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毎日ほのぼの。  作者: 愛森とき
2/15

ほのぼの(2)

2019年10月29日(火)


高校生 風間麗(かざまうらら)の今日のほのぼの。


麗は毎朝、父に車で学校の近くに

送ってもらっていた。

今日も当たり前のように車に乗り、

お礼も言わずに降りた。


父はいつも

「気を付けて行ってこいな」

と、麗が車を降りる時に声をかけてきたが

それにだって返事はしていなかった。

今日も、そうだった。

別に父を嫌っているわけではなかった。

むしろ好きなくらいだが

そんな事は恥ずかしくて言えるわけがなく

照れ隠しと言うのか

何と言えば良いのかわからないが

何となく素っ気なくしてしまっていた。


あえて嫌なところをあげるなら

父はちょっとぽっちゃり体型だった。

母はスリムなのに

麗は父に似てしまったため、

少しだけ、ほんの少しだけ恨んでいた。

ほんの少しだけなのは

麗が痩せる努力を怠っていたからだった。

好きなモノは我慢せずに食べたし

運動なんて嫌いだった。

だから、自転車で通える距離の高校なのに

父に都合よく甘えて送ってもらっていた。


父の車の走る音が

小さくなってそして聞こえなくなった。

この瞬間だけは少し寂しい気持ちになった。


チュンチュン


チュンチュンチュチュチュ


チュンチュンチュン


賑やかな雀の声が聞こえた。

声の方を振り向くと

可愛らしい雀が5羽か6羽くらい

チュンチュン鳴きながら動き回っていた。


動き回りながら、コンクリートの地面を

くちばしでチョンチョンとつついていた。

誰かが餌でもまいたのかもしれないと思った。


雀の体型はまん丸で本当にまん丸で

余計に可愛く見えた。

冬に備えてたくさん食べてるのかな

なんて、麗は考えた。

雀のまん丸姿は

麗をほのぼのとした気持ちにしてくれた。


やっぱりぽっちゃりしている方が

可愛く見えるよね、

なんて都合の良いことを思いながら

学校の門をくぐった。


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