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26匹目:あの日のアップルパイをもう1度 2

短め!

まだぐずぐずと体調が悪いです…




無理やり自分を納得させるようにうむうむと頷いて、心なしかしょぼくれているエリオットを見上げる。


おそらくこの一連の騒動をずるずると引き伸ばしなあなあで終わらせたのはエリオットだ。リリアンもアンジェリカも彼の気分に振り回され、そこで発生したトラブルの渦はいつしか周囲をも巻き込む大きな流れになった。


そしてエリオットがハッキリしないから、ハッキリさせたくないアンジェリカがなんとなく良いようにまとめただけ。


彼女たちが選んだ道がハッピーエンドに続いているのか、はたまたリリアンのようにバッドエンドを迎えてしまうのかジェマにはわからない。けれど少なくとも、誰も気持ち良く終わることはできないだろうということはわかる。



「まぁそれは良いのですが、あと何点か確認させていただきたいことがごさいまして」



もうこれ以上予定な口出しをしてトラブルを再発させたくはない。


しかしジェマは一応このお茶会の主催者だ。始めたことは終わらせなければならない。そして終わらせるためにはどうしてもハッキリさせておかなければならないことがある。


ゆらりと尻尾を揺らして、微笑みの仮面を貼り付けたアンジェリカに問いかけた。



「1発ぶん殴っても良いですか」


「…………はい?」



これまでのことを思い返して自分の気持ちに整理をつけたジェマは、そんな結論に至っていた。


この件を引き延ばし適当に終わらせたのはエリオットだと結論付けたが、根本的な原因はアンジェリカにあると思っている。リリアンはちょっと2人の仲を引っ掻き回しただけで、アンジェリカとエリオットの関係に大きな影響を与えたとは思えないからだ。リリアンは自分のことをモブだのなんだのと言っていたが、アンジェリカたちにとっては正しくモブだったのだろう。


【幸運の猫】の噂を頼って相談をしに来たときから、アンジェリカが悩んでいたことは一巻してエリオットからの拒絶のみだった。


エリオットがリリアンを傍に置いていることすらそこまで気にしているようには見えなかった。もちろん嫌な気持ちにはなっていただろうが、おそらく立場上愛人を作られることについてはずっと覚悟していたのだろう。リリアンへも「近付かないで」と怒ったという話はついぞ聞かなかった。



それを踏まえると、先ほどアンジェリカがあれだけリリアンを気にかけてやっていたのも納得がいく。


そもそもアンジェリカはリリアンに対しては怒りも憎しみも持ち合わせていないのだ。彼女が悲しんでいたことにリリアンはたいして関係がない。エリオットがアップルパイを踏み潰したのはリリアンが訴えたせいかもしれないけれど、もしリリアンがいなかったらエリオットは大人しく食べたのだろうかと考えると疑わしい。


リリアンという存在がなくとも、2人の関係性がきっと変わらない。





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