▼ 交差する路 ▼
▼ 交差する路 ▼
命のやり取りをした興奮が落ち着いて来てから、いま死闘を演じた辺りを観察すると草の上に何かを引きずった跡があり、ところどころに血が乾いたような黒い染みがある。血の染みをたどると、窪地の草の中に一刀斎の遺骸を発見した。だが、涙も湧いてこなかった。諸国を廻る武芸者の最後はこんなものなのか、連れ歩き剣を教えた弟子に斬られることさえあるのだ、と思っただけである。親子や兄弟に殺されることが珍しくない戦国を生きてきた典膳には、一刀斎の死もありふれた景色だったのかもしれない。
典膳は善鬼が決闘の際に口走ったことを忘れてはいなかった。どこか、この近くに桔梗が居るのかもしれない。もしかしたら、すでに斬り捨てられているか。あるいは、ことの後で自害しているかもしれない。いずれにしても探さなければ、典膳は南に向かう街道にそって一町ほど歩く。そして、道から入ったすぐのところで若い武芸者風の男が斬られているのを発見した。すぐ側に桔梗が倒れていて、そこから三間ほど隔てたところに見知らぬ若い女が倒れていた。その女は衣服が乱れていて半裸であった。善鬼に乱暴されて殺されたに違いない。
典膳は着物の乱れがひどくはない桔梗に近づく、手をかざすと呼吸していることが判った。よくみると着物の胸がはだけられていて、白い丸い乳房が見えている。典膳は桔梗の着物の乱れを直してから、下半身を剥き出しにして亡くなった女の元に行き、着物の乱れを直してやった。そうしてから、桔梗に活を入れた。
「桔梗、判るか桔梗。わしだ、典膳だ」
「うっ、うーん、ああっ……、典膳なの? ああ、どうしたのかしら、わたし」
「桔梗、しっかりしろ。どうした、何があった? どうしてここにいるんだ?」
「そっ、そうよ。襲われたのよ……、楓は、楓はどこ……、ああ、なんてことなの、楓、楓……」
桔梗は楓の遺体にすがりついて泣き崩れた。
典膳は、遺体を見つけたときの、あの酷すぎる格好を見せなくてすんだことに安堵していた。
「典膳、楓も池上隼人さんも善鬼に殺されたのね」
「ああ、たぶんそうだろう」
涙を拭いて立ち上がった桔梗は自分の体が汚されていないかを確認し、そして安堵した。
「典膳、あなたが私を助けてくれたのね。あの獣がわたしに襲いかかる前に。典膳……、ありがとう。あなたは善鬼に勝ったのね」
「ああ、危なすぎる相手だった。倒せたのは幸運が重なったせいさ」
「よかったわ、典膳。生きていてくれてよかった」
「それよりも、桔梗はなぜこんなところにいるんだ」
典膳は最初の問いかけを繰り返した。
「ごめんなさい、典膳、ごめんなさい。あなたには感謝してるの。本当にわたしの命が助かったのはあなたのおかげだわ。この期に及んで嘘はつけない。池上さんと楓がこんなに惨い死を迎えたのはわたしのせいだもの……」
桔梗は言葉を選ぶようにしてゆっくりと話だした。
「わたしと楓は水月を探すために村を出たのよ……。はじめは一人で行こうと思ったの。でも、小伊勢さまに相談したら、楓を連れて行けって言われて、それで二人で安房を出て下総に向かったわ。ほら、前にあなたが下総に水月に会った人がいるって、そう聞かせてくれたじゃない。でも、どこに行けばいいか分からなくて、海岸の砂浜をずっと歩いていったら、香取神宮というところに着いて、そこで水月の消息が判ったのよ。水月は鹿島神宮というところで剣術を開眼したそうで、そこからどこかへ立ち去ったと聞いたわ。私たちと入れ替わるように出立したそうよ。でも、誰も行く先は知らなかった。わたしは満月の日の明け方に小金原という所で、典膳と善鬼が決闘するっていう話を思い出したの。伊藤一刀斎って方は有名な武芸者だというし、きっと多くの武芸者は決闘のことを知っているに違いないって、だから、そこに行けば水月にも会えるかもしれないって思ったのよ」
桔梗の言葉に嘘はなかった。真っすぐに水月だけを見つめて、水月のことだけを考えてここまでやってきたのだ。でも、命の危険に曝された自分を助けてくれたのは、求めていた水月ではなくて典膳だった。桔梗の心に中に典膳を慕う気持ちが生まれていても不思議なことではない、いや自然なことなのだ。ただ、桔梗自身がそれに気付いていないだけかもしれない。だから。もし、典膳が桔梗を抱きしめて、ワシと一緒になってくれ、と一言いったならば桔梗は頷いたに違いなかった。
だが、
「それほどまでに水月のことを想っていたのか……。すまんな、桔梗、ワシが決闘の話を聞かせたから、こんなに危ない目にあったんじゃ。すまん……。だがな、水月はここへは来ないじゃろう。決闘のことは世間には知らせておらんからな。もし、お前が良ければ、ワシはお前が水月に会えるように手助けしてやる。水月はたぶん江戸に行くじゃろう。江戸に行けばきっと会えるはずじゃ。だから、ワシと一緒に江戸へ行こう」
それが典膳の口から出た言葉だった。
故郷へ帰ることもできない桔梗にとっては有難い申し出であり、そして心の奥底に芽生えた典膳への思慕の情から申し出を拒否することはなかった。
遠くに見えていた農家から鍬を借りてきて四人の遺骸を埋めた。一刀斎は遺骸を発見した窪地に、善鬼は彼が倒れた大クヌギの樹の下に、隼人と楓の遺骸は二人が倒れた近くにそれぞれ穴を掘って埋めた。
典膳はクヌギの木の周辺や決闘をした草原周囲に一刀斎が残したものがないかを探したが、それは一刀斎も善鬼の遺骸も何も持っていなかったからである。どこにも秘伝書は無かったし、また一刀斎ゆかりの甕割刀も小太刀桔梗も見当たらなかった。
典膳は考えた。一刀斎は今朝、いや朝日が登る前に、どこからやってきたのであろうか? 秘伝書や甕割刀、それに小太刀桔梗をそれほど遠方に置いて来たとは考えにくい。きっと小金原の中か周辺の寺や神社に寝泊まりしていたはずである。そう考えがまとまると、小金原の周辺を歩いて一刀斎が泊まったかもしれない神社や寺などを探すのがよい気がしてくる。典膳と桔梗は小金原を歩き回り、原の東の外れ、決闘した大クヌギから半里ほど離れた雑木林の中に寺を見つけた。もう日が西に傾きかかっていた。
「旅の武芸者ですが、もし居られれば、お教え願いたい」
典膳は寺の仏堂と思われる建家の玄関先で告げた。
「どちら様でしょう。坊主に答えられることならなんなりと」
薄暗い仏堂の奥から黒い僧衣を着た四十くらいの坊主が現れる。
「こちらに武芸者、伊藤一刀斎先生は投宿されていないでしょうか。ワシは先生の弟子で神子上典膳という者です」
「おお、これはこれは神子上殿でしたか。お話は一刀斎殿から聞いております。私は寺を預かる了真と申します。さあ、さあ、上がられよ。……ところで、そちらのお方はどなたかな」
「桔梗と申して……、ワシの妹でございます。この日の決闘を見るために郷里から出てきまして」
典膳は嘘をついた。
「ほう、それで、お二人以外は……、一刀斎殿はご一緒ではないので」
了真は怪訝そうな顔で尋ねた。
「先生はずっとこちらに投宿でしたか?」
「五日ほど前からじゃが、昨晩、少し夜風に当たりたいと申しましてのう。それで出て行かれたんじゃが、今朝になっても戻られていないので心配していたところでした」
「そうですか。先生は今朝私に会った後で、西国に修行の旅に出ると言われて、そのまま出立されました。こちらには大変お世話になったので十分に礼を申してくれと言っておりました」
「それはまた急なことですな。まあ、諸国を巡る武芸者にはあることなのでしょうか。礼などというものは仏に仕える者には必要ないことですが、一刀斎殿から、もし自分がいない時に神子上殿が尋ねられたら渡して欲しいと預かっているものがありますから、どうぞこちらへお通りください」
典膳と桔梗は仏堂の奥にある小部屋に通された。文机の上には、一刀流秘伝を書き記した巻物一巻、甕割り刀、典膳宛の文と、小幡勘兵衛宛の書状が並べられていた。その場で文を開くと、その内容は以下のようであった。
「神子上典膳殿
この文を読んでいるということは、お主が儂の後を継いだ
ということであろう。印可である秘伝書と甕割り刀は,お主に預ける。
寺を辞した後は江戸に向かえ、そこで徳川家家臣の小幡勘兵衛殿
に会うのじゃ。勘兵衛殿がお主のことを計ろうてくれよう。
小太刀の桔梗は、お主も会うたことがある高崎のお美乃に預けてある。
お美乃に会い、自由に暮らせと伝えよ。行李の中の金子と小太刀桔梗
はお美乃に与えるように。
伊藤一刀斎景久」
明朝、典膳と桔梗は小金原の古寺・持法院を出立した。江戸に行く前に高崎宿のお美乃に会わなければならない。それは師である一刀斎が唯一思い残したことであろうから。小金原を北上し江戸と常陸を結ぶ街道に出て常陸方向に進むと、やがて上野方面に向かう街道との分岐点に着いた。典膳たちは迷わずに上野方面に歩を進めた。だが、もし直進していれば半里先には、お美乃と水月がいたのである。
お美乃は、その満月の日が一刀斎と彼の弟子たちにとって重要な日になることを聞いていた。くわしいことは言わなかったが、一刀斎が二人の弟子の一人である典膳に道統を継がせたがっているような気がしていたし、実際会ってみて典膳が朴訥としてはいるが折り目正しい武士であると感じたのである。もちろん、お美乃自身が武家の娘であったから典膳の立ち振る舞いを好ましく思ったのかもしれない。一方で、善鬼には会ったことがなかったが、いつぞや、一刀斎が善鬼の非道・悪業を話していたことを聞いて嫌な気分になったことがあった。だが、一刀斎は善鬼の剣技がかなり上達し、儂でも必ず勝てるという核心がないほどまでになってきていると話したのも事実であった。そんな訳で、お美乃はその満月の日が近づいてくると気になって、いや、悪い予感を感じて眠れなくなっていた。もしや、一刀斎と善鬼が立ち会うことになりはしないか、と。
月が上限を過ぎた頃、お美乃は高崎宿にある、一刀斎の兄弟子の剣術道場を辞去して、下総の小金原に向かうことにした。一刀斎から小金原にある持法院に泊まるつもりだ、と聞いていたのである。女の一人旅は危険である。いくら武家の娘で小太刀を使う修練をしたことがあっても、そのようなものが何の役にもたたないことは経験済みであったから、移動は日が高く昇ってから日が落ちるかなり前の間のみにした。歩みは遅くなったが、なんとか満月の日には,常陸と江戸に分かれる分岐に着いていた。だが、そこで路を間違え、江戸の方向に向かうべきところを常陸の方向に曲がったのである。常陸に向かう街道を歩き続けてお美乃はくたくたに疲れていた。遠方に見える筑波山が夕焼けに染まり始めたころに彼女は水月に出会った。
「あのう。人違いかもしれませんが、もしや、神子上典膳さまでしょうか?」
お美乃の声はせまる闇を前にして自信なさげであった。
「いや、俺は神子上典膳ではないが、その名はよく知っている。こんなところでその名を聞こうとは思わなんだ。お女中殿、もしよければ、その名の主とお女中殿との関係など聞かせてもらえまいか。もちろん嫌ならばしかたないが」
「いえ、実は以前に神子上典膳さまに出会うたことがあり、つい今しがた考えごとなどして歩いておりましたら、あなたさまが典膳さまに似ているような気がしたのです」
「そうか。典膳に会うたことがあるのか。ならば、間違ごうてもしかたあるまい。俺は神子上水月というが、典膳は一歳ちがいの俺の従兄弟じゃからのう。それで、お女中殿は」
「はい。私は元武田家の家臣であった小幡家にゆかりのある者で、小幡美乃と申します。今は由あって家を出ており、皆様からはお美乃と呼ばれています」
「もう間もなく日が暮れ申すが、そうなれば男の俺でも歩くのは危険になる。お美乃さんはどちらまで行かれるのか。もし可能ならば、半里ほど戻った取手村に小さな宿が数軒あったから、そこへ泊まられたらいかがじゃろうか。そこまでならば、俺も一緒できるが」
「ありがとうございます。暗くなってきて難儀しておりました。私は下総の小金原というところへ行きたいのですが、路が判らなくなってしまったようです。なんとか、満月の晩までに着きたかったのですが」
「下総は、たぶん反対じゃと思います。この路は下総から常陸に向こうておるから、お美乃さんはどこかで路を折れ間違ったようじゃのう。それと、月が出れば判るが、満月は昨夜だったと思いましたが。まあ、今日はもう下総まで歩くのは無理じゃから、明日の朝、俺が小金原まで付き合いましょう。どうせ武芸者の旅は予定もないですから」
二人は路を戻り、取手宿の小さな宿に二部屋をとって泊まることにした。翌朝、二人は宿を後にすると、旅は道連れということもあって話ははずんだ。水月が陽気で人なつこい性格であったからかもしれない。我孫子村を過ぎてから分岐に出た。
「お美乃さんは、この分岐を左に行けばよかったんじゃ。それを右に曲がってしまったんじゃなあ」
その分岐は半刻前に典膳と桔梗が通っていったところであった。広い草原でところどころに松の木が点在しているが、その一本の松の根元に、板に書かれた街道案内がある。今来た方角には常陸と書いてあり逆が下総国府、典膳が折れた方向が東街道・武蔵となっていた。二人は下総国府の方向に進んだ。
「ところで、昨日は聞き逃してしまったかもしれないが、お美乃さんは典膳とはどういう知り合いなんですか」
「水月さまが武芸者なので言いづらかったのですが……、伊藤一刀斎さまの名はご存知ですか?」
「ほう、なんと、あなたは一刀斎先生ともご縁のある方だったのですか? そうとは知りませんでした。いや、もっと早く気付くこともできたろうに、迂闊でした。……実は、俺も一刀斎先生に二ヶ月ほど剣を習うたことがありまして、典膳はそのまま先生の弟子になったようですが、俺は訳あって先生の弟子にはならんかったのです」
「そうでしたか。私は一刀斎さまには命を助けていただいた、いえ、命だけじゃなくて魂までも救っていただいたのです。その上、長い間一刀斎さまにお世話になっていて、それで、数ヶ月前に一度ですが、弟子の典膳さまにお会いしました」
「そのとき善鬼殿という、もう一人の弟子には会いませんでしたか?」
「善鬼さまは名前を知っているだけで、会ったことはありません」
「そうですか。それでお美乃さんは下総の小金原に何をしに行くのです。もし、よかったら教えてください」
「はい」お美乃は少し考えてから語りだした「実は、一刀斎さまがそこに居るはずなんです。満月が西に沈む日の朝には小金原に必ずいたはずです。なぜなら、その日のその時刻に典膳さまと善鬼さまが戦って、どちらかが一刀斎さまの流派を継ぐのだと聞いていたので」
「では、そこには今、一人欠けて一刀斎先生と、どちらかの弟子がいるのでしょうね」と水月。
「昨日の朝はそうでしょうが、今は判りません。でも、とにかく小金原の持法院に行けば一刀斎さまのことが判るはずです。そこに泊まっているとおっしゃっていましたので」
「そうですか。では、小金原の持法院の近くまでは行きますが、そこで別れましょう。俺は、今は一刀斎先生にも典膳にも会いたくはないし、もし仮に典膳ではなくて、そこに善鬼殿がいたならば……、間違いなく斬り合いになるでしょうから」
そうは言ったが、水月は持法院の門前にある大きな銀杏の木の影から様子を見ることにした。四半刻待ってあなたが出てこないときは立ち去りますと、お美乃に告げたのだが、お美乃はすぐに門前に現れて、一刀斎も典膳も善鬼もいないことを告げたのだった。水月は持法院の住職に会うことにした。
「いや、残念でしたのう。今日の朝がた典膳殿はここを出立なされてのう。一刀斎殿は一昨日の夜に小金原へ行くと告げて出てゆかれた。それから、その、善鬼殿というお方には会ってはおりません」
「そうですか。それで一刀斎先生は帰られなかったので?」
「典膳殿が言うには、お主に一刀流伝書と道統を継ぐ証となる太刀を授けたぞ、と告げられて、そのまま廻国修行に旅立たれたとのことです。なんでも、遠い西国まで行くので関東の地には戻らんと言うてたらしいです」
それを聞いたときのお美乃は放心状態で声が震えていた。
「それは、何かの、お聞き間違え……、では?」
「いや。たしかに典膳殿からそう聞きました」
「典膳は、いや典膳殿はどちらへ行くと?」
水月は落ち着いた口調で尋ねる。
「妹御を連れて江戸に向かうと言うてましたな。先生の残された手紙を持って江戸に行くと」
「妹?」水月は首をかしげたが、そのことには深く立ち入らずに別の質問をした。
「手紙は……、一刀斎先生が残された手紙はその一通だけですか? ほかに、お美乃殿に宛てたものなどは?」
「いや、その一通だけのようでした」
その晩は二人で持法院に泊まったが、お美乃はあてがわれた部屋から出てくることはなかった。水月は住職と世事に関する話などしたが、夜半に床に入ると、いろいろな想いが湧いて来た。
そうか、典膳が一刀流を引き継いだのか。あの一刀斎先生の後を継ぐからには、かなりすごい業前を身につけたのであろう、もし可能ならば、俺とどっちが強いのか立会うてみたいもんじゃな。そういえば、俺が強くなりたかったのは桔梗と夫婦になるためじゃったが、桔梗はどうしているじゃろう。もう、あれから三年以上経つが、桔梗はいくつになったのか、俺と同い年じゃから二十四かのう。普通ならばとっくに誰かのもとに嫁いでるじゃろう、俺を待ってることなどないじゃろうのう。俺が塚原卜伝先生の高弟、雲林院松軒先生から卜伝流の極意を受け継いだと知ったら、桔梗は喜ぶじゃろうか? もし万が一、俺を待ってくれているならば、俺と夫婦になってくれるじゃろうか?
そんなことを考えながら眠ってしまった。それまで、水月は卜伝流の印可状を持って神子上村に帰ろうと決めていた。印可状があれば桔梗の父も兄も俺を認めてくれるにちがいない。それに、桔梗はきっと俺を待っているはずだ。そんな確信があった。
だが、翌朝起きた時には、その想いは変わっていた。いや、想いは変わらなかったのだが、それを実行できなかった。お美乃と別れて、お美乃を一人にすることはできなかったのだ。行方知れずの一刀斎の後は追えなくとも、典膳を追って江戸に行き、一刀斎の消息に関する手がかりを掴みたいと、お美乃と二人で江戸に向かわねばと決意していた。




