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カップ麺と呼ばれた男 ~とある能力者の成長物語~  作者: 岡部雷
総合優勝が最高学年なのは当たり前。(体育祭編)
51/60

第50話 手札は使い方次第。

「……すまん」



結果だけ見れば、惨敗である。

開始早々、宇田川は《引力》の能力を持った先生に引きずられ、パワー負けしてしまった。

おかげで全クラスのうち、ワースト3という結果をたたき出してしまう。



「そう凹むなって。まだ順位は上だから!」



真田が慰める。

先に西山が残した好成績のおかげで、学年では1位、全体の順位も5位と、悪くない結果だ。


次の競技からは、他学年ばかりがメインなので、俺たち1年生は、しばらく見学になる。



◆◆◆



1時間後。いよいよ1年生による棒倒しが始まった。


計8クラスあるのでトーナメント形式が採用された。

第一試合は3組と4組。結果は3組の勝利で終わった。

俺たちのクラスは、次の組合わせだった。



「1の2!!! 行くぞおぉぉ!!!」


「「「「オウッ!!!!!!」」」」



ルールは、普通のものと変わりない。

いかに能力を上手く使うかがカギになる。



「初戦は勝てそうだけど、次に上がってくるだろう3組は厳しそうだよな」



表を見ながら真田が周りに意見を求める。

この競技はクラスの半分以上が参加するため、待機している生徒は必然的に少なくなる。

残ったメンバーは、輪になって今後の行方を推測した。



「確か、いるんだよね。《ワープ》が。それをいかにして食い止めるかだよねえ。それができるとすれば伊藤が最適なんだろうけど」



二瓶さんが、3組の一人を指さす。



「さっきのを見ちゃうと、やっぱスピード勝負だよねえ」



宇田川も、勝負の鍵は伊藤だと思っていたようで



「伊藤をどうやって使うか。あいつは人に触れないと能力が無効化できないから」


「もし隠れて移動するんだったら、岩田くんか、葵ちゃんあたりだよね」


「それか、きららの気体操作で暴風起こして叩きつけるかだけど――」



試合開始のホイッスルが鳴った。



◆◆◆



相手は7組。顔も名前もご存じない。

ただし、両者とも同じ戦法だった。


すなわち、《気体操作》による暴風。


砂が巻き上げられて、二本の巨大な柱が出来上がった。



「さっきとは別の意味でヤバいな、これ! あがっ!?」



口に砂が入ったらしく、浜田が悶えていた。

たが、これは良くない状況だ。

互角な相手だと、決着に時間がかかる。そうなってしまうと、今回のルール上、両者ともに敗退になってしまうのだ。

しかし。



「ねー、これ熱くない……?」



秋山さんが轟音に負けじと声を上げる。

いつの間にか、風が熱風になっていた。

見覚えがある。



「恵利奈か……!」



福原さんが呟いた瞬間、砂煙の中から炎が、空に向かって噴き出した。

今度は火柱が、天高く昇っていた。


ついに試合が動き出す。



どうやら、普通の竜巻に炎が追加されたことによって上昇気流が発生したらしく、竜巻が巨大化した。

それは相手の風も巻き込んで大きくなり――



「勝者、2組ぃ!」



竜巻にビビった相手がギブアップをしたことにより、駒を一つ勧めることに成功した。



◆◆◆



「女子強すぎんだろ! 男子の活躍ゼロじゃねーか!」



戻ってきた皆を迎えた宇田川が、思いっきり突っ込んだ。



「あれは終盤まで取っておくタイプじゃねえのかあ!?」


「それができたら苦労しなかったよ。まさか相手も同じ攻撃してくるとは思わなかったから」



大声のせいか、江川さんが少し不機嫌になっていた。



「それに、今のでうちはスタミナ使い切った感があるからなあ。正直、恵利奈の援護がなかったら、押し負けてた。次の試合は、他の人に任せて、うちら二人は棒を守る側に回してもらった」


「序盤で切り札使っちゃったの!?」


「うるせえよウダ。ちゃんと策は練ってあるから」



それだけ言うと、この試合のMVP二人は、シートに寝転がってしまった。



「大丈夫なのか?」


「ああ、問題ない。次は俺達が行く!」



胸を張っていたのは、本田と、深須と、渡辺だった。

ぼちぼちアンケートを取りたいと思います。


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