人生からくり道中記 過ぎてしまえば人生ななんてこれっぱかりのものだった
人生良いこともあれば
悪いこともある
更に人生には
「え?なにこれ?」
という予想外の珍事も待ち受けているのですね
そうです人生道中は
予想外の出来事で待ち構えているのです
まさかの出来事が
これでもか
これでもかと
続くかと思ったら
今度は
ええ?
というラッキーがやってきたり
それがやがて
運の尽きになったり
ガクンと落ちて
また這い上がって
病気にもなるし
手術もするし
けがもするし
事件事故もあるし、
そうです
人生には何でもありなんですよ
というか
人生には予想もしなかったことが連続するんですよ
まあでもそれが人生なんですよね
次から次にいろんな出来事が
良いことも
悪いことも
起こっては
また
消えてゆく
それがまあいわば人生そのものですからねえ
そうしてある日気が付けば
あれ?俺ってももう60才?
そうです
気が付けば人生の大半がもう終わってたんですよ
そうです
人生なんて過ぎてみればあっけないもんですよ
事件の渦中にいるときはもう天手古舞で
時間に概念もなくなりますが
過ぎ去ってみれば
あれ?
ほんの一瞬の出来事だった
まあ人生ってそんなものですよ
正に人生からくり道中そのものです
じゃあそんな人生を
どう過ごしたらいいのか?
どう過ごせばよかったのか?
と言われてももう人生のほとんどが過ぎ去っちゃた
老人にはどうしようもありませんけどね。
老人病で
ボケボケで
足腰が立たず
目もかすみ
耳も聞こえず
毎日大量の薬を飲み
認知症で
そんな老人に
いまさら
「人生どう生きるべきか?」
なんて問うても
まるで無意味でしょうね。
じゃあもっと若い人にはどうでしょうか?
そうですね
働き盛りの人々に
人生どう生きるべきか?
と言われても
まあ働くしかないでしょう
食うためには
生きるためには
働くしかないでしょうね。
毎日雑事に追われて
息つく暇のなく
だから人生について考える暇なんて無いんだよね。
そうしてきがつけば
あれ?もう60才?
それが大方の人の人生なんですよ
で
いまさらもうどうしようもないんだよね。
まあせいぜい趣味の時間でも増やすか
すこしのんびりするか
まあ自分の老いを受け入れて
老いと和解して
命ある限りその命を生ききるしかないんだよなあ
そんなことしか出来ないんだよなあ
それが人生
それだけがまあ人生なんだよね
かくして
やがて
いつの間にか
老人病で
ボケボケで
足腰が立たず
目もかすみ
耳も聞こえず
毎日大量の薬を飲み
認知症で
そんな老人になり果てるだけなのさ
それが人生
それだけが人生だったというようにね。
でも?
老いを美化する人もいますね
老いは黄金期だとか
でも
それってかなり無理があるんだよね
老化ってつまりは「劣化」ですからね
老化に
いいことなんてないんですよ
体も心も劣化するだけですからね
それがいいわけないよね?
病気が出たり
よぼよぼになったり
マヒして車いすになったり
あるいは
寝たきりになったり
それがいいわけないよね?
老後
老化にいいことなんてないですよ
だからできることは
その老化を争わないことです
争っても徒労ですから
だから老化を受け入れるしかないのです
老化と和解するしかないのです
そうして
老いを受け入れて
老いと共存して
老いをなだめて
命ある限り
その命の日々を生きること
それしかありません
それだけが老後を生きるすべなのですからね
それ以外にはありませんからね
やがて
ある日
神様が
「もういいよ」
っていう日までね。
それまではその命を生ききるしかありませんからね。




