表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カップ麺と呼ばれた男 ~とある能力者の成長物語~  作者: 岡部雷
トラブルは入学式の前に(序章)
1/60

第1話 入学式に遅れてくる奴は、一人とは限らない。

カップ麺。



それが、俺のあだ名だ。



理由は、


「おめーの能力、制限時間が3~5分ってカップ麺かよ!?」


と、クラスの人間に指摘されたからだ。



ほっとけ。



どう頑張っても、これを覆す方法はない。



人体改造によって、能力者が存在するようになった世界。

そこで俺が持った能力は。



あまりにも、中途半端だった。




◆◆◆




「はい、全員席につけー」



チャイムも鳴っていないのに、担任が教壇に立つ。



「今日から君らは、ここ、〈特別能力者学校〉の生徒だ! いままでの世界とは違うから、気を引き締めろ! 俺が担任の渡辺(わたなべ)だ!」



チョークでいきなり、黒板に名前を殴り書きした。

あの黒板特有の嫌な音に、何人かが耳を塞ぐ。

暑苦しいおっさん教師だった。隣のクラスは、若い美人らしい。入学早々、ツイてない。

ここでようやくチャイムが鳴り、外にいた他のクラスの生徒も教室に入る。



「って、おい!」



渡辺が叫ぶ。いちいちうるさい。



「もう時間だってのに、まだ来てない奴がいるのか!?」



俺は隣を見る。ずっと空席だった。

そしてもう一つ、まだ生徒が座っていない席があった。



「二人も来てないの?」

「やばくね?」

「なんかこのクラスやだー」



この学校には、県内の能力者のおよそ10分の1集められている。

能力者は毎年、決まった人数が入学するわけではない。


今年は多い方らしく、俺の通う学校では8クラス、約160人もいるそうだ。

1クラスの人数が少ないのは、それ以上増えると先生が大変だかららしい。



ほとんどが見知らぬ者同士。

それを一致させるのが、いまだ姿を現さない二人となると、この先が心配になる。



そのとき。



「ねえ、なんか聞こえない?」



前に座る女子が話しかけてきた。



「ん……?」



耳を澄ませると、誰もいないはずの廊下から、誰かの走る音がする。

入学早々に遅刻してきた生徒だろうか。




ズバァンッ!!!!




ドアが開くと、息と制服を乱した男子生徒が駆け込んできた。



「遅れましたぁ!」



それだけ息切れしてて、よくそんな声が出るな、と思う。

渡辺はイライラを隠すことなく、彼の方に向かう。



「遅れました、じゃないだろ~~? 何やってんだ初日から!」



出席簿で手のひらをパンパン叩く。あれ、教鞭のつもりか?



「いや、すみませんでし―――」


「うるせえ! 帰れ! 遅刻するような奴はいらん!」



いきなり出席簿で頭を叩く。



「わ、いきなり叩いた!」

「俺やだよあの先生……」



声を殺しながら、クラスの全員がヒソヒソとしている。



「これ……問題じゃないのかな?」

「多分、いいんでしょ。俺らみたいな能力者は、多少雑に扱ってもいいみたいな風潮あるじゃん?」



前の女子が怯えている。きっと差別のない、優しい人に囲まれて育ったのだろう。



渡辺と男子生徒の攻防は、まだ続いていた。



「帰れっつってんだろ! いつまでいるんだ!」


「いや、理由が――」



そこへ。

今度は別の音が聞こえてきた。

人が走る音ではない。もっと大きな音。



その正体が分かった瞬間、俺は机の()に避難した。




「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」」」




クラスの全員が、今度こそ悲鳴を上げる。





そりゃ、いきなり()()()()()()()()()()()()()()()()()()、誰だって焦るだろう。





一瞬にして、教室の中が水浸しになった。


幸い、予想より、水の量は多くない。水位はふくらはぎくらい。だが、数名は判断が遅れたせいで、靴下が災難な状態になっている。

最も近くにいた渡辺と男子生徒は、ベランダ側まで流されていた。

渡辺は転んだ表紙に頭を打って気絶した。何人かが「ざまあ見ろ」と言いたげな顔をしていた。




「はぁ、はぁ、……んっ、やっと見つけた!」




入り口に立つのは、ずぶ濡れの女子。

ブレザーがあってよかった。

彼女は教室を見回し、さっきの男子生徒を見つけると、シャバジャバと歩み寄る。






「あんた! あたしと勝負しなさい!」





これが、俺、榎本(えのもと)優哉(ゆうや)と、伊藤(いとう)光太郎(こうたろう)、そして彼女、桐山(きりやま)(あかね)とのファーストコンタクトだった。

明日も投稿します!


面白いと思ったり、気になるなぁと思ってもらえたら、ブクマ登録よろしくお願いします!


ご意見、ご感想もお待ちしてます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ