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第45話 蘇る世界

 朝。目覚めた僕が真っ先に目にしたのは、窓の外に広がる青く澄み渡った空だった。

 今まで赤かったのが急に青くなってたものだから、びっくりして思わず跳ね起きちゃったよ。

 ぴかぴかに輝いた太陽に、漂う白い雲。

 それは、僕が元の世界で見ていたものと同じ、普通の空の姿だった。

「メネ! 空が!」

「おはよう、キラ」

 メネは鼻歌を歌いながら、テーブルに朝食を並べていた。

「空が元に戻ったね。この分なら、地上も大分復活してるんじゃないかな?」

 窓からは庭と牧場しか見えないから、牧場の外にある世界がどうなっているのかは此処からでは分からない。

 前に見た時は罅割れた荒地が何処までも続いているだけだったけど、今はどうなっているんだろう。

 見に行っておいでよ、と彼女が言うので、僕は朝食が済んだら外の世界を見に行くことにした。


 レッドに乗って大空を舞う。

 眼下に広がるのは、相変わらず何もない大地だ。しかし間近に寄って見ると、確かにこの世界が蘇ってきてるんだという証拠を見ることができた。

 地面に、草が芽吹いていた。名前もない雑草ではあるが、小さな命たちは、この荒廃した世界を覆い尽くさんという勢いで力強く生えていた。

 木も生えている。まだ小さな苗木ではあるが、ぽつぽつとあちこちから太陽の光を求めて背を伸ばしていた。

 この様子なら、そう遠くない未来に此処は緑豊かな土地になるだろう。

 川を見つけた。

 小さな川ではあるが、緩やかに流れる水は大地の渇きを癒していた。

 何処からか水を求めて集まってきた動物たちが、水浴びをしている。

 此処にも、一生懸命に生きている命がある。

 それを僕たちが守っているんだと思うと、改めて身が引き締まる思いになった。

 山で暮らす人々にも会いに行った。

 自然が蘇ってきたことを、彼らはとても喜んでいた。

 暮らしも少しずつ良くなってきたようで、入れ物に貯めた綺麗な水を嬉しそうに見せてくれた。

 食糧は相変わらず狩りをして調達しているようだが、もう少し土の状態が良くなったら畑を作るつもりだと言っていた。

 彼らも、まだまだ生きることを諦めていない。

 何だか力を貰った気分になりながら、僕は牧場に帰還した。

 畑仕事をして、エルたちの世話をして。

 空が復活して太陽の光が地上を照らすようになったので、仕事の合間に寛げるように庭の木にハンモックを吊るした。

 此処でエルの赤ちゃんたちと遊びながら過ごすのもいいなって思う。

 仕事は大事だけど、時々は息抜きをするのも大事だからね。

「キラ、卵が動いたよー」

「うん。今行くよ」

 さあ、また新しいエルが生まれる。

 増えていく僕たちの家族を、温かく迎えてあげなくちゃ。

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