6,ケータイ
「合コンの後どうしたの?」
週が開けて月曜日。2限が終わってナチ、カヨ、アユミ、私の合コンに行った4人でお昼を食べているトコロ。
ナチがカヨに聞いている。
「ナチには言いにくいんだけど…。」
「あっ、全然気にしなくて良いよ―もしかして、しんちゃんにヒドイ事された?」
「う―ん…。まぁそんなトコ。私的には無いなぁ〜って思って帰って来ちゃった。」
「ごめんね。しんちゃん女癖悪いから。」
「ううん。大丈夫だから。それよりみんなはどうだったの?」
「私はタクヤと連絡とりあってるよ。」
ナチが言う。
「良いじゃんー。アユミは?」
「そういやジュンと帰ったもんね〜。」
ナチが付け足す。
「何も無いよ―。ナチとサキ2人とも相手出来てたからなんとなく一緒に帰っただけ。すぐ別れたし。」
「そうだったんだ―。」
ジュンとアユミ、結構お似合いだと思ったのになぁ。
「サキはどうだったのよ―?」
アユミが聞いてきた。
う…来るとは思ってたけど、話したくない事だらけだよ…。
酔っ払ったとか記憶ないとか…。
「あっ、居た。サキ。」
「えっ?」
振り返るとなんとサトシが居た。
「昼は学食に居るって言ってたから来てみたんだよ。すぐ見つかったからびっくり。」
サトシは私の知らない男友達と2人のようだ。
てか私の方がびっくりだよ。
「どうかしたの?」
「これ、ウチの玄関に落ちてたんだけどサキのじゃない?」
そう言ってサトシはアナスイのハンカチを渡してきた。
「あ、私のだ。ありがとう。」
「そんだけ。じゃ。」
『そんだけ』…かぁ。
「ねぇ!!」
ふと呼び止めた。
「何?」
サトシが振り返る。
「連絡先教えてよ。」
「い―よ。090…」
「ちょっと待って赤外線で…」
「言っとくけど俺メールキライだから。一回だけ言うから覚えろよ―。090―」
私は慌ててケータイに打ち込んだ。
「ふぅ―。」
なんとか登録できた。
「…あのーサキさん?」
席に座ると3人の目線がすっごく飛んできた。
「何ナニ〜もしかしてサキ付き合ってんの?」
「違うって。第一アド知らないとかあり得んでしょ?」
「でも家行ったんでしょ〜?」
「それは―…」
誤解を解きたいけど経緯は話したくない…。
「なんか合コンの時とイメージ全然違うね。サキ、素直に白状しなさい―!」
お昼休みの間ずっと問い詰められたけど話さなかった。
だって色々ヒミツにしたいからね。
ケー番入手出来たからかサトシが探してくれたからか、私は幸せな気持ちでいっぱいだった。