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短編集

旅立つ理由はひとつだけ

作者: 都辻空

 突然ですが、僕の一つ年上の幼馴染みはとても変わっています。


 特に印象に残っているのは、季節祭の時に必ず『神殿に行ったら祝福ギフトが贈られるから、絶対に行かない』と言い出すことです。


 そもそも祝福ギフトは、魔力に長ける人にのみ授けられる、光栄で名誉なものと云われています。


 なので自分でそれを贈られると言っておきながら、不遜にも拒否する態度の彼女は、周囲から変人だと思われて仕方なかったのかもしれません。


 他にも昔から妄言、奇行が多い彼女を冷たい目で見る人もいました。


 けれど僕の目に映る彼女は、決してそんな人物ではなかったのです。


 どんなことをするにも必ず、彼女なりの理由があって、信念があった。


 だから、今年の春の季節祭で彼女が神殿へ行ったのには、何か理由わけがあるのだと思います。


 それが何であれ、僕に出来ることはひとつだけです。


 彼女を迎えに帝都へ行って来ます。


 ――君のことが、好きだから。


 旅立つ理由なんて、それだけで十分です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] なにか壮大な冒険が始まる予感がしました。 面白かったです!
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