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100/131

25匹目:チーズケーキはあんまり好きじゃない 4

100話!!!

でもちょっと短めです!文字数計算ミスったので!





「……エリオットと同じで、あなたのことも簡単には許せないわ。けれどジェマちゃんの言う通りわたくしたちにも悪いところは多分にありましたし、それがあなたの暴走に繋がったのも事実です。あなたの行いについては、わたくしたちも一緒に謝罪をいたしますわ。酷い処分にならないようにお願いいたします」



静かに立ち上がったアンジェリカが縛られたリリアンの前に跪いた。今更ながら真摯に向き合おうとするその姿勢は立派なものだ。けれど誰にでもそれが通じるわけではない。言葉にならない声で何かを喚き散らし始めたリリアンに耳を塞ぎたい衝動を堪えてため息を吐く。


物語の結末としてはなんともつまらないものだ。けれど現実としては、ジェマもリリアンも命に係わるような重い処分を受けずに済んだだけ上々といったところだろうか。



(これで終わりかぁ……。妥当ではあるけどつまんないな)



そう仕向けた張本人のくせして、ジェマはぺたりと耳を垂らした。


リリアンはこれまで執拗にアンジェリカを敵視してきた。何もしていないアンジェリカに罪を被せようとしたこともあるし、悪意なく事実とは違う噂を流したこともある。それについてはきちんと罰を受けた方が良い。


けれどリリアンだけが悪いわけでもない。そもそもリリアンが現れる前からうまくいっていなかった2人だ。結婚前の自由に過ごせる最後の年である今年度に、何か問題を起こす可能性はいくらでもあったに違いない。2人のトラブルの責任まですべてリリアンに押し付けるのは横暴というものだ。


高位貴族同士のトラブルを公にするくらいなら、ただの男爵令嬢に罪を被せた方が良いこともあるだろう。けれどまだ子どもだからで許してもらえるならば許してもらえば良い。



泣きじゃくるリリアンを優しく宥めるアンジェリカから視線を逸らす。リリアンの暴走はけしてアンジェリカたちだけの責任でもない。元凶は間違いなく謎のリリアン物語だ。


それをアンジェリカたちにも話すべきだろうか。ここまで巻き込まれたのなら損得に関係なく最後まで関わってしまっても良いような気もするが、そこまでしてやる義理もないような気もする。


まぁいっかと小難しい考えを振り払うように首を振った。



「なんでよぉ……っ。あたしだって頑張ったのにぃっ」


「本当に、すまなかった。私が現実から目を背けてふらふらとしていたばかりに……」


「それはわたくしも同じですわ。きちんと向き合おうとはしませんでしたもの」



別に今も向き合ってはいないだろうとは口に出さなかった。なんだか良い話のようになってはいるが、何も明らかにはなっていない。ただなんとなくアンジェリカとエリオットが仲直りしてリリアンが捨てられただけである。


つまりは元に戻っただけ。



ジェマはそっとその場を離れ自分の席へ戻った。冷めてしまったミルクティーをごくごく飲み干し、ふぅと大きく息を吐く。


ぽんぽんと軽く叩かれるように頭を撫でられ、呆れた顔のシリルを見上げた。



「まぁ1番丸く収まっただろう。よくやった」


「でもなんか……気に入らないんですけど」


「これ以上何も遊ぶところはないだろ。大人しくしておけ」


「……はぁい」



うまく言い表せない不快感を呑み込み、ジェマはしぶしぶ頷いた。たしかにこの結末ならジェマやアシュダートン伯爵家へのお咎めもごくささやかで済むだろう。しかしこれで終わりでは気持ちがスッキリしない。


チーズケーキを頬張り、ため息と一緒に飲み込んだ。



「うまく行ってたと思ってたのに、これまでのことは全部演技だったってこと?」




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