代償
引越の準備をしていたら急に体が動かない
ただ、
しばらく使っていなかった食器棚を開けただけ
だんだん だんだん 悲しくなって
ぽろぽろ ぽろぽろ 涙がおちる
心があの日に戻っていく
忘れるな
忘れるな
あの日の思いを忘れるな
信じていいの?
いや、信じられるわけない。
過ぎたこと?
その言葉を言うのはあなたではない。
もう、終わったこと?
いや、まだ許せてない
私だけが逃げることは簡単だけど
それじゃあの子はどうなるの?
許しちゃいけない
忘れちゃいけない
憎しみに捕らわれるのは違うけれど
まだ、許せてない
あの日の心は、いつも常に泣いている
想いをどこにもぶつけられずに途方に暮れて叫んでいる
どうして?
何が悪かったの?
どうしたら良かったの?
まだ、忘れちゃいけない
あの日の覚悟も悲しみも、まだ、許す時じゃない
あなたは、もっと苦しんで。
私の心が癒えるまで。
あなたは、もっと苦しんで。
身勝手な行為の代償だから。
もっと、もっと、
強くなってくれなきゃ同じ事を繰り返す
あなたの弱さは誰のせいでもない。