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カップ麺と呼ばれた男 ~とある能力者の成長物語~  作者: 岡部雷
楽観視しやすい人は、上のポジションにいたらまずい。 (学校襲撃編)
34/60

第33話 ギャグとシリアスが半々の作品のジャンルは果たしてどちらか?

意外に思われるかもしれないが、この学校は、テストは期末だけである。

なので、5月に体育祭をやるという無茶が可能なのだ。


そんなある日。



「襲撃テロ?」


「ああ」



体育祭で《もっとも評判の悪い》競技の練習中、真田がそんなことを言い出した。

俺たちが入学する少し前から、学校ばかりを狙ったテロリストがいるのは聞いていた。

4月辺りは鳴りを潜めていたが、ここ数日になって再び活発に動き出したらしい。



「昨日、ついにある学校の敷地内で被害者が出たらしいんだよ」


「警備員は?」


「見事に鎮圧されたらしい。今、警察と軍が警備体制の見直しをやってるって」



そうでもしなければなるまい。

以前に小宮山先生の言ったことが事実なら、テロリストにとってもここは宝庫だ。

脅迫なり拉致なりして、戦力にできれば大儲けである。



「んで、なんでその話を俺にする?」


「いや、おまえの能力って、時間制限なかったら結構役立つだろうな、と思ってさ」


「まぁなぁ」



快晴な空の下、俺は自分の能力を改めて考えてみる。

俺の能力、《バリア》は、表面は硬さを自由に変えられるし、結構な衝撃を受けても、中にいる分には問題ない。


ただし、真田の言うように、一度の発動で連続して使えるのは3~5分。

しかも、俺と、身に着けている服以外は生物無生物を問わず、バリアの外にはじき出してしまう。


意外と不便だ。



「でも、おまえのバリアって、先生クラスの能力者の攻撃もガードできるんだろ?」


「それは否定しないけど、どう考えても時間制限があるこっちの方が不利だって。相手が長期戦仕掛けて来たら、逃げるしかない」



花田先生の授業のおかげで、次の発動までの時間は大幅に短縮できたものの、使い勝手の悪さは多い。



「試しにさ、10秒だけ発動したら、そんなに体力使わないから、連続して行けるんじゃないかって思ったけど――」


「ダメだったのか?」


「ああ。なんかわかんないけど、俺の能力って、一度の発動で、1回分に必要なエネルギー全部使うみたいなんだよ。だから、解除して余った時間分は損」


「めんどいな……」


「男子、何無駄話してるの?」



動きが止まっていたのを、二瓶さんに見とがめられた。



「なあ、優香。おまえ今襲われたら、自分の能力でどうやって反撃する?」



真田が急に問うたが、彼女は迷う様子もなく、



「捻じ曲げる」



と答えた。



「でも、それやったら相手死なないか?」


「手加減くらいできるわ! それに、さっき先生たちが話してるの聞いたけど、今日の夕方から、全国の学校の警備が強化されるんだって。心配しなくても大丈夫でしょ」



そんなことを言っていると、実際に来そうだ。



「あれ、秋山は?」


「……猫の制御がうまくいかなくて、練習してる。それにしてもさ、体育祭なのにレースが多すぎない? 別に実戦形式があってもいいと思うんだけど」



俺たちの出る最も評判の悪い競技、それは《障害物競走》である。

なぜこれが最も評判が悪いの言われるのか。理由は主に2個ある。



「当日まで内容が非公表って、他の競技と比べておかしくない? おかげでどう練習したらいいか分からないから、周りからはサボってるみたいに思われるし」



障害物が分かってしまうと、それに合わせた能力者をクラスで選抜するので、内容が当日まで不明なのだ。先輩たちの話によると、コースは毎年変わるらしい。



「借り物だってあるし、クラスでメドレーのリレーやるんだから、わざわざ競走なんて別枠作らなくてもいいのに」



この体育祭には様々な人間が訪れる。これも同じく先輩たちの話だが、将来への品定めの意味もあるらしい。

そんな中、他の競技と比べても、障害物競走はポイントが低い。

なぜなら、他の競技が能力の方向性が決まっている中、障害物競走だけは、何の能力が必要なのか、当日まで不明なためだ。


ちなみに、借り物競争に出場する福原さんの場合、お題が無生物なので、自身の《物質生成》で作り上げられる。彼女にぴったりの競技である。

じゃあ、浜田はと言うと、単純に棒倒しに出れなくて、障害物競走が嫌で、残った男子でジャンケンして勝ったからだ。



「まあ、掘り出し物を見に来てくれる人だっているだろうしさ?」


「真田はいいだろうけど、うちはお父様の目もあるし」



聞けば、二瓶さんの家は軍人の家系なのだそうだ。

彼女は一人娘らしく、親の期待を一身に背負っている。

今の時代、女だって軍にいるのだ。

彼女は軍に入ることを目標に、今まで生活してきたらしい。



「ギャラリーの少ないのを選んだってバレたら、なんて言われるかな」



遠い目をしている。お父さんそんなに怖いのか。





俺たちが今している《練習》は、あらゆる状態を想定して、いかに迅速な対応を、()()でできるかをシミュレーションするという、何とも地味なものだった。




※チート野郎が仕事をしないせいです。



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