第10話 理想のプランは計画的に
先生に喧嘩売ったけど、なんだかハメられたっぽい。
「なあ、西山、今からでも先生に謝った方がいいんじゃない? まだ取り消せるよ?」
「え? で、でももう後にはひひ引けないし」
売った張本人が全身ガッタガタに震えてんじゃねーか。
「ね、ねえあんた花田先生と審判やるんでしょ? だったらそれで勝利判定を」
「俺はあくまで協力するだけだ。まだ何をやるか聞いてないし、そもそもフェアな勝負かどうか」
クラスのテンションが一気に下がる。
「おーい、きみたち」
明るい声が教室に響く。
「話は聞いてるだろうから説明はしないけど、入学して間もないから、ハンデとして考える時間をあげる。午後は自習になるようにしといたから。ちなみに、勝負は障害物レースみたいなもの、とだけ言っておこう。そうだ、一応退学願、書いといてね?」
花田先生の心配りだろうか。
◆◆◆
「ではこれより作戦会議を行う。アイディアがある人はどんどん手を上げてくれ」
真田が教壇に立つ。
すぐさま、何人かの手が上がった。
「はい、佐藤」
「思ったんだけど、普通のレースじゃなくて、障害物レースってのが気になる。多分それだと、美咲に有利すぎるからじゃない?」
「確かに、一直線に進むだけの競技だったら、加速の能力者の本領発揮な部分があるからな……」
その意見に、全員が頷く。
西山もその点は気にしていたようで、
「障害物があると、避けるのに結構減速するからなあ。でも、ハードルくらいだったら全部飛び越えていくけど」
さすが総合評価Aは言うことが違う。
だが、桐山は少しが考えが違うようで、
「でも、ルールを決める人がもし向こう側だったら、向こうにもっと有利な競技にしない? 例えば、重いものを飛ばすとか」
桐山の意見ももっともだ。
そう考えると、まだフェアに扱ってくれている?
「そうすると、花田先生がどちらについているかについては、今回はあんまり考えない方がいいかもしれないな。もっと別の方面の意見は?」
会議は続く。
◆◆◆
「う~ん……」
あれから放課後近くまで粘ったが、ついに具体的な対策を立てる子は叶わなかった。
ただのレースなら問題ない。一番の問題は、花田先生の言う《障害物》が何か、だ。
それが分かれば、もう少し楽なのだが。
「最悪、小宮山の能力で障害物ぶっ飛ばしてゴールとかされたら洒落にならねえしな」
誰が言ったか、その一言で会議は凍りついてしまったのだ。
「これ、勝ち目あるのかな……?」
「さーて、そろそろ時間だよ~」
さっきまでは天使に見えたのに、今は全くそう見えない。
「西山さん。約束のものは用意してくれた?」
先生が手を出すと、その上に「退学願」と書かれた白い封筒が乗る。
「まあ、所詮子供の考えることだからね。さて、その浅知恵がどこまで大人の世界で通用するか。しっかり見ておきなさい? じゃあ、榎本くん。一緒に来て。他の人は、全員西山さんと一緒に昇降口へ」
◆◆◆
クラスから離された俺は、先生の後ろを付いていく。
「あの、二人の言ったこと、本当にやるんですか?」
「当たり前でしょう? だから二人にそれぞれ退職願と退学願を書いてもらったんだから」
先生はファイルから二つの封筒を取り出す。
「で、俺は何をすればいいんですか? そもそも何で決着付けるんですか?」
振り返った先生は、意外な役目を口にした。
「え? じゃあこの対決って――」
言いかけた俺を遮って、
「――で、二人の勝負の内容は」
嫌な予感をさせる。そんなあくどい笑み。
「立体ビーチフラッグ」
なんじゃそれ。
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