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毎日ほのぼの。  作者: 愛森とき
9/15

ほのぼの(9)

2019年11月5日(火)


小学生 丹野瑞希(たんのみずき)の今日のほのぼの。


瑞希は小学校5年生だ。

瑞希の両親は2人とも働いていて

帰りはいつも遅かった。


だから瑞希は学校が終わると

自宅ではなく祖父母宅へ向かうのだった。


祖父母は母親の両親で

祖父は無口だが優しく

祖母はお喋りで口煩(くちうるさ)かった。


今日も学校が終わると祖父母宅へ向かった。

部活動が急遽休みになったので

外が完全に暗くなる前に帰れそうだった。

祖父母宅に着くと

祖父は居間でテレビを観ていた。

ニュース番組のようだった。

祖母は居間のすぐそばの台所に立って

おそらく夕食の準備をしていた。


祖母「あら、瑞希ちゃん、お帰りなさい。今日は早かったのね」


瑞希「ただいま。部活動が中止になったから」


祖母「あら、そうだったの。どうしたのかしらね」


祖父「昨日のあれのせいじゃないのか?」


祖母「あぁ、あれね、そうね、何かあったら恐いものね」


祖父「そうだ、あれのせいに違いないな」


瑞希を置いてけぼりにして

祖父母は納得し満足したようだった。


瑞希にはあれが何かわからなかったが

あれとかこれとかそれで

話が伝わる祖父母を見ていてほのぼのした。


だって瑞希の両親は


父親「この前のあれ、面白かったよな?」


母親「え?あれって何よ。ちゃんと言って」


こんな感じだから。


同じ夫婦なのに何て違いだ、と瑞希は思った。


祖母「瑞希ちゃん、準備が出来たらご飯を食べましょうか?お腹、空いたでしょ?」


瑞希「宿題を終わらせてからでも良い?」


祖母「勿論よ。おばあちゃんのご飯はどこにも行かないわ」


お味噌汁の良い匂いに

お腹が鳴りそうになった。


居間のテーブルに宿題を広げ

テレビの音に気を取られながら

鉛筆を動かした。


祖母「あら、あそこで買った洗剤、泡立ちが悪いわねぇ」


祖父「あそこは安いけど駄目だ。ちょっと遠いけどあっちの方が良いぞ」


祖母「そうねぇ、次はあっちの方にするわ。もう少し近いそこでもいいとは思うけど、どうかしら?」


祖父「そこよりはやっぱりあっちだろ」


理想の夫婦はやっぱりこっちかな

なんて瑞希は思うのだった。

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