分かち合える人
私が体験する辛いことの数々は、
私だけしか知らない、理解できない。
そう思うと、悲しくなる。
誰かを大切に思える気持ちがあるから、
誰かに傷つけられてしまう。
悔しいけど、ぐっと堪えるしかないんだ。
それだけが、
その絶対に心を許してはいけない相手を密かに呪う方法でもあるのだから。
だから、
誰かが、私の痛みを自分の痛みのように、
私の悲しみを自分の悲しみのように思ってくれるのは、
すごく嬉しいし、
すごく慰められる。
だからこそきっと、その人は、
わざわざ険しく危ない山道を選んで歩いていてくれる。
どうして分かるのかは分からないけれど、
信頼感が消え失せることなどない。
私もその人を、放っておくことができない。