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無限の旋律  作者: いか天太郎
プロローグ
6/7

慟哭

今回はちょっと短いです。

あとかなり、重い内容になってしまいました



「ルミナ??  ルミナ!!!!!!」


イクスの意識が完全に覚醒する。そして、イクスはルミナの肩を支えてルミナの全身を見回す。ルミナの体中から血液が流れだしている。全身の血管が破裂し、そこから血が大量に流れ出しているようだった。

ルミナは目も焦点が合っていないようにまどろんでいて、今にも命の灯を失おうとしている

「よかった….. ようやく夢から覚めたのね。私の王子様。」

そう言ってルミナはイクスの頬に彼女の手を当てた。

「ルミナ、ルミナぁ!!どうしてこんなことに。なんで!!!どうして!!!!!。」


イクスは目の前に広がるいきなりの非常事態、それも最愛だった人の危篤に錯乱し始めていた。


「大丈夫よ…..。私は大丈夫。…だってあなたが……守ってくれるんだもの…..。そうでしょ、私の王子様。」

弱弱しい声。そこには普段の快活で自信かないつもイクスを引っ張ってくれた太陽のような少女の姿はどこにもなかった。

薄いガラスのように脆くか細い声。

ルミナの命の灯はもう消えようとしてる。


「やめてくれ!!!逝かないでくれ!!!自分は……俺はどうしたらいいんだよ!!!俺はルミナがすべてなんだ。君がいなきゃ俺は….. 俺は………..」


それを感じ取ったルクスは縋るように彼女の手を取り懇願する。


「大丈夫よ。あなたなら……なんだってできる……..。だってあなたは私の王子様なのよ。

だから…….私の分まで生きて..」

その言葉とともに浮かぶまるで泣きじゃくる子供をあやすかのような笑顔。

―死―

それがもう目前まで迫っていた。

あまりの異常事態にイクスの魂は転生前と混濁して言葉がむちゃくちゃになっている。


「やめろ…..やめてくれ!!!!そんなのあんまりだよ!!!ルミナがいなきゃ意味ないんだ。俺には、自分にはルミナがいなきゃ…..何も……。だから俺も一緒にっ!!!」


――俺も一緒に死ぬ――

そんな言葉を言おうとしたときふっと、唇を何かにふさがれた。

一瞬にも永遠にも似た数秒が経ち、ゆっくりと唇から何かが離れていく。


「ふふふ….。あなたの唇を奪ってやったわ。やっとできた。......これでもう後悔は…..ないわ。」


突然の行為に呆然とするイクス。でもその言葉にもうすぐ終わりが来ることを察したイクスは必死に呼びかける。


「逝くな。逝くなよ!!!後悔がないなんて嘘だ!!!一緒に冒険者になるんだろ。一緒にいろんな世界を旅するんだろ!!そして一緒に住んで、子供を作って、死ぬまで一緒に,,,,,。」


ルミナは最後の力を振り絞ってイクスを抱きしめた。


「ルクス、、、、お願い、自分を責めないで。……私は幸せだったのよ……。本当に後悔のないくらい。だから、ありがとう……私はとてもとっても …..」


――幸せだった

その言葉をイクスが聞く前にルミナの体はイクスの体に力なくもたれかかった。



「―――――――――っっっっっ!!!!!」


言葉にもならないような悲痛な叫び声がこだまする。

それは何もかもなくした孤独になったものの悲痛な叫び。


数分、数時間、どれくらいたったのかわからない、イクスはずっとルミナの体と一緒にいた。

「……そうだ、父さんは、母さんは、皆は………..。」

イクスはようやく周りの状況を確認し始める。

ここはイクスの住まいのようだった。父さんが村長だったために、普通の住宅よりも大きいそれは、イクスをさらに絶望に叩き落す。


「…………. そんなっ!!まさか!!!!!」


そこに広がっていたのは肉塊だった。


ただ内蔵と筋肉らしきものが床の上にぶちまけられていた。

もはや、だれのものなのかわからない。でも、イクスにはそこに広がっている服からだれなのか判別できた。


「父さん…..母さん」


それはイクスの父親と母親だった。

生存なんて確認するまでもない。間違いなく死んでいた。

涙なんて出ない、もう枯れてしまっている。

なのに現実はさらに最悪の方法へとイクスを導いていた。


「おえぇぇぇ!!!」

あまりに残酷な光景にイクスは胃の中にあるものをぶちまけた。





「そうだ、助けを、、、まだみんな助かるかもしれない。だから助けを呼ばないと」


このような状態に陥っている人間が助かるわけがない。

もう、すでに死んでいる。

でも、イクスの精神はそれを否定した。


この緊急事態をどうにか誰かに伝えるために、自分を奮い立たせ助けを求めるために家を出た。










そこに広がっていたのはあまりにも無情な光景だった。

村人全員も同様に死んでいた。正確には村人だったのかさえ分からない。だってみんなただの肉塊だったのだから。でもイクスの両親と同様に服が散らばっており、その状況から、かろうじて、人間であることが理解出来た。

最愛の者たちの死に加えてこの惨状。それはイクスを狂わせるのに十分すぎるものだった。


「っっっははは!!アハハハハハハハハハハハっっ!!!」


イクスは笑う笑い続ける。悪魔にでも憑りつかれたかのように。

「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!みんな死んだ!!死んじゃった!!!みんな真っ赤な肉の塊のなっちゃった!!!ハハハハ!!肉屋のゴルおじさんも冒険者組合にいたアリアさんも、いっつもっ果物をくれた商人のフェルさんもみんなみんな死んじゃったハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」


笑い続ける、自分の目の前の光景があまりにも信じられないからだ。




「そうだっ!!これは夢だ夢なんだ!!!そうだろ?あの唯一神が俺を試しているんだ。そうなんだろっ!!!だから、早く俺の目を覚まさせてくれよ!!そうすれば、終わる、終わるんだ。そしてまた俺の大好きな毎日が始まるんだ。父さんとお母さんとルミナと一緒に笑いあって、からかいあって。そしてこの話をして俺はルミナに笑われるんだ。『馬鹿じゃないの』って、『私ならいつもここにいるでしょ』って!!!だからお願いだよ夢から夢から覚まさせてくれよぉ………..。」


齢10歳、精神的に17歳の男がこんな事実に耐えきれるわけがなかった。


少年はただ空しく叫び、笑い、泣き続ける。



そして、すべてを吐き出した少年は、糸が切れるように倒れこんだ。


表現がとても難しかったです。

今の文章力だったら、これが限界みたいです。


誤字脱字や矛盾点などありましたら。ご指摘のほどよろしくお願いします。

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