自信をなくした幽霊
「ぎゃー、何か横切った」
「わぁーあそこに何か居る」
「いゃー、もう帰るー」
ほほほほほ、今日も怖いもの見たさに、
人間どもが来る来る。
そう、ここは心霊スポットで有名な山の中の廃墟。
私はそこに住む成仏出来ない幽霊なのよ。
興味本意で来る人間どもを脅かすのが私の楽しみ。
でも、最近物足りないのよね。
もっと沢山の人間どもを脅かしたいの。
私は考えて街中に出て脅かす事にした。
しかし、街中に近くなって来ると明るいし騒がしい。
更に近づくと…「ぎゃー、何々化け物が沢山わんさか居るんだけど」
私は街中に溢れる化け物達に腰を抜かした。
廃墟よりもよっぽど心霊スポットじゃないのーと叫び、私は廃墟に逃げ帰ったのだ。
そして、自信をなくした私は幽霊を辞めて成仏する事にした。
そう、今夜はハロウィンだったのだ。