表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/15

第七話 英雄

私はトオルと再び服屋さんに入る。


店員のお姉さんは会計の準備を済ませてくれていた。


あとは、お金を支払うだけのようだ。


「…オ、オトウサン、、コレ、カッテクダサイ。」


慣れない呼び方に、わざとらしくカタコトになってしまう。


トオルはそんな私を見ながら笑っていた。


するとお姉さんは、


「お父様!娘さんは可愛いので、もっとお洒落させてあげてください!」


とトオルに向かって力説し始める。


私が、緊張していると勘違いしてしまったようだ。


「店員さん!大丈夫ですよ!これ全部買います!あ、カードで!」


トオルはお財布からカードを取り出し、お姉さんに渡す。


笑顔でお姉さんはカードを受け取ると、それを機械に差し込んだ。


「暗証番号を入力ください!」


お姉さんがそう言うと、トオルは機械を触りだした。


これで、お会計が済んだらしい。


本当にこの世界の技術力は、凄いんだなと関心させられる。


服屋さんを出る際、店員のお姉さんは笑顔で、


「また来てくださいね!」


と手を振ってくれた。


お金を稼いだら、また来ることにしよう。


お姉さんにお辞儀をし、トオルにもお礼を伝える。


「…ぁ、あの、ありがとうっ。」


トオルは、お金のことは気にしないでいいと言ってくれたのだが、やはり住ませてもらっていて、お世話になるだけなのも何だか申し訳ない。


この世界に慣れたら、仕事とか依頼とかで、稼ぎたいものだ。


冒険ギルドとか商業ギルドとかはあるのだろうか?


いろいろ考えながら歩いていると、


「じゅな。さっきのは"クレジットカード"って言って、銀行に預けているお金で支払いが出来るんだ。」


トオルは教えてくれた。


インフェリスにも銀行はあるし、クレジットカードのようなものは存在する。


それは、"ギルドカード"と呼ばれるもので、ギルドカードには魔力を込めると、自分のランクや依頼をクリアしたら貰えるポイントが分かるようになっており、ポイントを使って支払いしたり、銀行に預けているお金をギルド経由で後払いする方法がある。


ちなみ魔法を使わない人は、ギルドで残りのポイントを調べてもらうのが一般的だ。


「ギルドカードみたいに、ポイントで支払いしたり、"ネットマネー"で支払いする方法もあるんだが…"ネット"については今から、スマートフォンを買うから、これから覚えていけばいいよ。」


と、トオルは続けた。


私はトオルから、この世界のことを習いながら歩いていると、"英雄SHOP"というスマートフォンが並んでいるお店に辿り着く。


スマホは、朝のように起こしてくれるアラームや、ネットを使っていろんなことを調べたり、アプリで便利なことがたくさんあるらしい。


私は、高いんだろうなぁと不安に思っていたのだが、トオルは察したようで、


「気にするなよ?じゅな。俺はこう見えても、システムエンジニア(SE)っつって、ぼちぼち…は、稼いでるんだぞ!趣味は貯金だしな!」


ニコッと笑ってくれた。


「元・勇者は優しいね。」


私も安心して、ニコッと笑う。


すると、トオルは


「お、おう!」


と、目を背け照れた様子を見せてくれたのだった。

"英雄" と "Docozo" と "ハードバンク" があるそうです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ