表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/78

第30話 ふたつめの灯火

 僕が卵の元に行ってから二十分ほどで、新たなエルは誕生した。

 狼とライオンを足して二で割ったような姿をしており、燃えるように真っ赤な色の毛並みをしている。

 指南書によると、これはフレイムイートという種類のエルらしい。

 名前は、すぐに決まった。ライオンみたいに強い子に育ってほしいという願いを込めて、レオンという名前を付けた。

 レオンは卵の殻を頭に乗せたまま、周囲をきょろきょろと見回している。

 僕は早速レオンを抱き上げた。

「これから宜しくね、レオン」

 レオンは僕と目を合わせて、にぃと子猫みたいな声で鳴いた。

 早速牧場に連れて行こう。同じ火のエル同士、レッドと仲良くなれればいいけど。

 僕はレオンを連れて火の牧場に向かった。


 砂地の上に、ちらちらと赤い蛍のような光が飛んでいる。

 これは……火の精霊か。随分生まれたんだな。

 レッドは何処だろう。

 僕は火の牧場に入って、レッドの姿を探した。

「レッドー、何処ー?」

 レッドはすぐに見つかった。

 僕の姿を見つけるなり、相手の方からこちらに近付いてきてくれた。

 一メートルを超えた身体はすっかり竜らしくなっており、頭の角や背の翼も立派に成長している。

 毎日たっぷり神果を食べてるからね。育つのが早いんだよ。

 レッドは僕が抱えているレオンの存在にすぐに気付いたようで、鼻をすんすんと鳴らしながら顔を近付けてきた。

 レオンは尻尾を揺らしながら、レッドをじっと見つめている。

 怖がっている様子はない。これならすぐに仲良くなれるだろう。

「レッド、新しい仲間のレオンだよ」

 僕はレオンをレッドの目の前に下ろしてやった。

 見つめ合う二匹。

 レオンが前足を伸ばして、レッドの頭によじ登った。

 レッドはそれを嫌がる風もなく、レオンのやりたいようにやらせている。

 出会ったばかりなのに兄弟みたいに戯れている二匹を見ていると、自然と僕の頬も緩んだ。

 良かった、喧嘩したらどうしようかと思ったよ。

 レッドはレオンを頭に乗せたまま、僕に背を向けて歩き出した。

 レッドは、レオンの良い兄貴分になってくれることだろう。

 牧場の奥へと去っていく二匹を見送りながら、僕は他のエルたちはどうしているだろうかとふと思った。

 牧場のエルたちとは基本的に一日一回の餌やりの時しか会わないから、普段エルたちが牧場でどんな風に過ごしているか分からないんだよね。

 たまには、ただ会いに行くのもいいかもしれない。

 よし、他のエルたちに会いに行こう。

 僕は火の牧場を出て、隣の風の牧場に足を踏み入れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ