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20.大浴場にて
いち早くテストを終えた名取は一人悠々と風呂へ向かった。風呂はそれほど混み合ってはいなくて快適だった。大きな浴槽に浸かっていると、テストを終えたメンバーが次々と合流してきた。
「お前、すごいな」
中之島が名取の横に入ってきた。
「若いですから」
「いや、テストもそうだけど、さすが、タネウマだけのことはあるな」
「そっちですか?」
「ほー、確かに」
反対側に入ってきた四宮だ。
「これでどれだけ種蒔いたんですか?」
「3人です」
「ホント? もっと居るんじゃない?」
「四宮さんとは違いますから…って、四宮さんもすごいですね!」
「ああ! 全国に隠し子が居るから」
「本気にされますよ」
「本当だから構わんよ」
ニカっと笑う四宮だった。