婚約破棄!?よっしゃあぁぁぁぁぁ!!!!!
「アレン・クレート。やはり貴様には私の娘はやれん。よって、我が娘との婚約を破棄させてもらう!」
婚約を祝うはずの夜会に、ありえない言葉が響き渡る。
「ノーティム公爵、それって俺に言ってる?」
「貴様以外にアレン・クレートという者がおるのか!」
「いやぁ、まあ……いないけど」
会場には小さくどよめきが走る。
「ちなみに、理由って聞いても……?」
「自覚がないのか! そのバカにしたような喋り方、態度! 公爵令嬢と結婚するというのにも関わらず、あるまじき姿だからだ!」
「じゃあなんで今まで俺と婚約を決めてたの?」
ただ疑問に思ったことを問うただけなのに、これがさらに公爵の怒りを加速させた。
「婚約を決めた当初はそんな言動していなかっただろう! 我々はすっかり貴様を好青年だと勘違いしていたのだ!」
それってそう決めつけていたあんたらが悪いんじゃ……と思ったが一旦心の中に留めることにした。
「学院を卒業したら聖魔術師になるとも聞いていたのに、今はなんだ! 小さな教会の見習い魔術師じゃないか!」
「ああ、それは途中から専攻魔術に飽きてしまって」
「……は?」
「別の魔術の勉強をしてたら単位を落としていたというか——……ん?」
公爵、そして公爵の隣にいるリーセラ令嬢までもがポカンとした表情でアレンの話を聞いていた。
だがすぐに公爵は怒りを取り戻し告げた。
「ええい! 貴様はどこまで我々をバカにするつもりなのだ! もういい、さっさとここから出ていけ!」
「あ、じゃあ最後に一つだけ」
「な、なんだ!」
アレンは両手こぶしを握り締め、大きく腕を天井に向けて叫んだ。
「ぃよっっっっしゃあああああぁぁぁぁぁ!!!!!」
今度は公爵らだけでなく、会場全体がポカンとした表情を浮かべアレンの叫びを聞いていた。
「いやぁ、ありがとうございますノーティム公爵。俺、本当はこんな醜いぶっさいくな令嬢と結婚なんてしたくなかったんすよ! でもなかなか言い出すタイミングがなかったんで助かったわぁ、ほんと。あ、でも金銭的な話で考えたら、惜しいやつを逃したなって思うわぁ」
公爵は顔を真っ赤にし、眉間にしわを寄せ、まるでゴミを見るかのような目つきでアレンに指を差した。
「お前ら! こやつを不敬罪で捕らえよ!」
公爵が命令を下すと、剣を抜いた近衛兵が即座にアレンを取り囲んだ。
「おっと……やっぱりこうなっちゃうよね。仕方ない……か」
アレンは足元に魔法陣を展開させ、『突き刺せ大針』と一言。
すると、アレンを円状に囲っていた近衛兵の股下の床から、鋭い銀色の大きな針が出現し、そのまま近衛兵らをグサリ。
「うっわぁ、痛そう」
会場内は参列者の悲鳴に包まれ、一気に騒がしくなった。
「ノーティム公爵! 俺は金稼ぎのためならなんだってします! あんたの令嬢に婚約を希望したのも、金のためだったんですよ! だけどもういいんです! ここであなたたちを殺して、すべて奪っていきますから!」
ちゃんと公爵の耳に届くように大声で言う。
「き、貴さ——」
それから公爵と令嬢にも同じ攻撃を味わってもらった。おそらく即死級の攻撃であるから痛みはほぼ感じないだろう。それはアレンなりの最後の配慮でもあった。
「あ、あと貴方たちの肝臓貰っていきますね。上手ーく避けたんですよ、攻撃。ほら、肝臓って意外と高く売れ——って、聞こえてないか」
最後にアレンは会場内に火を放ち、会場を後にしたのだった。
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「先輩、どうっすか? この人適正ありそうっすっか?」
「これを見てみろよ……」
「うっわ、こりゃひどいっすね。いくら魔術で作り出した仮想世界の中だからといって、こんなことしちゃ適正なしなしっすね」
「ああ……自制力、判断力、行動力の三項目、全てにおいてマイナスだ」
「どうするんすか?」
「……外にでも捨てておこう」




