プロローグ
俺、九条晴喜には幼馴染がいる。名前は小桜雛埜。物心ついたときにはもうすでに一緒にいていつからの付き合いかなんて覚えちゃいない。向こうはただの幼馴染だって思っているが…
俺は雛ちゃんのことが好きだ!!!
問題は全くと言っていいほど脈がないことだ。これまでの歴史がそう物語っている。
幼稚園時代
「ひなちゃんすき!けっこんして!」
「だーめ!わたしはにいにとけっこんするの!」
小学校時代
「雛ちゃん!好きです!付き合って!」
「晴くんかっこつけすぎ!無理!」
中学校時代
「雛ちゃん俺と付き合ってください!」
「タイプじゃない!無理!あとしつこいっ!」
一度たりとも受け入れてもらえたことはない。連戦連敗。完膚なきまでの敗北だ。
なのに中学校卒業式の日、追い打ちをかけられた。ただでさえ中学の制服を着た雛ちゃんを見れなくなるのが辛いのに…
「晴くんさ、最近何回も告白してきてぜーんぜん気持ちこもってないよね?」
むうっとほっぺたを膨らませ、ふんと後ろを向いた雛ちゃんにそう言われた。拗ねた顔もかわ…じゃなくて…
「えっ、ひ、雛ちゃん?そんなことな……」
そんなことない。そう言おうとした俺の言葉を遮るように、パンッと雛ちゃんが手を打った。
「と、いうわけでっ!」
「高校からは…告白は1日1回までですっ!」
ピッと雛ちゃんが人差し指を立てて振り返った。その人差し指がショックのあまりぐにゃりと歪んで見えた。
「へ…?」
凄く情けない声が出た。
「ふふふ、がんばってねはーる君♪まっ、無理だろうけど!」
こうして俺は制限付きの告白でこの手強い幼馴染を落とすことになった。
絶対に……落としてみせる!!!




