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拓海のホルン  作者: 鈴木貴
第3章 吹奏楽部員として
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81.えん罪の証明と決着、そして離れる者

※これ以降、特に表記がない場合、拓海視点です。



近藤さんが

「学校の方で調整可能でしょうか。?」

と言うと、校長先生が

「はい、あとはもう…。

ご協力いただきありがとうございました。」


と頭を下げた。


話をまとめると

・池田、吉川は、これ以降早退し、今日と明日の終業式は謹慎。

その後転校。以降、俺に近づかない。

・サッカー部は廃部。今日メールで連絡。詳細はこれから。

この件で俺に、もしくは何か問題があれば学校と警察へ相談。

・黒沢はこのまますぐ病院へ。

「首痛いんなら早く言いなさい!」

って強く有岡先生に言われ、早退し、すぐ病院へ。部活は休み。


ということが決まった。


さて…。


校長先生は

「池田君と吉川君は今から教室へ行って、すべての荷物を持ち帰りなさい。

明日、終業式だけど、学校に来るのは、今日が最後になるなら、

お父さんとお母さんが一緒にいることだし、

手伝ってもらえば多少重くても、持って帰れるでしょう。

今から教室行って、すべて持ってきなさい。」

と言った。


池田と吉川は

「え?…あ…はい。」

と言って、教室へ向かおうとした。

吉川の母は

「私も一緒に向かっていいでしょうか?」

と言うと、校長先生は

「どうぞ」

と言ったが、吉川が

「自分で行ってくるから、待ってて。」

と言った。


それでも吉川の母は、心配のようでついていこうとすると、吉川は

「ついてくるなって言ってるだろ!」

と強い口調で断って、生活指導室から出て行った。


後から池田も出て行った。


有岡先生は

「黒沢、先にいったん帰ってから病院行け。

結果とか経過がわかったら、学校に連絡欲しい。」

というと、黒沢は

「うーん、俺、逮捕って言われないかな?」

と言って、ちらっと吉川と池田の両親を見た。


4人とも下を向いた。


どこまでも、責任を取らないんだな…。

言ったら言いっぱなしで、無責任。


有岡先生は

「黒沢については

『あるわけねえだろが。

昨日の状況見て一番分かってるのお前らだろ。

後で本人たちに確認しろ』って言っておいた。

今頃、あの2人が教室で色々質問されてるから、

どう答えたのかも確認しておかないとならないな。」

と言うと、吉川の母は

「どうしてそれを先に教えてくださらなかったのですか!?

今頃、うちの息子は…。」

と言うと、有岡先生は

「自分のやった事に自分で始末をつけることを覚えさせる。

適当な事を言うと、適当な事が返ってくる。

真摯に応えれば真摯な心が返ってくるんじゃないですか?

私の最後の指導です。」

と言うと、黙り込んでしまった。


黒沢は

「まあ病院には行くよ。でも給食、食べたいんだよな。

今日、今学期最後じゃん。」


と言うと

「その前に、大掃除があるんだが…。

今日はこの後授業はない。

首や肩に負担がかからないようにせっかく配慮しているのに。」

と聞いて、黒沢は


「じゃあ、帰りまーす!お先失礼しまーす!」

と言って、バックを背負ってお辞儀をした。


和田さんは

「黒沢君、色々ありがとう。お大事にね。」

と言うと黒沢は

「こちらこそ、えん罪晴らしていただいてありがとうございましたー。」

とかるーい感じで帰って行った。


いつもの黒沢に戻っている。


軽く手を振って帰って行った。


その後、しばらくして、池田と吉川が大荷物を抱えて戻って来た。

髪や服装が乱れている。

後ろから、先生らしき人が付いてきて

「ちょっと教室が荒れてしまったので、この2人だけこちらにお連れしました。」

と言った。

その後をついてきた、生徒たちが

「おい!クロどうしたんだよ!」

「黒沢は?辞めされられるの?」

「てか、どーせ、またお前らの仕業なんだろ!何とか言えよ!」

「またお前らのせいで、今度はクロが不登校とかになったら、許さねえから!」


生活指導室の前が抗議する声で騒然となると、

生活指導の先生が出てきて

「うるさい!後でまとめて連絡するから、教室戻れ!」

と一喝したが、その中の生徒が

「後でっていつだよ?」

と聞く。生活指導の先生は

「今は、まとめているところ。近いうちに言うから待っとけ。」

と言って戻ろうとドアを閉めかけた時、誰かが

「絶対言えよ!何にも連絡しなかったら許さねえからな。

この嘘つきクソハゲデブ!」

「まだ嘘ついていないのに、誰が嘘つきでクソハゲデブだ!

今言った奴!」

そう言って逃げる生徒達を追いかけて出て行った。


生活指導の先生はこっち優先してほしいと思ったけど。

あっちはあっちで散らかっているんだな。


池田と吉川の両親の顔は青ざめ、驚きで動きが止まっていた。


2人共、髪がぼさぼさで、制服も乱れた後があった。


きっと、あの時の黒沢のブーメランだ。


校長先生から、促され、池田と吉川とその両親は帰って行った。


最後に残った俺家族と警察と先生達。


校長先生は

「これはただの一区切りで、もしかしたらまた何か新たに問題があるかもしれない。その時は遠慮なく相談してほしい。

鈴木君の学校生活を安心させる責任が僕にはあるんだ。」

と言った。


「ありがとうございます。」

正直あまりピンとはこなかった。

けど、配慮してくれることにお礼は伝えようと思った。


和田さんは

「大変だったね。色々協力ありがとう。

これからコンクールだったね。応援してるよ、頑張ってね。」

そう言って、近藤さんと共に帰って行った。


その後、俺と母さんと、リモート父さんと挨拶をし、

母さんは俺のスマホと共に帰って行った。


有岡先生は、

「鈴木、ちょっと色々あって疲れたと思う。

ちょっとカウンセリングルーム寄ってみないか?

ちょうどカウンセラーさんが来ている。

挨拶だけでもして、その後軽く5分でもいいから話をしてみてはどうか?」

と勧めて来た。


今日この後、大掃除って言ってたな。

だったら、ちょっとそれに行って、給食があって、

5時間目なんかあるって言ってたけど、授業はない、

って言ってたから軽く時間過ごしてから部活って感じで行こうかな、と計算した。


「ちょっと行ってみます。」

と言うと、有岡先生はうなずいて、さっきのカウンセリングルームに向かって行った。


カウンセリングルームの前に着くと、中に人のいる気配がした。



有岡先生がノックをすると、中から男性の声で

「はい、どうぞ」

という声が聞こえた。


中に入っていくと、30代ぐらいの男性が椅子に座っていた。


有岡先生は、よろしくお願いいたしますと言って、カウンセリングルームから出て行った。


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