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無限の旋律  作者: いか天太郎
プロローグ
4/7

異世界ファルシュのルール

異世界の概要です。

「…….っ!!」


その唯一神らしからぬ姿に、烙は何か得体のしれない恐怖感で体を震わせていた。

なにか、新しいおもちゃを見つけたようなそんな姿であった。


パンッッ!!!


唐突に響く、かん高い拍手の音。

その音ではっと我に返った烙は改めてその音につられるようにメルドのほうに視線を向ける。

そこには、先ほどのような女神の姿はどこにもなく、微笑むメルドの姿があった。

「その前にまずはあなたが行く異世界、フェルシュについて簡単に説明しましょうか。」

「おっ…おう。」


烙はいきなりの話の転換に戸惑いながらも取りあえずは同意を促した。そこには、少しの怯えが見て取れたが、女神はそれに気にすることもなく話を続ける。


「あなたが今から行く世界『ファルシュ』は地球の世界を参考に、神々があまたの生物が平等に生きられるようにという願いを込めて作った世界よ。因みに私はこの世界の管理を任されているだけであって、この世界の創造にはかかわってないわ。所詮、派遣社員みたいなものよ。

この世界の大きさは地球の約4こぶん、海、陸の比率はあなたが住んでいた地球とかわらないわ。

そして、この世界では種ごとに進化の可能性というのものを持たせているわ。例えば、人間のようにしゃべれるようになりたいと強く願い続けると、人間に近い姿になり、自然と共に生きたいと願い続ければ、そのうちに生物としてではなく植物に近い存在になる、というわけね。だから種族の分類は多岐にわたるわ。そのなかで、大まかに分けると、

獣種

植物種

海洋種

魔種

仙種

昆虫種

が存在するわ。一個一個説明するのもいいのだけれど。これらは自分で調べていきなさい。教えられてばかりの、世界というのもつまらないでしょうからね。

生存比率は獣種を1とすると1:3:1:1:0.25:1になってるみたいね。

ここまで、なにか質問はある?」

女神はホワイトボードのようなものを創りだし、それに書きながら説明をしていく。

こういうところはわりとちゃんとしていた。だてに唯一神ではない。


「この世界における、人間はどれくらいになる?」

「あなたのような獣種 人間族 ヒト科になるとだいたい、地球の人口の半分くらいよ。それでも多種多様の人間族が存在するから、総計すると地球の人口より少し多いくらいになるのかしら。」


つまり四倍近い土地に地球と同じ量の人間が住んでいるため、まだ土地をもてあそんでいるということになる。


「その世界には科学というものは存在するのか?」

「いいえ、存在しないわ。言ったでしょ、あなたたちの世界を参考にしていると、あなたたちの世界は化学が発展しすぎた。そのせいで、大気汚染、生態系の破壊なんかして、その科学をつかさどっている人間が、まるで神のようだったじゃない。そんなものをこのファルシュで使うことは許されないわ。争いは理性の持つ人々にはいずれ生まれるもの。でもあなたたちの世界は、度が過ぎたのよ。だからこっちでは魔法というものを導入したわ。これだと破壊に特化したとしても所詮は一時的なものでどの種族でも使えるわ。だから少なくともどれかの種族が頂点に立つということはほんのひと時にはあるにせよ、地球のように永遠に続くことはないわ。」

 唯一神から聞く、度が過ぎる、という言葉は当事者ではないにしろ、烙にほんのわずかな懺悔の念を持たせた。もっとも、あの地球という世界で生きていた以上、当事者なのかもしれないが。

「もし、この世界で化学を俺が持ち込んだらどうなる?」

そんな当たり前の質問を烙はメルドに投げかけた。だがしかし、帰ってきたのは、意外な返答だった。

「別に使っても構わないわよ。いったでしょう。ここは平等な世界なの。そんなことをいちいち禁止するわけにはいかないわ。」

この時、烙の頭に思い浮かんだ姿は、科学の知識を存分に使い、俺Tueeeeをする自分の姿であった。

が、唯一神メルドの次の言葉に玉砕することになる。

「でも、現地の人々は潜在的に化学を忌諱するようになっているわ。嫌われたいなら是非やってみることね。」

つまり、やるなと言っているようなものである。

からかいといい、煽りといい、この唯一神にはSっ気があるのかもしれない.

さらにメルドは念押しをする

「それでも、化学を利用するというのならそれでもかまわない、でも核弾頭のような自然に長期間にわたって害をなすようなものを作ってみなさい。私が直々に罰を下してやるわ。」

「その世界にお前が顕現してもいいのか」

「直接の干渉はだめよ。でも、この世界には『罪』と『罰』という制約を設けているわ。」

「罪と罰??」


「この世界では、裁判所、警察、刑務所というものが存在するのだけれど、それでも快楽による犯罪は存在する。それらを『罪』と神から認定された場合、『罰』という不幸がその罪を負った人物『咎人』に与えられるわ。その罰は、罪に対して等価交換。例えば、だれかを殺して咎人として認められた場合、身内の誰かが殺されるということよ」


「つまり、戦争や争いをするなと」

たしかに、これなら平等な世界も無理ないかもしれない。

「そういうわけではないわ。言ったでしょう、争いはいずれ生まれると。人間のように、知識や感情を持つ以上、それらはさけられないわ。それを抑えつけると、それらすべては、私たち神に降りかかってしまう。そうなるともう、世界を崩壊させるしかないわ。そうならないように、多少の争いは許容しているのよ。

 ただ、私、唯一神メルドが罪と認めたもの、快楽殺人者や、圧政を施す愚王を罰するためにあるのよ。」

たしかに、それは道理である。確かに合理的だ。これを行えば限りなく争いを減らすことができるのかもしれない。 

 だが烙はその説明を聞いていて、ふと一つ疑問に思ってしまった。

「それは、平等だといえるのか?」

ついついその言葉を口にしてしまう烙。



「あなた、バカなんでしょ?」



穏やかに説明をしていた口調が途端に鋭くなる。だが、先ほどのような恐怖感はなく、あきらめの入った、まるで子供にでも叱るような口調である。

「なぜ罪人にも平等を与えないといけないの?あなたは自分の家や敷地を無断で荒らしまわっている不法侵入者をお茶でも広げて歓迎するわけ?ようこそ、お越しくださいましたって具合でね。」


「くっ….」


たしかにその通りであった。そのように考えると、それらを歓迎するものは頭がおかしい、狂っている。


「あなたには、少しがっかりしたわ。これは私個人の意見でもあるのだけれど一般論でもあるのだからね。人の話を真に受けすぎよ。平等といっている手前、最低限の平和を望んでいる以上、平等なんて存在しないわ。私は一人の命と大多数の命を天秤にかけるような真似はしない。神であり、世界を管理し、最低限の平和を維持しているものである以上。そのようなものは神の御名において成敗するわ。

 そうやって人の言葉を真に受けるから、今まで人の言うことに沿って行動して来たのでしょうけれど、そのような言動は慎みなさい。あなたも、私に刃向かおうというのであれば、私はあなたを唯一神メルドの名において『咎人』として罪を与えるわよ。私の世界で生きる以上、そんな考えは捨てることね。」


 この唯一神の言葉に烙はぐぅのねも出なかった。全くその通りだと感じてしまったのである。烙を先ほどまでからかっていた姿はそこにはなく、そこには威厳のある唯一神メルドの姿があった。だてに唯一神を名乗っていないということである。




「さて、話がそれてしまったわね。あらかた、この世界のルールは話したわ。あっちの世界の地理なんて私は知らないし、向こうで自分で調べなさい。そのほうが自分の中でも感じるものがあるでしょう。」

「わかった、ファルシュの詳しい知識は自分で手に入れることにする。」

烙の耳には、またもや管理者らしからぬ言葉が聞こえてきたが、ここはスルーすることにした。



「それじゃあ、あなたのような人間でも俺Tueeeeができる。恩恵の付与でも始めましょうか。」


さて次回はいよいよチートを主人公が選択します。


自分の文章力でどこまで書けるかどうかまだわかりません。

矛盾点やおかしなことがありましたら、ご指摘のほどよろしくお願いします。

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