40.【雑談】希望と葛藤の吹奏楽部の思い出
ちょっと小説とは離れます。
書こうとした動機は色々あるのですが、その一部を少し。
飛ばしても話はわかりますので、お進みくださいませ。
吹奏楽部の過去と今
ずいぶん昔の話になりますが、かつての吹奏楽部は体育会系で、とても厳しかったようです。
今もその名残が残っているのでしょうか?
今となっては、コンプライアンス的にアウトなことがたくさんありました。
例えば——
- 呼吸練習 のために腹筋を鍛えようと、おなかを グーパン されたり、
- 音を間違えると、 指揮棒が飛んできたり、
- 熱が39度あっても休めなかったり——。
今では信じられないようなことが、普通に行われていました。
音楽を作る楽しさにたどり着く前に、そんな過酷な環境があり、
音楽を 嫌いになる 人や、 トラウマになる 人も多くいました。
しかし、人に聴かせる音楽を作るためには、
練習も必要だし、厳しさもある程度は必要なのかもしれません。
ただ、それならば 方向を、音楽性の向上に向けるべき だと思います。
今は様々な理論や指導法が確立されています。
努力は必要ですが、ただの 根性論や忍耐 で指導することが、本当に合理的なのか——
改めて考えてみるべきではないでしょうか?
どれだけ練習したか、どれだけの時間を費やしたか——ではなく、
どこに本質があって、音楽でどこまで突き詰められるか?
そんな視点を持つことが、より良い吹奏楽部のあり方につながるのではないかと思います。
また、そういう環境が整うことで、吹奏楽部が 本当に音楽を楽しめる場 になってほしい——
そんな願いを込めて。
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新入部員の皆さんへ
ようこそ、吹奏楽部へ!
小学校から楽器を続けていて、すぐにコンクール要員となる人もいれば、
今年は 基礎を固めるために、コンクールには出場できない 人もいるかもしれません。
でも、腐らずに、地道に 基礎練習 を続けてくださいね。
たとえ先輩たちが別の場所で コンクール曲の合奏 をしていて、
自分の基礎練習の音を聞いていないように見えても——
実は、音楽とは全く関係ない先生たちが聞いていたりします。
音楽を知らない先生が 「何か気になる……」 と思って、様子を見に来たり、
元吹奏楽部員の先生が、基礎練習の様子を顧問に伝えていたりすることもあります。
誰も聞いていないようで、 意外なところで評価されていることもある。
そんなことを、ちょっと 頭の隅に置いておいて もらえたらと思います。
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楽器が希望通りじゃなかった人へ
もし、入部した時と違う楽器の担当になってしまい、
心が重くなっている人がいたら——。
わかります、その気持ち。
自分が希望していた楽器を演奏する同学年の子を見ると、 ちくっと心が痛くなる。
「あの楽器をやりたかったのに……」
と思いながら合奏に参加するのは、確かに辛いことだと思います。
吹奏楽部の3年間はとても濃くて長いので、「本当に嫌」なら、早いうちに辞めるのも選択肢です。
ですが——もし 「音楽や合奏、舞台が好き」 だと思えるなら、
ちょっと続けてみませんか?
まず、その楽器について、ネット検索してみてください。
自分が好きな曲を、その楽器で演奏している動画を探してみてください。
気持ちが、ちょっと変化するかもしれません。
最近の吹奏楽アレンジは、なかなか面白いものが多いです。
例えば、吹奏楽の定番曲 「Sing Sing Sing」。
ある団体では、アルトサックスのソロ部分をバリトンサックスで演奏 していました。
それが 信じられないほどカッコよかった のです。
もし、「この楽器でカッコよく演奏している人はいないかな?」と思ったら、
ぜひ探してみてください。
また、自分が希望する楽器じゃなくても、
憧れのメロディを、自分の気持ちに沿って表現することはできる と思います。
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楽器に割り振られたメロディを聞いて、うらやましく感じることもあるでしょう。
逆に、周りから 「あのメロディを演奏しているの、誰?」 と思われることもあります。
例えば——
「今のマラカス、誰の音?」
「今の どん! って来た音、チューバ? めっちゃかっこよくない?」
どんなに 地味 だと思われる楽器でも、
音色や演奏法次第で、人が振り向く瞬間がある のです。
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最後に——音楽の先生へ
吹奏楽部を指導されている先生方へ、心からの感謝と敬意を込めて。
音楽を学びながら、思春期の生徒たちと向き合うことは、並大抵のことではないと思います。
時には未熟な言葉を浴びせられ、トラブルに巻き込まれ、
それでも 音楽を通して生徒たちを育てる ことに尽力されている。
大人になって初めて気づきました。
先生たちの 信念が、どれだけ自分たちを救っていたか。
家庭も学校も最悪で、道を踏み外してもおかしくなかった。
それでも、音楽の先生たちが 体を張ってくれていた から、今こうして生きている。
時代が変わり、指導法は進化していくかもしれません。
でも 「音楽を伝えたい」 という信念だけは、どうか持ち続けてほしい。
自分のような生徒が、救われ、成長できるからです。
過去に迷惑をかけた顧問の先生、本当に申し訳ありませんでした。
そして、ありがとうございました。
90度以上の礼をしてます。