【2日目】「はい、すいません」
投稿遅れて申し訳ございません。
大変長らくお待たせいたしました。
悪魔のような笑顔をしながら彼女は言った。
「何してたの?」
「お...お散歩」
「ふーん、おかえり。次から外出する時はメモくらい置いて行きなさい」
「はい、ごめんなさい。」
手元に持った包丁をぎらりと輝かせながら、フィリアと僕は家に戻っていく。
何事も無かったかのように、何も持っていなかったかのように。
リビングに戻って朝食を作ってる間も、生活音しか聞こえず会話は一切無い。フィリアさん怒ってます。
空気に耐えかねて僕は、勇気を出して一歩足を出す。
「テレビつけてくれる?」
彼女は無言でリモコンを取り、電源ボタンを押す。
僕は今、フレンチトーストを作っており、今彼女は、ソファーに座りテレビを見ている。
立場が逆のような気もしないが、昨日の今日で、今朝の事も重なり僕に発言権は無い。
いつか「貴方無しには生きられないの!」とか言わせてやりたいけど、何百年経っても無理だろう。
せいぜいサンキュー止まりだ。
「まだ?」
「すいません、急ぎます」
思考が読まれたのか急かされる。
「食べ終わったら今日も修行行くわよ」
ま…またですか。とは言えず、賛同の意を述べ手を進める。
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僕たちはまた学校のグラウンドに来ている。
だが、前回とは違い、全くの二人きりと言う訳では無く。
僕たちと同じ考えの者が学校に来ていたり、学校の関係者が仕事をしに来ている。
日曜日だと言うのにご苦労な事である。
ギラギラと輝く太陽から降り注ぐ光の熱を肌で感じ、僕は半袖から露出した右腕をそっと撫でる。
今日は思いの他、温度が高く道行く人々も半袖の人が多かった。
グラウンドは広く、トラック400mはありそうだが
生憎、僕たちと同じ考えの者が数名、能力の練習に使っていて二人占めは出来なさそうだ。
「あんまり広くグラウンドは使えないね」
「そうね、でもまぁいいわ。模擬戦でもしましょうか。」
「えっ」
いきなり模擬戦を始めようとする彼女に対し、僕は声を詰まらせる。
まだ数日の付き合いだが、彼女は冗談を言う人間ではない。
肯定の言葉を返していないにも関わらず
さも当たり前かのように、フィリアは僕と距離を離し戦いの準備を始めている。
30mは離れたかという所で彼女は手を上げる。
準備完了の合図なのは明白だが、僕の方は全く準備が出来ていない、特に心が。
戸惑う僕の顔には、熱さのせいか緊張のせいなのかじわりと汗がにじむ。
「本当に勝手に決めて勝手に始めるよなぁ…」
フィリアに聞こえないように小言を言い、下を向く。
すねた子供のように、足元にある石を軽く蹴り覚悟を決める。
やるからには勝ってやる。それに、何も対策をしていない訳じゃないんだ。
今朝の事を思い出し、僕は右手を握り歯を食いしばる。
おろしていた顔を上げフィリアに目線を送る。
手は上げずとも彼女は理解してくれたようで、フィリアは軽くジャンプし腕をストレッチして、
いきなり僕に向かって石を投げてきた。
模擬戦の始まりである。




