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記憶  作者: 望月愛
1/13

1,別れても好きな人

物語の始めは微妙かもしれませんが、とにかく読み進めてください。絶対に後悔はさせません。

稚拙な文章ですが読んで頂けたら嬉しいです。

随時更新中です。


――出会いの数だけ別れは増える――


最近の私の頭にはこのフレーズばかり流れている。




「サキ、医学部との合コン行こうよ―。」


静かな図書館にナチの声が響く。


2コマ目の空き時間、私、中原咲季と間宮那智は次の授業提出のレポートをやっている。…が全く進まない。


私はパソコンを打つ手を止め、伸びをしつつ答えた。


「だから行かないってば。合コンとか何か嫌だし。」

「もうすぐ夏休みだよ?彼氏作ろうよ―!オトコが居ない夏ってすっごく虚しいんだよ!?高校三年間彼氏居たサキには分かんないだろうけど―。しかも大学の夏休みは二ヶ月もあるし。」


「私、まだ彼氏作る気になんないから別に良いよ。」


「まだ言ってんの!?ユータと別れてから一年近く経ったのに。」


「まだ10ヶ月!どんだけ時間が経ったって忘れられないんだからしょうがないじゃん。」


私とナチは四月にK大学経済学部に入ったばかりの一年生。

ナチとは進学校として有名なF高校で同じクラスになり仲良くなった。

同じ大学、同じ学科になって更に仲良くなったかも。


そして、高校のクラスには私が高校時代ずっと付き合っていた彼氏、中野裕太も居た。


ユータは出席番号が前後で、はじめの席が隣だったからすぐに仲良くなった。


ユータは元気いっぱいのお調子者。でも部活でサッカーをする姿は真剣ですごくかっこ良かった。


それを見た瞬間、好きになってた。


そしたらなんとユータから告白され付き合う事になった。高一のちょうど今頃…梅雨入り前の夕日がキレイだった日…。


大したケンカもなく毎日が幸せで、ずっと一緒に居ると思っていたのに…高校最後の夏休みの…最後の日に振られた。


ユータは『彼女として見れなくなった』と言った。


いきなりすぎてその言葉の意味が全くわからなかった。


正直、今でも分からない。


だから何回も『やり直そ。』って言ったのに毎回無視された。


そして、卒業式の日以来、一度も会ってないし、連絡も取っていない。



 でも忘れられないのだ。。。




「サキ、何回も何回も言ってるけど、ユータの事はもう忘れなさい!あんなに冷たくされたのに何でまだ好きなの!?」


「…自分でもそう思う。けど好きなんだから仕方ないよ。」


『別れてからはかなり冷たくされたけど、それ以前のユータは優しくって、一緒に居られるだけでかなり幸せだったんだよ。それが忘れられないの…。』


そう思ったけど口には出さなかった。


ナチはため息をし、『仕方ないなー』って感じで話し出した。


「その『好き』はもう妄想の世界の『好き』になってるって。今ユータがどんな生活してるかも知らないでしょ?前とは変わっちゃってるかもしれないよ。」


「……」


その通りすぎて何も言い返せ無かった。


「だから合コン行こ!アユミと2人で行くつもりだったのに向こうが急に3対3にしてって言ってきてさ―困ってるの。」


「何それっ?色々言ったくせに結局は人数集めって事!?そんなのぜったい行かないから!」


「やっぱダメかぁー。明日なのに…どうしよー!」

ナチが叫んだため周りから冷たい視線が飛んできた。申し訳なくて何回も頭を下げた。



「でもねサキ、本当ーにユータの事はもう諦めなよ。ぜったいにもっと良い人は要るから。サキは可愛いし時間がもったいないよ。てかユータの事だし、大学でもう彼女居るんじゃない?」


「……。」


充分あり得る…。


2限終了のチャイムが鳴った。



結局レポートは間に合いそうにない。。。

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