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北の王子と南の姫  作者: 桃巴


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22/23

番外編:華

***


 涼の国に戻ったアイラに初めての冬が訪れた……


***




「綺麗……」


 アイラは空からゆっくり降りてくる白い華に、瞳を輝かせた。初めての冬。南の国で育ったアイラには、初めての冬なのだ。


「綺麗ですね、レオン様」


 アイラは微笑んだ。だが、答えるはずのレオンは居ない。しかし、アイラは幸せそうに言うのだ。


「レオン様と、初めての冬。私、今日を楽しみにしてました。フフッ、雪ってとっても素敵ですね」


 アイラは隣にレオンがいるかのように、声を紡ぐ。そのアイラの手にはレオンとお揃いの小袋が握られている。薔薇の花弁が入った例の小袋だ。アイラは、小袋を抱きしめる。


「初めての雪の華を、レオン様と見れて幸せです」


 そう言って。小袋はアイラにとって、レオンなのだ。




***




 時は遡る。


「レオン様、雪が降り始めました」


 ルークは、レオンの執務室の扉を開けながら言った。レオンは窓に視線を送る。


「ハァー、冬が来たな」


 レオンはうんざりした顔で溢した。


「はい、そうですね。今年も寒いでしょうね」


 ルークも声を落とす。涼の国は北方の国である。冬が訪れると、施すべき任が増えるのだ。


「ルーク、冬支度を急ぐぞ! ……今夜は残業だな」


 レオンは眉を落とした。雪が降り始めたからには、草原の管理、町の管理、城の管理、……などなど色々とせねばならぬことが、毎日続くのだ。人員が足りず、民も駆り出される。その配備等には、毎年頭を痛めるほど。


「ですが、今年はレオン様は良いですよね」


 ルークはため息を吐きながら言った。


「は? 何故だ?」


 もちろんレオンは問う。


「夜は、暖かいでしょ?」


 ルークは心底羨ましそうに、レオンに言った。


「人肌が一番暖かいですよね」


 ルークの言葉の先を理解したレオンは、大きく咳払いをし、ルークの頭をグオングオンと振り回す。


「や、やめてくださいって」


 ルークは頭をグチャグチャにされる。


「不埒な事を考えおって! ルークは、草原担当だ。わかったな」


「えー! 勘弁してください。草原の管理が一番きついのに。今年はジークでお願いします」


「ジークは岩山国境だが? 草原より厳しいぞ。では、ルークは岩山で、ジークは草原だな」


 レオンはニヤリと笑った。


「い、いえ! 草原の管理は私にお任せください」


 ルークは慌てて言ったのだ。レオンは笑い出す。


「夜は、暖かいだろ? 馬肌を抱きしめろ、ルーク。ワッハッハ」


 ルークは、ハァーっと息を吐いた。正に盛大なため息だ。その時、


 ーーコンコンーー


「誰だ?」


 レオンはルークに目で合図する。ルークは扉を開けた。


「あ、あの……」


 扉の向こうにアイラの姿を確認したレオンは、すぐに扉に向かった。アイラの手をひき、部屋に入れる。


「どうしたんだい? 珍しいね、ここに来るなんて」


 アイラが王塔の執務室に来ることなど、めったにないことだ。


「あ、ええ。あの……」


 アイラは頬を桃色に染めて、レオンに言った。


「レオン様と、お散歩がしたくなって。お誘いに来ました」


 レオンは染まった頬に唇を寄せたい衝動を、何とか抑え込む。ルークの在室がレオンを抑制させていた。レオンは知らず知らずのうちに、ルークを睨んでいた。ルークはそんなレオンの視線も意に介せず、アイラの桃色に染まった頬をこれまた羨ましそうに見ていた。それに気づいたレオンは、サッと体を移動させる。ルークにアイラが見えないように。


「アイラ、すまない。雪が降り始めたから、しなければいけない仕事が増えたのだ。散歩は後日、雪が降っていない暖かい日にしよう」


 レオンはアイラの腰を抱き、耳元で言った。が、レオンはすぐに後悔する。首もとも、桃色に変わったアイラが、上目遣いでレオンを見上げるから。


「アイラ……そんなに扇情的な肌を俺以外に見せたくない。というか、触れられないのが辛いよ」


 ルークに聞かれないように、さらにアイラの耳元に声を落とした。そんなことをしたら、さらに自分を追い込むと理解しながら。


 アイラから溢れた息が、甘いのはレオンのせいだ。


「レオン様……もう少し離れて」


 潤んだ声と甘い息。


「どうしてかな?」


 レオンは答えを知りながらも問うのだ。


「だって、壊れそう」


 アイラは胸の前で手をギュッと握る。そんなアイラに、レオンはフッと笑った。


「そんなに可愛いこと言うなよ。仕事をしたくなくなるよ」


 壊れそう……


 あんな潤んだ声で、あんなに甘い息で出た言葉だ。レオンはアイラの幼い心に、否、自分を壊れそうなほど意識するアイラの純真無垢な心に、酔いしれた。


「外は雪が降るほど寒いのに、この部屋は南国のように暑いですね」


 ルークに聞かれないように、会話をしていたはずが、明らかに聞かれていたのだろう。


「あ、あの、ごめんなさい。ルーク、お仕事のお邪魔をしてしまって。レオン様、お仕事無理しないでください。では」


 アイラは慌てたように、扉に向かう。


「待って、アイラ」


 レオンはルークに最大の睨みを効かせながら、アイラの手を掴んだ。アイラを自分の方に向かせ、くるくると首に襟巻きを巻く。


「城の中も、寒いだろ。部屋から出るときは、必ず暖かくしなさい」


「で、でも、レオン様の襟巻きですよね? レオン様が寒くなってしまいますわ」


 アイラはレオンに襟巻きを返そうとする。だが、


「大丈夫。俺はルークのを強奪するから」


「げっ」


 アイラはどうしていいかわからず、レオンとルークを交互に見ていた。


「大丈夫だって、兵士の備品がたくさんあるから。気にしないで」


 それを聞いてアイラはやっとレオンに笑顔を返した。


「今夜は遅くなるかもしれない。先に寝ていていいよ。……ベッドを暖めておいて」


 アイラはまた頬を上気させた。


「レオン様、……一人では暖められませんわ。早く来てね」


 小さな小さな声で、アイラは魅惑的な言葉をレオンにかけた。レオンはビックリし固まる。そんなレオンにアイラは『ウフフ』と笑って見せた。


「では」


 アイラの退室まで、レオンは固まっていた。




***




「アイラ様、どうでしたか?」


 クレアが王塔の入口でアイラを待っていた。


「まあ、クレアったら。こんな所まで来ちゃって……もお」


 言葉とは裏腹に、アイラはウフフと笑い出す。


「で、ですが、待ってもいられなくて……」


 クレアはそわそわと浮き足だっている。


「そうね、ごめんなさいね。待たせちゃって。クレアとセリアは存分に楽しんで来て」


 アイラは今にも走り出しそうなクレアにそう促した。


「あのぉ、アイラ様は? レオン様はいらっしゃらないのですか?」


「お仕事が終わったら来るそうよ。私はもう少し王塔にいるわ。ほら、行って」


「そうですか! では、アイラ様はレオン様とお二人で。私達はお二人の邪魔をしないように、これから楽しんで来ます」


 クレアは嬉しそうに言うと、思った通り走り出した。


「転ばないでね」


 クレアの背にアイラは言った。アイラは遠ざかるクレアの背中を見送る。そして、広がる銀世界を眺める。


「綺麗」


 しばしその景色を見ていた。そして、ソッと一歩を踏み出す。その感触を確かめるように、一歩、一歩、足跡は続く。独りアイラが向かう先は、薔薇の庭園。胸の前で握りしめた小袋に、語りかける。


「レオン様、はじめての雪です。二人で見たかったの」


 その声に悲しみはない。襟巻きが暖かい。


「お仕事のお邪魔は出来ないわ。それに、レオン様には雪は珍しくないものね」


 足跡は降る雪に消されていく。独り薔薇の庭園に向かうアイラのことを、誰も知らない。レオンは部屋に戻ったと思っている。クレアは、少し遅れてレオンとアイラが二人で雪の散歩を楽しんでいると。消されていく足跡。アイラの行き先を誰も知らない。




***




「ぬおっ! 小癪な!」


 マークは二人の小悪魔に……いや、曲者侍女の攻撃を受けていた。


「セリア! 挟むわよ!」


 クレアがセリアに指示を出す。


「言われずとも!」


 セリアはクレアを一睨みすると、ニヤーっと笑って、頷いた。二人は機敏な動きで、マークを挟む。


「卑怯だぞ!」


 マークは叫ぶ。


「戦に策略はつきもの! マーク様、覚悟!」


 セリアは高らかに答えた。そして、マークを狙う雪の玉。クレアとセリアから放たれる。


「卑怯と策略を一緒にするな!」


 両サイドから放たれた雪の玉を、見事にかわしてマークはこれまた高らかに笑った。


「お主らも、まだまだよのお」


 と、言って。


 ……


 そんな雪合戦を、レオンとルークは呆れた顔で見ている。町の塔と王塔の間にある広場は、一面の銀世界。そこで、侍女二人とマークが雪合戦をしていたのだ。


「マーク!!」


 レオンは呼んだ。仕事もせずに、雪合戦をしているマークを。クレアとセリアも気づき、レオンの元に駆け寄る。


「レオン様、ハァハァ」


 息切れまでしているマークに、レオンは笑うしかなかった。


「レオン様、アイラ様はもうお部屋に?」


 クレアは問う。


「ん? 随分前に帰ったはずだぞ」


「まあ、では私達も帰らなければ。レオン様、お散歩はどちらに?」


 セリアは嬉しそうにレオンに言った。だが、そこで生じる疑問に気付かないレオンではない。


「散歩には行っていないが?」


 レオンは訝しげにセリアに答えた。


「「え?」」

「は?」


 クレアとセリア。マークが声を上げた。いち早くマークが問う。


「アイラ様と散歩に行かれませんでしたか?」


 と。それに反応したのはルーク。


「散歩のお誘いにいらっしゃいましたが、初雪の仕事が増えたので、後日雪の降っていない暖かい日にと。アイラ様はお部屋に戻って行かれましたが」


「何故です!!」


 セリアの顔が一変する。


「初めての雪をレオン様と見たいとおっしゃって、お散歩のお誘いに行ったのですよ! それはもう嬉しそうに!」


 レオンはハッとする。アイラが執務室に来ることは滅多にないのだ。それ故に、その誘いが意味することに注意を払ってあげねばいけなかったことを。


「まあ、皆様お揃いなのですね」


 そこにエレーナが通る。エレーナは数人を引き連れていた。薪を運んでいるようだ。


「エレーナ! アイラは部屋か?!」


 レオンは叫んだ。


「え? いえ、あのまだ戻っておられませんが。あれ? アイラ様は皆様とご一緒ではないのですか?」


 集まる皆の表情が徐々に青ざめる。


「ど、どうしよう。私がちゃんとお部屋までお連れすれば良かったのだわ」


 クレアは後悔した。


「そんなことよりも、アイラは何と言っていた?」


 レオンは焦る。アイラの所在がわからない。


「レオン様は後で来るからとおっしゃって、先に行って楽しんでと……。雪が初めてで私も浮かれておりました」


 雪が初めてで浮かれたのは、クレアだけではない。セリアもである。


「私も、安心しきってたわ。レオン様といると思い込んでいたもの。アイラ様は、お心がお優しいから、きっと私達の気持ちを汲んだのね」


 そうである。アイラはレオンの状況も汲んだ。


「すまない。私のせいだ」


 レオンもセリアの言ったことを痛いほど理解している。


「アイラが何処に行ったか、何処を散歩すると言っていたか、わかるものはいないか?」


 皆が顔を見合わせるが、それを知るものはいないようだ。


「クレア、アイラ様とは何処で分かれた?」


 マークが問う。


「王塔の入口です」


「レオン様、まずは王塔の入口に向かいましょう」


 マークの言葉に皆が頷いた。が、エレーナは、


「お部屋を暖めておきます」


 そう言って薪を持つものを引き連れ走り出す。それに感化されたのか、クレアとセリアも、


「私達は暖かい食べ物を準備しておきます。レオン様、アイラ様をお願いいたします」


 そう言って、エレーナを追う。


「ルーク、すまないが「わかりました。午後の仕事は私が指示をします」」


 レオンが言い終わる前に、ルークは言ったのだ。そして、走り出す。残ったレオンとマークも急いで王塔の入口に向かった。




***




 雪は穏やかに降っていた。アイラは、襟巻きに顔を埋める。


「毛糸の襟巻きが暖かいわよね。どうしましょう? 私、編物したことないわ。クレアもセリアもきっと知らないはずよ。ねえ、どうしたらいい? レオン様に作って差し上げたいの」


 アイラは小袋の花弁に話しかける。花弁はふわふわした暖かい光を放つ。


「なぁに?」


 アイラは花弁の声を聞こうとした。




***




 王塔の入口でレオンとマークは立ち尽くす。


「やはり、何の痕跡もありませんな」


 マークは銀世界に残る足跡を眺める。レオンとマークのもの以外は、降り続く雪で消えていた。城門に警備の兵はいるものの、各塔の入口には、雪の降り始めにより配備が変わって、居ないのだ。


「参りましたな。よりにもよって、初雪の日では、城内の兵士は少ないですしな。アイラ様を見た者がいるかどうか」


 レオンはさらに焦りだす。冬を知らぬアイラが、雪で転んではいないか。景色の違いで、迷ってはいないか。寒くはないか。と。


「クソ!」


 レオンらしからぬ言葉が吐かれた。その時、ふわふわした暖かい光が銀世界に現れた。光がレオンを誘う。


「……わかるのか?」


 アイラの居場所がわかるのかと。


「レオン様、きっとアイラ様がお呼びなのですよ」


 マークは笑顔で言った。


「老体が一緒に行ったら、二人での初雪はお邪魔でしょうし、辞退します」


 ふわふわの光は、楽しそうに進みはじめた。


「ふん、老体などと。マーク、先程の雪合戦しかと見ていたぞ。まだまだ機敏に動けるではないか。マークの今年の担当は……」


 レオンはフッと笑う。マークはブルッと身震いする。


「今年の担当は城壁門の管理とする」


 マークは天を仰ぎ見た。ハァーと息を吐いて。


「この老体で、城壁の雪降ろしの担当になるとは……」


 レオンは含み笑いをした。


「と、言っても隠れ門の方だ」


 レオンは歩き出す。ふわふわの光が空を舞った。


「もしや! 「言うな、マーク。行ってくる。担当の仕事は明日からでいいぞ」」


 そう言い残し。ポツンと立つマークが、ポツリと言った。


「アイラ様は薔薇の庭園か」


 と。




***




「やっぱりここか」


 薔薇の庭園の入口で、ふわふわの光が消える。レオンは、隠れ門に繋がる薔薇の迷路に足を踏み入れた。足跡がない。随分前にここを通ったのだろう。アイラの足跡は降る雪で消えている。広場でもそうであったように。


「まだ奥にいるのだろ?」


 レオンは胸にかけている小袋に訊く。ふわふわした光がレオンに応えた。そう、光が反応したことで、レオンの言ったことは確かであると、小袋の中の花弁が応えたのだ。


「ありがとう」


 レオンはさらに奥に進んだ。聞こえてくる声は、愛しい人の声。


 ……


「毛糸の襟巻きが暖かいわよね。どうしましょう? 私、編物したことないわ。クレアもセリアもきっと知らないはずよ。ねえ、どうしたらいい? レオン様に作って差し上げたいの」


 愛しいアイラの声。レオンは足を止めた。本当はすぐにでも抱きしめたい。この腕の中に閉じ込めたい。そんな想いをレオンは咄嗟に抑える。アイラの言葉が続いたから。


「ウフフ、でもね。襟巻きより、私ね、レオン様の首もとを……ウフフ。恥ずかしいわ」


 レオンは、意味深な言葉を紡ぐアイラの後ろにソッと立つ。


「私で暖めたいの」


 レオンはドクンと胸が高鳴った。


「あのね、ベッドを暖めないといけないの。今日はいらっしゃるのが遅いのよ。私ね、……時々悪い妃になってしまうの。独りは寂しいって我が儘を思ってしまうのよ。どうしたらいいかしら?」


 アイラはハァーと息を手の甲に吹きかける。手の中の小袋を大事そうに胸元に入れた。小袋との会話が終わる。


 そして、


「レオン様、雪は綺麗ですね。レオン様の襟巻きと花弁と一緒だから……寂しくはありませんわ」


 アイラの嘘の告白。レオンにはもうわかる。アイラを抱きしめようと手を伸ばす。


「……でもね。でも……独りだから、言っていいわよね」


 同時であった。アイラの本当の告白と、レオンがアイラを包むのは。


「レオン様と初雪を見たかった。あっ……」


「独りにさせてごめん」


 レオンはアイラを後ろから抱きしめた。


「ど、して……」


 レオンは動揺するアイラをクスリと笑う。


「襟巻きは母上に訊いて編んだらいい」


「え? ……えっ?!」


「それから、可愛くて優しくて、賢い妃だ。アイラは本心を上手く隠すね。執務室ではやられたよ。『一人では暖められない、早く来てね』って言葉に全部隠したんだろ?」


「……」


 アイラはグッと堪えている。言ってしまいそうな言葉を飲み込むために。


「我が儘言って。俺はそれに応えられないほど、度量の狭い男じゃないよ」


「だっ……て」


 たったそれだけの言葉を言っただけで、アイラの涙は溢れ出た。


「ほら、おいで」


 アイラの体の向きを変え、レオンは抱きしめた。


「アイラの涙は俺のもの。アイラの我が儘も俺のもの。アイラの全部は俺の特権」


 アイラはギュッとレオンの服を掴んだ。小さくコクンと頷くアイラに、レオンは言うのだ。


「俺の愛しい妃さん、ほら早く首もとを暖めて」


 と。アイラの体がピクンと反応する。


「どこから聞いていたのですか?」


 ちょっと不満げなアイラの声色に、レオンはハハッと笑う。


「襟巻きかな。だけど、もっと聞きたい。アイラの全部を聞きたい、知りたい。言っただろ、アイラの全部が俺の特権だって」


 レオンはアイラから体を離す。名残惜しげに、アイラはレオンの体を見つめている。その視線が上向き、レオンの瞳を捕らえる。


「レオン様」


 腕が伸びてくる。アイラの腕がレオンの首に巻きついた。背伸びをしたアイラは、レオンの首筋に顔を埋める。アイラの吐息がレオンの首に熱を持たせた。


「レオン様、早くベッドに連れてって」


「……ルークの言ったとおりだな」




***




 外は雪の華。

 内は赤い華。


 芽吹いて咲き誇った大輪の華が寄り添いあっていたのだった。




***


北の王子と南の姫

番外編:華


終わり

次話について

ベリーズF大賞用のあらすじとなります。


これにて本編・番外編ともに完結です。

ありがとうございました。


桃巴。

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