表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/78

第51話 救世主を育て上げろ

 『蛇』が神界で暴れていた時。『蛇』と戦い『蛇』を下界に追いやったエルがいた。

 それが、神界の頂点に立つ創造神の下僕であったエルだ。

 そのエルは神界の神々に匹敵する力を持ち、人の言葉を理解して話すほどの高い知能を持っていたらしい。

 現在はその身を卵にまで退化させて、神界で長い眠りについているという。

「創造神様に頼んでエルを借りて、『蛇』と戦って再び『蛇』を封印してもらう。こうなったらそれしか方法はねぇだろ」

 それしか……って、随分と力押しな考えだね。アラキエル。

 そのエルの力を借りるのはいいけど……そのエルは創造神様の下僕なんでしょ? 貸してほしいって言ってあっさり借りられるようなものなの?

 それに、今は卵の状態だっていうし……力を借りる以前の問題だと思うんだけど。

 僕がそう尋ねると、大丈夫だとアラキエルは言った。

「創造神様も、『蛇』のことには頭を悩ませてたんだ。『蛇』の問題を解決するためって言えば協力して下さるはずさ」

 彼女は僕の肩に手を置いて、目をまっすぐに見つめた。

「卵は俺が何とかして借りてくる。お前はそれをメネと協力して孵してくれ。『蛇』が復活する前に、エルを一人前の状態に育て上げるんだ」

 僕たちが……育てる。この世界と神界を救う力を持ったエルを。

 責任重大だ。

 喉を鳴らす僕に、アラキエルは笑いかけた。

「これだけの牧場を作り上げて多くのエルを育てたお前なら必ずできる。頼んだぜ」


 アラキエルが神界に帰った後、何処かに行っていたメネが戻ってきた。

「ラファニエルが神界にいないの。何処に行っちゃったんだろう?」

「メネ」

 僕はメネを呼んで、アラキエルと話したことを伝えた。

 邪神に対抗できるたったひとつの手段、創造神のエルを僕たちの手で育て上げなければならないこと。

 メネは真面目な面持ちで頷いて、右手をこちらに向けて差し出してきた。

 僕はそれに、指先で触れた。

「メネとキラなら必ずできるよ。頑張ろう、この世界を救うために!」

「うん」

 僕たちならきっとエルを立派に育て上げられる。今までも、多くのエルたちを立派な大人に育ててきたんだから。

 アラキエルは期待してくれている。その思いに応えるためにも、できることを全力でやらなくちゃ。

「そうと決まったら、畑に行こう。神果が実ってるはずだから、収穫しなくちゃ」

「そうだね」

 僕はメネと共に畑に向かった。

 必ず、託されたエルを立派な大人に育て上げてみせる。

 そう心に誓って、彼女と肩を並べて仕事に向き合ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ