表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カップ麺と呼ばれた男 ~とある能力者の成長物語~  作者: 岡部雷
トラブルは入学式の前に(序章)
4/60

第4話 ややこしい問題は、まずは当人同士の話し合いから始めよう。

「……ごめんなさい」


「あれだろ、さっきの男子追いかけてきたんだよね?」


「……うん」


「悪いことは言わない。まず、相手の顔見よう?」


「……すみません」



画だけ見れば、「男子が女子を自分の家の玄関で正座させている」。


人によっては、

「女性に対して差別的!」

なんて意見も出てきそうだけど。ここは言わせてほしい。



こっちは死にかけたんだよ。



「部屋番号、分かってる? ちなみにここ、201号室。OK?」


「……はい。ねえ、足痺れてきたんだけど……」


「うんうん。辛いよね。でもこっちは息できなかったんだよ?」



涙目になっている。

でもここで容赦してはいけない。



「ちょっと待ってろ」



俺は、彼女を残して上の階に向かう。



「あー……」



301号室が、彼女の目的の人物の部屋だった。ご丁寧に玄関に名前を掲げている。

チャイムを鳴らすと、まだ制服のまま、部屋の主、伊藤光太郎が出てきた。



「あれ、どうした?」



「桐山が俺の部屋に来た。なんかおまえの部屋と勘違いしたらしい。悪いけど来てもらってもいいか?」



俺の表情を見て、伊藤は気の毒そうな表情を浮かべた。



◆◆◆



「あ、いた! ちょっとあんた! なんでこの部屋に―――いったぁ!」



階下に戻ると、玄関で正座していた彼女、桐山は姿を見るなり立ち上がる。

が、一気に痺れが来たらしく、生まれたての小鹿のようになった。



「くううぅ!」



涙目になりながら睨み付ける彼女を見て、伊藤が俺に耳打ちする。



「何やったの?」


「俺の部屋に来て、いきなり能力で顔周りを覆われた。危うく入学初日で死ぬとこだったよ。反省の意味も込めて、正座してもらった」


「やり過ぎじゃない?」


「10分もさせてない。俺の受けた被害を考えれば、安いもんだ」


「――ちょっと、何コソコソ喋ってんの!?」



伊藤がいるせいか、桐山の態度が再び大きくなる。



「ここじゃ近所迷惑だ。中に入って話し合いしてもらおうか」



俺は二人を強引になかに引きずり込む。



◆◆◆



「どうぞ」


俺は冷たい麦茶を二人の前に置く。

当たり前のマナーだ。



「さ、ここでとことん話し合ってもらおうじゃないの。明日もこんなことが起こってちゃ、安心して眠れやしない。あ、俺のことは気にしなくていい。いないものだと思って」



ちなみに俺は帰り際にコンビニ(一応学校の敷地内に建っている)で買った弁当を食べている。


先に動いたのは、伊藤だった。



「……あの、すみませんでした」


「何が?」


「その……体にさわ――」


「ストップ」



俺は彼の謝罪を止める。

途端に桐山が



「え? 今気にしなくていいって――」


「うん、ちょっと黙ろうか。桐山だっけ? あんたさ、手に持ってるレコーダーは何?」



こっそり録音していたのを、見逃すわけにはいかない。



「これは――」


「まさかさ、音声編集して冤罪作るつもりじゃないよね?」


「そんなつもりない!」


「じゃあ、とりあえずこれは俺が預かる。文句はないな?」



渋々ながらも、桐山はおとなしく手渡す。



「さ、続きをどうぞ」



あ、このベーコン美味しい。



「いや、ぶつかったときに、もし変なとこに触ったなら、悪か……すみませんでした」



伊藤が頭を下げる。

まだ会って一日も経っていないが、素直な謝り方のできる奴だ。



「いや……そっちがそのつもりなら……許さないでもないけど」



俺の存在があるせいか、桐山もしおらしくなっている。



「ぶつかったのはあたしのせいでもあるし――、こっちも、悪かった」



えらく早急に解決しそうだ。いいぞいいぞ。



「よし、なんか食ってけ」



俺はタイミングを見計らって台所に向かう。



「え、でももう時間が――」



「心配しなくても大丈夫だろ。どうせ桐山だって寮はここだろ?」



伊藤の疑問に、俺は難なく答える。



「俺が部屋に入れって言ったときに、門限を理由に逃げることができたはずだ。入学でいきなり門限破ったらそれこそ問題だ。寮の建物から出なければ問題はないから、俺の言ったことに抵抗しなかったんだろ?」



ただそうなると、なぜ部屋を間違えたのかが疑問として残る。



「だ、だって入り口に名札があったから!」


「名札?」


「下のところに、各部屋の番号と、名前書けるスペースあるじゃん! そこの201にこいつの名前があったから!」



伊藤の方を見ると、目をそらした。

心当たりがあるらしい。



「……今日中に直しとけ」



俺はガスコンロに火をつけた。

本日はここまでです。

明日(厳密には今日)の夜、また投稿します!



面白いと思ったり、気になるなぁと思ってもらえたら、ブクマ登録よろしくお願いします!


ご意見、ご感想もお待ちしてます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ