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１６．捕らぬ狸の皮算用
お伊勢参りが終わり、バスは一路宿泊先の鳥羽へ。３０分ほどでホテルへ到着。日下部がロビーで受付をしている間にメンバーはウェルカムドリンクに舌鼓を打つ。
「荷物を置いたら３１７号室に集合」
日下部が号令を出す。一応、研修という名目で来ている。形だけでもそれらしいことをしなければならない。メンバーにはテストを受けてもらう。
部屋に集まったメンバーに先ず、井川が声を掛ける。
「テストの前に馬券を買う奴はさっさと金を出せ」
一同一斉に競馬新聞に目を移す。一通り投票券を回収すると、井川は金の計算を始めた。
「二万七千円か。まあまあだな」
と、ニンマリする井川。捕らぬ狸の皮算用…。
それから、日下部は問題用紙を配り始めた。
