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番外編 何も知らない子どもは、結構怖いことをする

[榎本優哉の場合]



「おお?」



右手が、見えないボールに包まれたような感覚。目には見えないのに、球体のイメージがはっきりと脳内に流れ込んでくる。


試しに沸かしたての風呂の中に突っ込んでみる。


……熱くない!



「面白いなあ!」



数分後、家の中に絶叫が響き渡る。



※彼の能力は最長で五分しか持ちません。



◆◆◆



[伊藤光太郎の場合]



「へえ、おまえ念動力なのか、いーなー」



友人の能力を見ながらそんなことを言う。



「今実験してんだ。携帯をどこまで運べるか。今ちょうど川の上あたりで――」



「あッ」



転んだ拍子に、触れしまう。



「……なんか、今繋がってた感覚が一瞬にして切れたんだけど。まさかおまえ――」



携帯は行方不明となり、伊藤はこの後その友人から絶縁される。



◆◆◆



[真田太一の場合]



case1 視覚


「目が、目があああああああっ!!!!!!!!!!!」



case2 聴覚


「うるせえええええええええええええええっ!!!!!!!!!!!!」



case3 触覚


「何が滑らかだよザラザラじゃねえか!!!!!!!!!」



case4 嗅覚


「臭ええええええええええええ鼻もげるうううううううううううう!!!!!!!!!!!!」



case5 味覚


「このお吸い物しょっぱいって言ったら、塩分はワカメだけだった……」



◆◆◆



[西山美咲の場合]



「いや、人にぶつからなかったら良かったけどね? 建物にぶつかってヒビ入っちゃったよ。せっかく建てたばかりの家だよ?



「分かるよ? 能力使いたい気持ちも。でもね、本当にそれ危ない奴だから。マジで



「どうやってこれ直すと思う?



「……お父さんのお金だよ!」



「ごめんなさい、パパ……」



◆◆◆



[桐山茜の場合]



「ただいまー!」



「お帰りー、うん? なんか変な臭いしない? あ、まさかあんた、またママとの約束破って」



幼い子どもは首をブンブンと振って



「『げすいどー』の水はつかってないよ?」



「じゃあ、何使ったの?」



「いつもより軽いお水。おじいちゃんがね、『これはふつうとは違うお水なんだ』って、草刈り機に入れてた」



「……それ、どうしたの?」



「え、いつもみたいに、お庭のお花さんにあげた」



しばらく、能力の使用を禁止された。


※この手の燃料は、水より軽いものもあります。

人間、失敗しないことなんてほぼほぼないですよね!



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