prologue: ハーツイーズ〜幸せな考え〜
正直に申します。
ギャルゲーみたいな感じですので、悪しからず。
「ねぇ、紫苑君」
女の子が僕を呼ぶ声が耳に入ってきた。
僕がゆっくりと伏せていた顔をあげると、目の前にはその女の子の顔があった。
うわっ!?
僕は情けない声をあげ、椅子ごと後ろへと倒れた。
「大丈夫?」
だ、大丈夫。
頭は打ったけど。
「ごめんね……」
いや、別にいいんだけど……それより何?
「あ、うん。その……外ってどんな色してるのかな……って思って」
色?
色ってあの、赤とか青とかの色だろうか。
「ほら、ここって一面真っ白だから」
言われてみて、納得した。
辺りを見渡してみても、ここは一面白色だけしかない。
ほかの色なんて一切ないのだ。
「だから」
少し考えてみる。
どんな色をしているのかって言われても、正直答えにくい。
だって、ここの外には緑はもちろん。
僕の知らない色だってたくさんあるのだから。
だから僕はこうとしか言えなかった。
いろんな色があるよ。
「いろんな色って?」
女の子は期待するような眼差しで僕を見てきた。
赤とか、青とか、緑とか…ほかにもいろいろ。
「どれくらいあるの?」
さぁ? どれくらいあるんだろう。
「分からないの?」
うん。
「なぁんだ」
女の子は残念そうな溜息をついた後、独り言のように呟いた。
「一度でいいから、外を見てみたいな」
そう言ったとき、本当に夢を見るかのように彼女の目は遠くのほうを見つめていた。
そうだ。
ねぇ。
「うん?」
じゃぁさ、外に出ようよ。
「え?」
一緒に、外を見に行こうよ。
僕が案内してあげるからさ。
そして、僕はゆっくりと手を差し出した。
まずははじめまして、そしてがんばります。
今回が初めての投稿となるわけです、はい。
ので、よく分からないことが多いですが読んでいただければなと思います。
指摘などありましたら、遠慮せずに言ってください。
というわけで、どうぞよろしく。