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第12話 二匹目のエル

 ぴしっ。ぱきっ。

 生命の揺り籠に置いていた卵に罅が入る。

 この日の朝は、卵から生まれてくるエルを見守ることから始まった。

「みゃう」

 レッドも興味津々と卵を見上げている。

 卵が孵るのを見守るのは、何度見てもどきどきするね。

 僕たちが注目する中、卵は割れていき無事にエルは誕生した。

 生まれたのは、緑色の小鳥の姿をしたエルだった。

 小さな嘴。ほわほわの羽毛。まるでひよこみたいだが、頭にぴょこんと飾り羽が付いているのがひよことは異なる。

 早速、僕は指南書を開いてこれが何という種類のエルなのかを調べた。

 指南書によると、これはウインドグラフという種類のエルらしい。

 風属性の力を持ったエルで、成長すると一メートルほどの大きさになるそうだ。

 エルは全身をぷるぷると震わせて、僕を見てぴぃと小さく鳴いた。

 揺り籠から身を乗り出して、翼をぱたぱたと広げている。

「あはは、もう動けるのか。凄いな、お前」

 僕は揺り籠からエルを抱き上げた。

 生まれたんだから、早速名前を付けてあげないとね。

 メロンみたいな綺麗な緑色だから……メロンでいいか。

 よし、今日からお前の名前はメロンだ。

 僕の考えていることが分かるのか、目が合った瞬間メロンは背伸びして翼を羽ばたかせた。

 目が見えているってことは、見たものを理解できるってことだよな。

 僕はメロンを足下にいるレッドの目の前に下ろした。

「レッド、メロンだよ」

 レッドはメロンを見てすんすんと匂いを嗅いだ。

 メロンも小首を傾げてレッドのことをじっと見つめている。

「みゃあ」

「ぴぃ」

 互いに鳴き合い、鼻先で触ったり顔を擦り付けたりとコミュニケーションを取る二匹を見ていると頬がつい緩んでしまう。

 何だかペットショップのコミュニケーション広場で遊んでいる子犬を見ている気分だ。

「マスター」

 レッドたちを見てほっこりしていると、メネが飛んできた。

「そろそろ牧場が完成する頃だよー」

 ああ、昨日メネに頼んで作ってもらった牧場か。

「見に行く?」

「うん」

 僕はレッドとメロンを抱き上げた。

 属性の力で満たされた牧場って普通の牧場と何が違うんだろう。

 新しいものが見られる期待を胸に、僕はメネと共に外に出た。

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