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タマシイ×ハンター  作者: 蛍火千歌
1/9

崩壊

正義とは何か?たまに心のなかでそう呟いてしまう。世のため人のために働くのが正しい事なのか、曲がったことを嫌い、間違いを罰するのが良いことなのか。

大半の人はそれをできる人を、よい人と言うであろう。しかし、どれだけ周りから良くいわれても、全員を納得させれる人はそう多くない。なかには反感を買うときもある。だから人はいつの時代でも争うのだ。口では世界の平和を願うようなことがあっても内心は何を考えているのか分からない。人は単純であり、複雑なんだ。


「ねぇ」


どこからか声が聞こえる。でも自分には関係ない。


「ねぇ?聞いてるの…ねぇってば!」


うるさいな、声が聞こえているなら早く返事しろよ。


「いい加減にしなさい!!」


その怒声と同時に頭に痛みが走る。クラス名簿か何かで頭を叩かれたような痛みだ。顔をあげ、声のした方向に目線をあげた。予想した通り、俺の目に写ったのはクラス名簿を持って凄く怒った顔をしたクラス委員長だった。


「君ねぇー、人が話しかけているのに無視するとはどういう了見かしら!?」


「だからといっていきなり人の頭を叩くか普通。」


俺は当然の返事をした、無視をしたのは悪かったがだからといって叩かれる覚えもない。だが彼女の答えはこうだ。


「叩かれたくなければ叩かれないようにいつもシャキッとしてなさい、ただでさえあなたいつもだらけているのに。」


そうやって母親のように説教をしてくるこのクラス委員長の彼女は佐倉希美(さくら のぞみ)といい、クラス1の大真面目で曲がったことを嫌う人だ。しかし、その真っ直ぐさとがんばり屋なところがクラスの人たちから人望を集めている。


「ほらまたボーとしてる。」


しまった、また呆然としていた。今度は彼女も怒りを通り越して少し、呆れているようだ。


「ねぇさっきからあなた、ずっとぼんやりしてるけど大丈夫?


「ごめん、大丈夫。少し考え事してたんだ。」


「それならいいけど…あ、そうだこれ。」


そう言って、委員長は俺に用紙を渡してきた。渡してきた用紙の内容は進路に向けての事についてだった。もう俺も3年生の6月、ほとんどのみんなが進路を決めてるなか、俺だけが唯一、進路を決めれてないとこの前、委員長に怒られたばかりだった。


「もう、クラスで出してないのあなただけよ。締切今日の放課後までだから早く持ってきてよね。」


「ハイハイ」


俺がそう答えると、ハイは1回でいいと、怒って彼女はどこかへ行ってしまった。もうすぐ朝のホームルームが始まる。進路についての調査用の用紙も今日の放課後までに出さなくてはいけない。


でも多分、俺が進路の用紙を出すことはないだろう。

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