺様に捧げるのは報酬の半分だけにして、残り半分は自分で使え!」


 ふっふっふ。

 悪役貴族である僕の圧に負けて、彼女たちは「分かったわ!」「ハッ! そういうことなら、分かったよ!」「ナフィ、美味しいスイーツ食べるの!」と、首肯した。


※―※―※


 そんなある日。


「ヴィラゴ・フォン・テンドガリア! わたくしと勝負なさい!」


 街中で、豪奢なドレスに身を包んだ、縦ロールツインテールの金髪碧眼美少女に、ビシッと指を差された。


 僕の父が治める北の領土と丁度反対側――南の領土を守っている公爵の令嬢であり、僕と同い年の幼馴染でもある、ラルシィ・フォン・フレアフレイムだ。


 僕は丁度、日課である〝メイドのメメイの買い物を待ち伏せて、荷物を奪い取る〟という悪役貴族としてのミッション遂行のため、路地裏を通り抜けようとしていたのだが、背後からラルシィに呼び止められたのだ。


「ぐへへ。俺様がここを通ると良く分かったな。褒めてやろう」

「当たり前ですわ! だって、ストーカ……ではなく、ええと、ストー、ストー……そう! 貴方がこのストリートを通るなんてことは、聡明な私には全てお見通しですもの!」


 良く分からないけど、悪役令嬢として僕の前に立ち塞がるってことだね!

 同じ悪として、負ける訳にはいかない!


「ぐへへ。中々やるな。だが、何故俺様と勝負したいんだ? しかも、わざわざこんな遠くまで来て」

「忘れたとは言わせませんわ! 幼少期に散々悪口を言って、私にあのような恥辱を与えたことを!」


 あー、なるほど。


 確かに、僕が転生する前の、ヴィラゴとしての記憶を辿っていくと、会う度に悪口言っちゃってるね。ブスだとかなんだとか、色々と。悪いことしちゃったな。


 でも、僕は悪役貴族だから、謝ったりはしない!


「ぐへへ。良いぞ。では、ここで勝負するか?」


 僕は、常に帯剣してある腰の長剣の柄に右手を伸ばす。


「いえ。ここで貴方を血祭りにすると、おじ様に迷惑が掛かりますわ」

「では、どこで?」

「来週王都で行われる〝剣魔闘大会〟に出場なさい! そこで塵にしてやりますわ!」

「ぐへへ。分かった」


 剣技または魔法、またはその両方を使って戦う大会だ。

 モンスターに負けない戦士を育成するために、国が主催しているのだ。


「首を洗って待っていなさい! おーほっほっほ~!」

 

 慎ましい胸を張りながら、高笑いと共にラルシィは去って行った。


 代々炎魔法を得意とするフレアフレイム公爵家の令嬢であり、彼女の父親は、〝焔魔帝〟と呼ばれる凄腕の魔法使いだ。


 〝焔魔帝〟の娘、ラルシィか。

 手強い相手だが、真の悪役貴族として、負けられない!


《ラルシィも要注意ですが、〝剣魔闘大会〟には女勇者サユも出場します》


 突如脳内にサポさんの声が響く。


《そう、原作で奴隷商を憎み貴方たち親子を惨殺するあの勇者が。雷魔法を得意として、世界最強の聖剣を手にする彼女は、流石の貴方も苦戦するかもしれません。なので、私としては、正直、出場して欲しくないです。っていうか、心配だから出場しないで……》


 最後、声色が変わったサポさんに、僕は不敵な笑みを浮かべて返事をする。


「心配してくれてありがとうね、サポさん。でもね、原作では対決する定めとなっているなら、悪役貴族として、僕は逃げる訳にはいかないんだ!」

《ヴィラゴ……》

「大丈夫! サポさんにこうやって情報を貰えたし、ちゃんと準備出来るから! 僕は負けないよ!」

《……コホン。分かりました。では、御武運を》

「ありがとう!」

 

※―※―※


 〝剣魔闘大会〟当日。


 僕たちのいる北部のテンドガリア領とラルシィが住む南部のフレアフレイム領の間にある、国王さまが直轄する領土の王都の闘技場――コロシアムにて。


「何故お前たちも登録しているんだ?」


 「応援に行きたい」と言ってついてきたはずのレピア・ファーラ・ナフィが、それぞれ、魔法部門、剣技部門、魔法と剣技(の両方を使って戦う)部門、に出場することになっていた。


「S級冒険者として腕試しするためよ! モンスター相手なら負けなしだけど、それが人間にも通用するのか、興味があるわ!」

「ハッ! ヴィラゴさまが出場する最後の〝剣技・魔法・スキル含めて何でもあり〟の〝頂上決戦部門〟を、前座のあたいらが盛り上げてやるのさ!」

「ナフィたちが三部門を派手に優勝してあげるの!」

「お前ら……ぐへへ。良い心掛けだ。くれぐれも殺して失格になるなよ。ちゃんと賞金をもぎ取ってこい」


 大きく頷く三人の獣人少女たち。


 ちなみに、魔法部門と剣技部門は賞金が金貨十枚で、魔法と剣技部門が金貨三十枚、僕が出る〝頂上決戦部門〟は金貨百枚だ。


 この異世界では、銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨がそれぞれ十円、百円、千円、一万円、十万円なので、彼女たちが出場する部門は、レピアとファーラの部門がそれぞれ百万円、ナフィの部門が三百万円となり、僕が出る部門は一千万円となる。


 相手を殺したら失格で、場外もそう。あとは降参した場合も失格だ。


「おい、聞いたか?」


 観客の声が聞こえる。


「何が?」

「毎年隣国三ヶ国からの参加者が数名いるだろ? 今年は何故か、参加者がゼロなんだとさ」

「へぇ~、そうなんだ」


 まぁ、仕事とか、他のことで忙しいこともあるよね。


「あとさ、今年も出ないみたいだ。あのレジェンド」

「ああ、生きる伝説と呼ばれる、凄腕の魔法使いのことか? でも、本当に存在してるかどうかすら怪しい、眉唾ものの情報だろ、それ?」

「俺はいると信じてるんだよ! この大陸のどこかに、そういう滅茶苦茶すごい奴がいるって、何か浪漫あるだろ?」

「うーん、俺には理解出来んな」

「理解してもらわなくても結構! 来年こそは出てきてくれよ、レジェンド!」


 ふ~ん、何だかすごい人がいるんだね。

 でも、僕だって真の悪役貴族だ! 凄さなら負けない!


※―※―※


「やあああああ!」


 レピアは、トーナメントを順調に勝ち上がっていった。


「『アイシクルレイン』!」

「ぎゃああああ!」


 空中に出現させた無数の氷柱で相手の魔法を全て迎撃し、圧倒。

 四肢を貫かれた対戦相手が降参し、何の問題もなくレピアは魔法部門で優勝した。


「やったわ!」

「ぐへへ。良くやった。氷魔法でも、まるでレイピアのような鋭い〝突貫〟だった。それでこそ悪役貴族たる俺様の部下だ」

「うふふ。でしょ?」


 ピコピコと耳を動かし、嬉しそうに尻尾を振るレピア。


 なお、参加者たちが戦う舞台と観客席の間には、半球状の魔法障壁が張られており、魔法などの攻撃から観客たちを守っている。


「おらああああ!」

「うぎゃあああ!」


 石造りの円形の舞台を、ファーラの豪腕が振るう戦斧が豪快に破壊、相手を場外に吹っ飛ばす。


「ハッ! どうだい?」

「ぐへへ。良くやった。やはりお前の戦斧攻撃で破壊出来ないものなどないな」

「ハッ! そうさ! あたいは最強だからね!」


 丸い熊耳と短い尻尾を動かしながら、ファーラはその豊かな胸を張る。


「たあああああ!」

「ぎゃああああ!」


 主催団体である国が準備していた魔法使いが物体修復魔法で直した舞台上を、ナフィが縦横無尽に駆け抜けつつ、相手の全身を、逆手に持ったナイフで斬り付ける。


 チーター獣人の敏捷性を極限まで高めた彼女は、そもそも人間がついていけるような動きではないのだが、風魔法で更に動きを加速しているため、目視することすら困難な極致に到達している。


 首を斬ると死んでしまうので、手足に無数の傷をつけ、更に腹部も死なない程度に斬り付け、降参させた。


「ぐへへ。良くやった。お前は〝死を齎す風〟だ。お前が駆け抜けた後に立っている者などいない」

「えっへん、なの! ナフィならこれくらい楽勝なの!」


 ドヤ顔の彼女は、耳をピコピコ、尻尾をフリフリした。


※―※―※


 その後、満を持して。


「おーほっほっほ~! ヴィラゴ・フォン・テンドガリア! 逃げずにここに来たこと、褒めて差し上げますわ! ここが貴方の処刑台ですわ! さぁ、私の炎魔法で消し炭にして差し上げましょう!」


 ラルシィの全身から、莫大な魔力が膨れ上がる。

 〝頂上決戦部門〟第一回戦にて、僕は彼女と対峙した。


《〝公爵令嬢のナイフで刺されて死亡エンド〟のフラグが立ちました》

「あ、そこは炎じゃないんだね」


 謎のフラグと共に。

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