表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カップ麺と呼ばれた男 ~とある能力者の成長物語~  作者: 岡部雷
緩いところと締めるところ。
18/60

第17話 学校あるある―① 自分ではそう思っていても、学校違うと意外と共感してもらえない。

「あっついな~……」



山道を登りながら、空を見上げると、雲ひとつない快晴の中、太陽が輝いている。

後ろを歩く西山が声をかけてきた。



「榎本、水着は持ってきた? うちは元々持ってたけど」



「一応。急に言われたから購買で慌てて買ってきた」



買ってきたとは言ったが、実質は貰ったが正しい。


この学校は全てが税金で作られており、学校に関するものは、ほぼ全ても支給の対象だ。

学生証は端末が配られており、生徒や教師との連絡にも用いられる。

変な話、生活必需品や教材についてのみ言えば、タダだ。


逆に言えば、私服やゲームなんかは自腹だ。端末にはあらかじめ入っているもの以外のアプリをダウンロードできないし、学校の敷地内には普段着を販売している場所はない。

しかも、長期休業以外は、生徒は学校の敷地から出ることは原則許されていない。


娯楽施設もないので、ゲーセンなんて未知の領域である。



「つーか、山奥の川って。なんでプールじゃダメなの?」



「さあ……?」



さらに歩き続けること10分。ようやく目的地が見えてきた。



◆◆◆



「はい、じゃあそのまま川に入ってねー。今日はそのまま3時間能力を使ってください。陸に上がってはダメですよ~」



着いて早々、花田先生はとんでもないことを言い出した。



「え、着替えないんですか?」



「着替える場所あると思ってる?」



質問した自分がバカだった。

確かに、周りには小屋すらない。



「いいですか? 範囲型の能力は、直結型の能力よりも扱いが難しいです。なので、基礎体力はしっかりと鍛えなければなりません。ほらほら、川の水は冷たいですよ~」



隣のクラスの男子、鈴原(すずはら)が何かに気付いたようだった。



「まさか、プールじゃなくて川にしたのって、俺たちの体温を下げるためですか!?」



「せいかーい。さすが私の生徒」



全員がゾッとした。

これにはきちんとした理由がある。



この世界の能力者は、自然に生まれたものではない。

全員が、人体改造のための薬物を投与されているのだ。


この薬は、人が普段の生活を送るために必要なエネルギーを、全体の7割で済ませられるようにするものだ。

じゃあ、残りの3割は?


それこそが、異能力のエネルギーの根幹である。


早い話、人間を省エネ化して、余剰した分を使って能力開発をしているのだ。



「でも、そんなことしたら能力使えなくなりますよ!」



鈴原が叫ぶ。


無理もない。

普段ならまだしも、常に体温を奪われる状況は、誰にとっても良くない事態だ。

能力者も例外ではない。


そしてなによりも。

異能力に割けるエネルギーには限界がある。それがさっきの3割だ。

つまり、体力がそれを下回れば、能力者はただの人間に成り下がる。


人体の基本として《異能力<生命維持》の式は確立されており、重傷を負った能力者は、普通の怪我人と変わらない。


よくある「命を削って能力を底上げする」という方法が取れないのだ。


怪我や病気を患っていると、能力が使えなくなる。暴走とか、制御できないではなく、使えない。



「だからよ」



花田先生のトーンが変わった。



「コンディションなんていつ変わるか分からない。だからこそ、この常に体温を奪われる状況で、どれだけ能力が使えるか。今の自分をしっかりと見極めなさい」



みんなの顔が真っ青になっていく。



「すみません。川の中で能力使っていいんですよね?」



「そうだよ?」



俺はこの訓練を受けられない。



「あの、言いづらいんですけど……俺の《バリア》、水に浮くんですけど……」



「じゃあ、体温が下がるまで能力は使わないで。わたしが支持したら使ってもいい」



何人かが、「ざまあ」と言いたげな顔をしていた。

しばらくお昼のみ投稿になりそうです……。



毎日投稿します!

面白いと思ったり、続きが気になるなぁと思ってもらえたら、ブクマ登録や評価をいただけるとモチベーションに繋がります!

ご意見、ご感想もお待ちしてます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ