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逆光夢

作者:あぬ
二十代半ば、東京の片隅でくすぶる主人公・悠(ゆう)は、毎日を惰性で生きていた。
ブラック企業で擦り切れ、誰とも心を通わせることなく、ただ呼吸するだけの日々。
唯一、彼の心を占め続けていたのは十年前、まだ中学生だった頃に経験した“最初で最後の恋”だった。

放課後の教室、夕焼けのグラウンド。
あの日、彼女に手紙を渡すこともできず、ただ笑顔を見送るしかなかった自分。
その後、彼女は別の男子と手をつなぎ、悠の世界は音もなく崩れた。
誰にも気づかれず、誰にも救われず、その痛みだけを抱えたまま大人になった。

死に場所を求めてたどり着いたマンションの屋上。
柵に手をかけた瞬間、視界がぐらりと揺れ、世界は夕陽に染まった。
逆光の中に立つのは、制服姿の“彼女”。
声をかけても、振り向いてもくれない。
まるで、置き去りにした記憶そのもののように。

「君は、僕の世界を壊して、置き去りにしたまま、ずっと綺麗だった」

光に包まれた夢の中で、悠は自分自身の未練と向き合う。
その夢が終わる時、彼はもう二度と目を覚まさないことを知っている。
それでも、最後にたどり着くのは、あの夕焼けのグラウンドだった。
逆光に呼ばれて
2025/09/29 18:00
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