表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カップ麺と呼ばれた男 ~とある能力者の成長物語~  作者: 岡部雷
楽観視しやすい人は、上のポジションにいたらまずい。 (学校襲撃編)
48/60

第47話 合ってるようで、合ってない?

1週間後。



事件が解決したらしく、厳戒態勢も解除された。

何事もなかったかのように授業が始まる。



◆◆◆



俺はクラスから総スカンされていた。

真田も伊藤も、他の男子も、遠くから気まずそうな、気の毒なものを見るような目でこっちを見ている。


声かけてよ。

ぼっちはやだ。


何より、女子の視線が痛い。

最早汚物扱いだ。



二瓶さんは、一度は再会を果たしたものの、精密検査名目で学校には来ていない。


小宮山先生は庇ってくれるものの、「先生は甘い」と言い返されてしまってシュンとしている。



ああ、また一人になるんだろうか。



◆◆◆



「なるほど、敵の策略に乗っちゃって、クラスのみんなから無視されてるのねー。可哀そうに」



昼過ぎ、部下から相談を受けた谷地はレモンティーを飲みながら呑気に返す。



――あいつだってある意味必死だったんですよ。ただ、今の俺じゃあ庇いきれなくて。大人全員が振り回された失態ではあるんですけど。


「大人に向かっては責めてないの?」


――俺は元から疑ってなかったからか、普通に接してくれてますけどね。高久先生は他学年の教諭なのに、授業が崩壊するレベルで信頼を失ってます。


「ある意味、向こうの作戦通りになってない?」


――全くです。むしろこれが狙いだったんじゃないかと思うくらいです。


「まあ、それは計画のうちじゃなかったみたいだから、ただの嬉しい誤算だと思うけどね。捕まえた二人の話はしたっけ?」


――確か、男がトオルで、女がマイカでしたよね。男の能力は《分子運動抑制》。女は、《模写》。どおりで多彩な攻撃繰り出すわけですよ。ストックの数が15って、中々ですよ?


「そうね。触れた相手の能力のコピーなんてチート技持ってる時点で、結構恵まれてると思うんだけどねえ。どうして悪い方に使っちゃったんだか。話を戻すよ? どうやら、あいつら拉致した生徒を、《譲渡》の能力者のところに連れて行くつもりだったみたい」


――は!?



電話の向こうで部下が思わず叫んでいる姿が目に浮かぶ。

それくらい、《譲渡》の能力は危険視されているのだ。



「言わなくても分かると思うけど――」


――渡した方は、死ぬ、ですよね……?



この能力は、自らを橋渡しにして、Aという能力者の持つ能力を別の人間Bに渡す能力だ。

これの恐ろしいところは、Aは死というデメリットがあるのに対して、《譲渡》の能力者も、Bもノーリスクである点だ。

その気になれば、複数の能力を、1人に持たせることもできる。

そしてその分、人が死ぬ。


《模写》とは異なるため、こうした手段で得た能力は、《複合型能力(キメラ)》と呼ぶ。


両者の違いは、《模写》は、コピーできる数には一応限りがある、とされている。

それに対し、《複合型能力》は《譲渡》の能力者さえいれば、最悪、際限なく能力の数を増やし続けることができる。



「今年の新入生の能力のリストを見たけど、あなたのクラスも含めて、かなりいいのが揃ってる。それを奪われたとすると、相当まずいことになるのは目に見えるでしょ?」


――どこの組織がそんなことを……


「それはまだ調査中だから、何とも言えない。少なくとも、軍が最初に見立てた海外の組織ではなさそう」


――身内でごたごたしてる場合じゃないですね。


「そう。だけど現状が厳しいからねえ……。私学生のとき不登校だったし」


――さらりと過去を暴露しないでください。


「どうしたものかねえ」



電話のこちらとあちらで、両者溜め息をつく。



◆◆◆



一人さびしく帰っていると、寮の入り口に二瓶さんがいた。



「あれ、もう大丈夫なの?」


「榎本、私のこと裏切り者扱いしたんだって?」



ばれてた。いや、俺が悪いんだけど。



「なんで分かったの? 上手くやったつもりなのに」


「……はい?」



二転三転しすぎたせいか、脳の処理が追い付かない。



「私が捕まったのが、わざとだって知ってたんでしょ?」



おかしな方向で理解していた。



「せっかく上手いこと相手に捕まって、もう少しでお姉に会えたのに」


「え?」



そう言えば、彼女には姉がいた。

家を飛び出して、駆け落ちしたという姉が。



「ま、今回はヤバかったみたいだし。あーあ、これで一から調べなおしだなあ」



え、なんでチラチラこっち見てくるの。



「一人じゃ大変だなー、危ないなー」


「それは一緒に調べろと言う意味でございましょうか」


「そんなこと言ってないじゃない。何、私が強要してるって言いたいの?」


「滅相もございません。協力します。させてください」



プライドなど、とうの昔に捨てた。



「そっちが頼むなら仕方ないよねー、見返りに、クラスのみんなには私から上手いこと言っておいてあげる」



見返りって言ってる時点で自爆しそうだ。



「俺は何をすればいい?」



「誰でもいいから、軍の関係者に話を聞きたいの。うちの義理の兄も、元々軍の人だから」



知り合いにいねーよ。

もう1話挟んでから、いよいよイベント編スタートです。



毎日投稿します!

面白いと思ったり、続きが気になるなぁと思ってもらえたら、ブクマ登録や評価をいただけるとモチベーションに繋がります!

ご意見、ご感想もお待ちしてます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ