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土星の三枚目

作者: フランク大宰

土星のカフェテラスで土星時間午後の紅茶を啜る。

君は趣味のテニスの話ばかりするが、どうせテニスをするなら地球の軽井沢でラケットを振れば良いように僕は思う。

しかし、地球は遥か彼方だし、土星生まれ土星育ちにはきつい環境なんだろう。

僕は最近、車を買った、四気筒核エンジン、フォルムは20s仕様。

見た目は300年前の骨董品だが、最高だよ、翼を着ければ空も飛べるし、自動運転以外にマニュアル運転仕様のオプションも付いている。

 君を連れて、シャンパンを飲みながら、土星のダウンタウンを走り抜けて、地球が丘まで行く。

僕らは事故も気にせず、抱き合いながら、車を走らせる。

とはいえ君はこの提案を飲み込まないだろう、地球人と火星人のハーフは君の好みではないからね。

残念だよ、せっかく佐野元春のカセットテープを骨董市で手に入れたのに。

それはきっと良いムードを作り出してくれる。

君さえ良ければ、軽井沢まで飛んで行ってあげるよ、この御時世には十分リッチだろ?


 まったく、君は遠すぎる。

人類は太陽系を制覇したけれど、君と僕の距離は"マンモス狩り"をしていた頃から、一ミリも近づかない。


 きっと人類の進化なんて、全て無駄だったんだ。

 

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