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プロローグ ――竜と乙女の契り――

――夜を裂いて、ひとすじの光が走った。


銀の鱗をまとう竜が、雲を割って舞い降りる。

その翼が震わせた風は歌のようで、

大地すら息を呑んだ。


竜の背には、一人の乙女。

陽をすくったような髪が夜に揺れ、

白い衣が光をまとって広がる。


乙女の祈りは静かに、

竜の咆哮と溶けあった。

やがて光の雨が降りそそぎ、

荒れた大地をやさしく包み込む。


飢えは退き、疫病は消え、

荒野には緑が芽吹いた。


人々は歓喜し、泣き、

彼らを〈守護者〉と呼んだ。


――そして伝承は語る。

竜は人となり、乙女と結ばれ、

その血は国を生んだ、と。


国の名は〈アヴェルシア〉。

竜と乙女の愛がつくった国。


子孫は炎、水、風、氷――

自然の理を操る力を継いだ。

王となり、貴族となり、国を治めた。


だが、今。


竜も乙女も姿を消し、

残されたのは苔むした石碑だけ。

王宮には陰謀が渦巻き、

“愛の国”の面影は遠くなった。


表向きの光は眩しい。

けれど、その影で魔力は静かに衰え、

王国は誰も気づかぬまま、弱りはじめている。


――その運命に、

ひとりの乙女が触れることになる。


名はニナ。

平民として生まれ、

伯父である侯爵に導かれて王宮へ向かう少女。


彼女は知らなかった。


王女と王子、

ふたりの視線が自分に注がれ、

眠れる千年の契りを揺り起こすことなど。


これは、

ひとりの乙女と、ひとりの竜が再び出会い、

国の運命そのものを変えていく物語である。

――――――――――――――――――――


最後までお読みくださり、本当にありがとうございます!


更新は週3〜4回程度を予定しております。


それでは――

国を揺るがす“秘めごとの王宮ファンタジー”を、

次回もお楽しみいただけますように。

これからもどうぞよろしくお願いいたします!


――――――――――――――――――――

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