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カップ麺と呼ばれた男 ~とある能力者の成長物語~  作者: 岡部雷
運動がうまい人は、この競技でほとんど動かない。
24/60

第23話 頭数を揃えればよいというものでもない。

前のところで誤りがあったので書き直します。

すみません……

体育館の後片付けが終わると、小宮山先生が飲み物を配っていた。

炭酸が苦手な俺は、無難にオレンジジュースをもらう。



「まさか《伝達操作》をずっと張ってたとは思わなかったなー。それで俺らの動きが見えなくてもバレたと。一本取られた。つか真田、もしかして今回能力使ってなくね?」



《伝達操作》とは、簡単に言えば体の乗っ取りである。相手の運動神経に介入し、動きを封じたり、自分が思うように動かす能力だ。

しかしこれの前段階として、神経に入っているので相手の動きが読めるのだ。今回はそこを突かれたらしい。



「まーそうだけどな。そう落ち込むなよ。優哉たちだって結構いいとこまで行ったじゃん」



慰められても、悔しいものは悔しい。



「つーか、一番ノリノリだったな、おまえ」



「うるせー」



テンションが上がったっていいじゃないか。



◆◆◆



とある山奥。その一ヶ所にて、煙が上がっているエリアがある。


1人の女性がその中を歩いている。目的のものを見つけると、彼女は駆け寄った。



「どうでした?」



「どーもこーもないよ今日華ちゃん。数撃ちゃ当たるっていうけどさ、あれはひどいって。リアルすぎる玉砕覚悟じゃない」



そう語る人物の足元には、数百人に及ぶ人間が倒れている。



「……殺してませんよね?」



「それくらいのさじ加減は問題ないって。大丈夫、みんな気絶しただけだから」



「これ、相当な戦力つぎ込んでますよ。どれだけ構想練ったんでしょうね」



倒れているのは、単純な戦力ではない。国ひとつ落とせるレベルだ。



「言うても、君が本気を出せば蹂躙できるじゃないの」



「それは否定しませんけど、この先、この人たち軍でやっていけるんですかね? 数日は日本の防衛力はガタガタになるでしょうし」



「その件でさっき鶴宮さんから電話が来てさー、戦力の補充に時間がかかりそうだから、その間私が代わりにやれってさ」



「冗談でしょ!?」



「どっこいマジだ。なんでも、今年の学生たちは結構即戦力になりそうだから、使い物にならない世代を一掃したかったんだって」



涼しい顔をしているが、言っていることはかなり人道から外れている。



「……立案は鶴宮さんじゃないですよね?」



「あの人はああ見えて、割り切るの苦手だからねえ。違う人らしいよ」



今日華がほっと息をつく。



「あ、そう言えば、社長に言われた生徒、調べておきましたよ。なんか使い勝手が悪そうな能力ですね」



ある人物のプロフィールを、彼女は鞄から引っ張り出す。



「どうしてこの子を?」



「それはね、この子が人類の悲願のカギを握っているからさぁ!!!!!!!!!!」



オーバーなリアクションはいつものことだ。

今日華は今度はため息をついた。



◆◆◆



「小宮山先生、休日出勤ご苦労様です」



「なんですか、花田先生。何か嫌味でも?」



「いいえ。優秀な生徒をお持ちのようで、羨ましいんですよ」



「今度の体育祭は楽しみですね。今年の5年生は特に成績がいいらしいので、お互いに頑張りましょう」



「申し訳ありませんが、そちらの取り分はありませんよ?」



「はい?」



「実は今日、異例の事態が起こりまして、集団退職によって、我々の戦力は大幅に低下しています。これは国の存続に関わる事態ですので、全国から新人を急きょ募集することになったんですよ」



その言葉の意味を察した小宮山は、目を見開いた。



「まさか、そのためにあの会社に喧嘩売ったのか?」



「いいえ。あくまでこれは事故ですから」



花田は薄笑いを浮かべながら、その場を辞す。


目的を見抜けなかった己の愚かさを呪いながら、小宮山は地団太を踏んだ。


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