素直なアバター
実は結構悩んだお話です……(^^;)
口を付けてないバリューセットのトレイの上にきっちり820円置き、スクバを抱えて脱兎のごとく逃げ出した。
ショッピングモールを迷路の様にくぐり抜けながら曲がる度に振り返る。
「追って来る男の影は無い!!」
でも!!
スマホはメッセの着信を叫び続けで、私はやはり追われている。
閉まりかけのドアから体をねじ入れて電車に乗り込む。
『無理な乗車はおやめください』との車内放送をよそに着拒といかがわしいマッチングアプリの退会と削除を行ってようやく一息ついた。
そう、全くもって世間知らずのバカ!! 呆れたJKの私の名は……鮎川和花
でも“ハンネ”は『佑樹』
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会社の同僚達よりずっと田舎の駅を降りてスーパーへ向かう。
時刻は7時15分
値引きシールが貼られる頃合いだ。
エントランスで籠を取り、お弁当惣菜コーナーに直行!!
しめた!手作りパンコーナーのサンドイッチが40%オフだ!!
明日のランチは確保できた!!
帰ったらランチBOXに詰め替えて冷蔵庫に入れよう!!
サンドイッチを籠に放り込み、目指すは今日の晩ごはん!!
ラベラーのカートを押して店員がお惣菜売り場へやって来るのが見える。
ウヨウヨしていた“サメ”どもが一挙に押し寄せて来る。
「出遅れた!!」
いつもの面々とセール品のお弁当の争奪戦を繰り広げるサメ女!!
そう!故郷から遠く離れた地に配属され、弟や従妹どもからの“お年玉搾取”に到底対応できない軽いボーナスしか貰えず、年末年始に帰省もできなくてアパートで“どん兵衛”の年越しそばを啜りながら“ゆく年くる年”を見ている……そんな私の名前は沢野陽斗実
でも“ハンネ”は『紬』
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。。。。。。。。
佑樹【むぎちゃん、そろそろ中間テストじゃない?】
紬 〖オジサン詳しいね!ひょっとして年頃のお子さんが居るの?(゜_。)?〗
佑樹【憎たらしいボウズが約1名】
紬 〖中坊?(・ω・ = ・ω・)?〗
佑樹【まあ、そんなところだ】
紬 〖中坊ならもう思春期じゃん! ( ̄Д ̄;;そんな子供が居るのにJKとチャットなんてヤラシくない?٩(๑`н´๑)۶〗
佑樹【キミがそう思うんなら止めようか?】
紬 〖そうね!ワタシに対してヤラシい事を言って来たら即着拒!!(ꐦ°᷄д°᷅)〗
佑樹【それはそうだろうな】
紬 〖あっ!言うつもりだったんだ!!〗
佑樹【言わないよ!むぎちゃんはかわいいから】
紬 〖どういう事? なんか言い方が既にイエローカードなんですけど(((=_=)))〗
佑樹【―ん! 言い方って難しいな! キミは子を持つ親……特に父親の気持ちは分からないのだろうけど……“そう言う意味合いで”だよ。かわいいと思うのは】
紬 〖そんな言葉、全然信じらんない!!(›´÷`‹ )〗
佑樹【信じなくていいよ!そんなに簡単に信じる様なコなら……私は心配でならないから】
紬 〖それって余計な心配じゃね? キモキモだよ~!!〗
佑樹【ははは、否定できないな!何たって私はオヤジだから】
紬 〖キャハハハ! オヤジの開き直りってかわいくないけどかわいいꉂꉂ(˃▿˂๑)〗
佑樹【そりゃどうも】
紬 〖まあそんなに怒らないでよ!(o´罒`o)〗
佑樹【怒ってないよ!むぎちゃんかわいいから】
紬 〖# ゜Д゜)·;’. ゴルァ!!!〗
。。。。。。。。
こんなとりとめないチャットを終えて
二人は各々の日常に戻る。
和花はスクバから出した薄手のマフラーを巻きながら初雪でも舞いそうな曇天を見上げる。
「こんな事を義父さんから言われてみたい」
「高校時代の私とは余りに違い過ぎるなあ……」
義理で注がれたビールのコップを置き、陽斗実は『2度漬け禁止』と注意書きが書かれたソース容器のステンレスの蓋を取った。
おしまい
うまくないかな……訳わからないかな……
力不足が本当にもどかしい!!(-_-;)
それでも……もし反響があれば一話完結型の連載にしたいなあ
なので
ご感想、レビュー、ブクマ、ご評価、いいね 切に切にお待ちしています!!<m(__)m>